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耀聖(ようせい)
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私が十歳になった頃、お母さんが怪我をして帰ってきた。
『お母さん…!それ、血…?』
「大丈夫よ、ちょっとかすっただけだから」
お母さんが何事もないかのように笑う。
でも私は分かってた。私を安心させるために笑ってること。
お母さんが喰種だとしても痛くないはずないもん。
「鳩に見つかったの」
『鳩?』
「CCGよ」
お母さんが苦しそうに笑う。
「少しここを離れましょう」
そして向かったのが、あんていく(喫茶店)だった。
店の中に入った瞬間、胸がすごく踊った。
だってこんな綺麗な人やもの、場所を見た事がなかったから。
カウンターの奥から店長らしき人が顔を出す
店長「レイコさん久しぶりですね」
お母さん「ええ、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」
店長「構いませんよ…そちらのお嬢さんは?」
お母さん「娘…なんです」
娘。その言葉が凄く嬉しかったのを覚えてる。
娘。娘かぁ…何も包み隠さず、娘とだけ言ってくれたお母さん。
喰種と人間だから、多分みんな本当の親子じゃないってことは分かってるだろうに。
その中で娘とだけ言ってくれた。
その一言が私にとっては凄く嬉しかった。
店長「そうですか」
店長が微笑む。
店長「ちょうどリョーコさんとヒナミちゃんも来ていてね。 良かったら仲良くするといい」
リョーコさん…?ヒナミちゃん…?誰だろう
凄く気になるなぁ…
仲良く、できるかな。
そんな不安とは裏腹に私はあっという間にあんていくのみんなと打ち解けて行った。
リョーコさんはヒナミお姉ちゃんのお母さんで、ヒナミお姉ちゃんは私よりもお姉ちゃんだった!
トーカお姉ちゃんは一件ガサツだけど
誰よりも優しいお姉ちゃん
店長に古間さん、入見さんに四方さん。
今ではみんなみんな大好きな人達になった。
そして金木お兄ちゃん。
金木お兄ちゃんは元々は私と同じ人間だったけど、ある日を境に喰種になっちゃったんだって
いいな、私も喰種になりたいな。
そしたら私も本当の娘になれるのに。
私、知ってるんだ。
前住んでたお家でも、お母さんが時々外に人間を食べに行ってた事も。
それを私には隠している事も。
私、ぜんぶ知ってるんだ…
最初は私に隠し事してるなんて!と憤りもしたけど、多分お母さんなりに私を怖がらせないための配慮なのだろうと理解してからは、私も変に勘ぐったりしなくなった。
金木side
最初、レイちゃんに出会った時は凄くびっくりした。
何故、人間が喰種と一緒に?まさか脅されて?なんて考えもしたな…
レイちゃん。すごく不思議な子だった。
人懐っこいのにどこか線引きをしているようで近くに居るのにどこか遠くに行ってしまいそうな、そんな感覚のする子だった。
レイside
あんていくでの生活は思ったよりずっと楽しくて平和だった。
でも、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。
ごめんねお母さん。ごめんねヒナミお姉ちゃん。ごめんね、ごめんなさいみんな。
まさかあんなことになるなんて思ってなかったの。
コメント
1件
うわ…第3話、すごく切なかったです🥀 レイちゃん、お母さんの秘密をぜんぶ知ってるんだね。それでも娘って呼んでもらえたことが嬉しかったって…その一言だけで、この子の孤独と強さが伝わってきました。 あんていくの温かさと金木お兄ちゃんへの憧れ、でも最後の「まさかあんなことになるなんて」で一気に不安が押し寄せてくる構成、すごく好きです。続きが気になる…!