テラーノベル
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ちょこちょこ書いてたらデータ消し飛んで萎えたので残った中途半端のものを出します。
全部ttrtです。
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vt@の生徒が寮生活であること、sikとusmがルームメイトである前提。季節設定は冬。
羽織るものが黒いカーディガンだけでは到底寒さを凌げるわけがない、吹雪が舞う季節のことだった。
それは、本当に事故だった。
「……僕、リトくんのこと好きだわ。」
口から勝手に転げたにしては丁寧で、愛の中に雑味が混じっていなかった。洗濯機がゴウンゴウンと鳴り、電子ストーブの独特な匂いが充満する部屋で、たった一瞬の隙を油断していたせいで二人の関係性が歪んだ瞬間のこと。
「……それ、マジなやつ?」
そのときの温度のことを俺は一生忘れられない。
×××
雪が降っていた。一つだけある寮の部屋の窓から見ても、穏やかながら地上を埋め尽くす量で、タイミングが良ければホワイトクリスマスだと喜ばれただろうに。残念ながら今日は有名なイベントも思いつかないただの平日、基本的に誰からも嫌がられる日である。
そう、基本は。
「徹、外行かねえ?」
「……なんてぇ?」
授業内で課された課題と次の配信で使うネタを絞り出すことに集中していた佐伯は耳を疑った。外は空に浮かぶ一面の漆黒と水玉の白でモノクロを彩っていて、時間帯が夜であることを表している。そんな中、目の前の男は外に行くと言ったか?思わず聞き返す。
「だから、外行こうって誘ってんの。折角だし2組全員の雪だるま作ろうぜ」
「ああ、俺の耳がおかしいんじゃないのか……君一人でどうぞ行ってらっしゃい」
「は?行かねーの?」
「行かないよ、外が何度だと思ってんの?この筋肉ダルマめ……」
佐伯は正論を囃し立てるが、宇佐美は握り拳を上に上げることで黙らせることにした。よかった、拳で分からせる必要はないみたいだ。いや、筋肉ダルマって言ったなコイツ。やっぱり拳は必要か?
なんだかんだで佐伯は宇佐美に軽口を叩き、宇佐美は暴力でねじ伏せようとしつつも彼に全幅の信頼を置いている、いつもの光景。特別出会ってからの時間が長いわけではないものの、やはり友人と間違いなく言える関係を築いてきた証拠でもあった。
「全くぅ…リトくんはまだ雪ではしゃいじゃう子供なのぉ?いや、君体温高いし子供か……?」
「誰が子供体温だよ!」
佐伯がパソコンに向き合っていることは承知で、宇佐美は彼が雑に床に投げたダウンコートを佐伯に投げる。
「お、ナイシュ」
「…あ〜〜!!!!仕方ないなあ、行けばいいんだろもう!!」
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先天性カントボーイusmとsikの話。
今、佐伯イッテツの目の前にはありえない光景が広がっていた。
己に対して股を広げる大柄な男?確かに昔の自分に言えばびっくりするだろうが、そうじゃない。
じゃあ戦友で仕事仲間で同期で親友である人が恋人になったこと?それも違う。
じゃあ、何か。
「っ、ぁ……♡…ッそ、そんなに見んなぁ……っ!」
それは、目の前の男に、男性についているはずのモノがある場所に男性器が無いこと。そして、その代わりというように、女性器があることだった。
◇◇◇
「……リトくん、僕と付き合ってくれますか!!」
「………俺で、いいなら」
突然だが、佐伯イッテツは今まで恋人がいたことがない人生を送ってきていた。21歳という若さを持続しても尚変わらず、童貞歴=年齢も全く変わらない。30歳まで童貞だったら魔法使いになれると聞くけれど、順当に行くとその未来しか予感出来なかった。そして、現在もそれは変わらない。
