15話.9月15日,最初で最後の愛を呟いて
王妃「さとみ…恋愛をするなと言ったでしょう?」
桃「…はい、承知の上です」
突然現れた王妃様は、さとみさんのお母様らしい。
王妃「ふん。…で、貴方は?」
黄「ぇッ、?」
王妃「さとみの恋人なんでしょう?名前は?」
黄「…る、るぅとです」
おずおずと名前を言うと、ビックリしたように口元に手を置いた。
王妃「なッ、オトコ…?!」
桃「はッ、?」
王妃「ま、まさか…うそ、そんなはず…」
ううんと考え始めた王妃様を他所にさとみさんはむすっとして、僕に近ずいた。
桃「こいつはオトコだ。」
王妃「…そう、なのね。てっきりオンナかと…。」
「…でも、そう。案外仲が良いようだし、認めるわ」
桃黄「えッ、!?」
にやっとした王妃様は、僕の手を掴んだ。
王妃「さとみと結婚したら、私の孫を是非見せてちょうだいね。王子と結婚した人は性別関係なく子供を産むことが出来るから」
ぺらぺらしゃべる王妃様はなんだか楽しそうで。
内容はちょっと恋愛はぶな僕には理解し難かったけど、認めてくれたなら嬉しい。
王妃「…じゃあ、お邪魔したわね。」
「…でも、私が認めたところで、全てが上手くいくとは限らないわよ。今日が終わったら、さとみもこっちに来るのだし…。あとは、自分たちで幸せを掴みなさい」
そんな言葉を残して去っていった王妃様をじっと見届けていると、さとみさんが僕のほっぺにキスをした。
桃「…ごめん。今日で最後なのに。」
つきん、胸が痛んだ。
そうだ、初日に約束してしまったことを破る訳にはいかない。
きっと、そういう運命なのだから。
桃「…なぁ、最後だけ、名前の呼び方変えてくれよ。」
黄「…さとみくん?」
桃「ッ、…ああ。」
今にも泣き出しそうな表情をするさとみくんの頬をそっと撫で、抱きしめた。
黄「…さよならの前にさとみくんでいっぱいにしてください」
桃「ッ、!?///」
「な、何言ってッ、…!///」
黄「…ねぇ、いいでしょ?///」
桃「ッ、手加減しねぇからな」
この日、初めて僕たちは身体を重ねたのだった。
赤「…王妃様、これで良かったのですか?」
王妃「…あとは、自分たちで幸せを掴みなさいと言ったんだから、あの子たちに任せるしかないわ」
青「王妃様って、親バカですよね」
王妃「…クビにされたいのかしら?」
青「ひぃッ、すみませんんッ、!!」
𝐍𝐞𝐱𝐭…🧸𓈒 𓏸
明日から、二十日までお休みします。
ちなみにこの物語は、ここまでで第1章です。
第2章は、後日。