いつか+∞の呪いが解けたとて、好きになった、なってしまった相手は男性だから。それも、思春期特有の突発的な恋愛感情なんて軽いモノじゃない、どろりと黒く腐れてしまった特級並みのモノ。紆余曲折あって恋人になったのだ、よっぽどのことがあったって離したくないとまで思ってしまっている。
とまあ、宇佐美リトに惚れた佐伯イッテツは、宇佐美から離れるつもりもないので童貞を卒業することはもう無いのだと考えた。佐伯は男性のアナルにちんぽを挿れることを童貞卒業だと思っておらず、女性の性器にズッポリハメることこそ童貞卒業だと思っている。そのため、彼を一生離すつもりがないのなら真の意味で童貞とさよならする日はもう来ないのだと思った。思っていたのだ。
「……あのな、テツ。俺さ、ずっと、お前に隠してたことがあるんだよ」
一世一代の告白を佐伯の家で行い、めでたく結ばれた2人は佐伯の自室の薄っぺらい座布団に座っている。けれど、付き合ったばかりというには空気が重い。
いつも宇佐美はあぐらをかいて座るはずなのに、正座をしていた。そして、付き合い始めたばかりのタイミングでの、妙に重い、けれど羞恥の感情を表している声色は佐伯を怯えさせていた。なんだ?実はさっきの告白の返事は嘘なのか?ずっと隠していたこと?全く検討がつかないのがひどく恐ろしい。宇佐美は隠し事を言うことに躊躇しており、無言の時間が続く。
先に声を上げたのは佐伯だった。
「…リトくん、実はずっと偽物だったとか……?」
宇佐美が目を見開いた。カチ、コチと壁に掛けられている時計から音が聞こえる。3回、4回と大体4秒間、たっぷりと間が空いた後、特徴的な笑い声が部屋に響いた。
「んっはは、ははっww!コッコッコッww」
「そ、そんな笑わなくたっていいじゃん!!」
どうやら違うらしく、佐伯は爆笑する宇佐美をそっちのけで考察し始めた。その内容が声に出ているが、内容もまた宇宙人説だとか人間じゃないとか、非現実すぎる。宇佐美はそれを聞いて腹筋を震わし、手を叩いて声を上げ笑う。さっきの重い空気など無かったかのように、友人という肩書の時と変わらない2人になっていた。
「ヒーッww、はぁ…w、ふふ…、てつ、テツ、落ち着けって」
「…まさか、リトくんはゴリラ、ッぃ゛った!?」
「誰だゴリラだ、ちゃんと話を聞け」
笑いの波がようやく引き、佐伯を叩いて直すことでなんとか告白のターンに持っていく。結局時計の針はもう2分ほど進んでしまっている。
「…あのな、テツ、俺は正真正銘人間なんだけど、なんつーか………体に有る筈のモンが無くて、無いものが有るみたいなことになってんの」
「え、臓器とか?」
「一旦黙って聞いてくんない?」
「分かった、分かったから口抑えないでリトくん!息できない!!」
愉快な佐伯に思わず笑いそうになるが、なんとか笑いを噛み殺し、話を続ける。そして、映画のシーンが変わったかのように神妙な面持ちになる宇佐美に、佐伯は何故かコクリと喉を動かした。
「…今から言うこと、絶対に誰にも言わねえって約束するか?」
「……?、うん」
「………もし、その…嫌なら、ちゃんと言えよ」
よく分からない念押しをされ、とりあえず頷く佐伯を確認し、ふぅ、とため息をつく。覚悟を決めるようだった。顔に熱が集まってくる。
重くのしかかる何かが言葉を詰まらせるが、なんとか、声に出す。秘密にしていたことを、初めて口にした。
「……俺、ちんこねぇの」
「……………え?」
少しの間、言葉を噛み砕いて理解してみると、まるでネットミームのスペースキャットのようになる。直訳すれば宇宙猫。まさに、今の佐伯に当てはまる表情。
待て、ちんこ?あの、男性器?リトくんが、いつも好き好んで言う、あのちんちん??が、無い?????
佐伯は困惑した。嘘だと思いたいのに、目の前にいる彼の姿に嘘をつく時の癖は無いし、恥ずかしそうに顔を赤らめる彼に、嘘をついていないと思わせられるから。
宇佐美は、とにかく早く話を終わらせたくて、そんな状況の佐伯を知りつつも話を進める。
声が、震える。
「…そ、の……………ちんこ、じゃなくて……まんこ、が、付いてて……」
佐伯が、固まってしまった。
まんこ、女性についている性器。そこに男性器を挿入し、赤子を作る、佐伯にとっての神秘の場所。
いや、これは嘘だろ。流石に。それか夢だ。いや、夢だとしたら付き合ったことまで夢になるか、じゃあ夢と思いたくないな。じゃあ嘘。リトくんは男。男性。まんこなんて付いている訳ないのである。ほら、骨格も、声も、体の筋肉のつき方も全部男。そういえばちんこは見たことないけど。
佐伯の頭はこの宇佐美の告白を嘘だと認定した。そして、宇佐美の言葉を嘘だとはやく決めつけたかったため、宇佐美の言葉が嘘だと簡単に分かるお願いをする。
「ねえ、じゃあ見せてよ」
「………ぇ、」
自分の喉から発された声が、想像以上に冷たくて驚いた。いや、それは今どうでもいい。
きっとリトくんなら、『いや、冗談ですやんw、本気で捉えんなってw』とでも言って、見せずに流すだろうと佐伯は想像した。
けれど、予想とは真反対と言えるほど違った。宇佐美は、顔を真っ赤にし、はくはくと口を開いて、戸惑っていた。そこにかっこよさや堂々とした姿勢なんか毛程も見当たらない。なにか言いたいのか、恥ずかしいのか。分からないけれども、何故か、佐伯は興奮を煽られていた。どくりと心臓が大きく鳴る。
そして、ひとこと。
「…………そ、れで、しんじて、くれる……なら」
その場にゆるりと立ち上がる宇佐美を見上げる。少し手足を震わせたまま、パンツのベルトにかかり、スルスルとベルトが外されるところを見て、なんだかストリップショーみたいだなぁ、とどこか冷静な頭が他人事のように思う。他にも色んなことが頭をよぎるが、股間部分から佐伯は目を逸らさない。ああ、確かに膨らみはない。けどまだ分からない。
チャックがジリジリと音を鳴らしながら下ろされていく。そして、ズボンの縁を持ち、一気に下げた。
そこにあった衣類は、佐伯に見覚えがない、というか、自身が使ったことのない形のパンツだった。
「………え、これ………」
そう。宇佐美が履いているものは、ボクサーパンツやトランクスの類のものじゃなかった。ランジェリーショップに置かれた可愛らしいものではないものの、一目で女性のショーツだと分かるもの。そして、ショーツがぴっちりと食い込んで見える谷。その中にちんこや金玉だと思われるものは無く、その谷の部分に少し影が入っている。
本当だった。佐伯が放心状態になっている内に、さっさとズボンを上げ、座布団に座り俯く宇佐美。またさっきのように、時計の針が鳴らす音のみがこの場を支配することとなる。
佐伯は数十秒ほど経ってから、やっと少しずつ現実を受け入れようとしていた。というか、目の前で、ありえないと思っていたことが起きたおかげで一周回って冷静になっていた。宇佐美には男性器が無い代わりのように女性器があるらしい。多分最近変わったわけじゃない。暫くの間、この姿で過ごしていたのだろう。
さて、童貞である佐伯イッテツが現状を噛み砕き、理解して思ったこと。それは、宇佐美リトで、童貞を卒業できるということであった。彼の言葉を信じるなら、まんこで。現実味はないが、まさかの形で卒業式が近づいてしまった。
そこで、いや待ってくれ、と、童貞丸出しの佐伯を宥める佐伯が出てくる。流石に挿入することを考えるまでが速すぎる。落ち着け佐伯イッテツ、そこに挿れることができるかまだ決まったわけではないだろうが。そもそも宇佐美リトが受け入れてくれるとも限らないだろ。
浮つく気持ちを必死に抑え、佐伯イッテツは現実に戻ってくる。宇佐美は変わらず俯いているが、耳が真っ赤になっており、なんだか心の変なところを掻き立てられた。落ち着け、リトくんを困らせないようにしろ。慎重に、性交渉をできるか確かめるのだ。
「………あ、の……それって、さ?そ、の………挿入とか、できる、の?」
「…………ま、ぁ」
「…子どもとか作れちゃうってこと?」
「…ぃ、や…………それ、は…できない」
宇佐美の声がか細い。初めて、こんなにも恥ずかしそうで、かわいい声を聞いたと佐伯は思う。どくどくと頭に血が集まっていくのが分かる。
「………てつ、は……その、いやじゃないの」
「…なにが?」
「……その、キモいだろ、………この、からだ」
なんでキモいんだ?と佐伯は疑問に思うが、宇佐美が鍛えられた二の腕を妙にさすっていることからなんとなく察する。きっとリトくんにとって、鍛えられた自分の身体と、女性器がついているそのアンバランスさ、違和感が気持ち悪いんだ。佐伯イッテツにとっては夢かと思うほど嬉しいことなのに。
「…君にとっては嫌かもしんないけどさ、僕は今すごい喜んでる…っていうか、興奮してるよ」
「……まじ?」
「ほら、見てみなよ、このテント」
宇佐美の顔が上がり、視線が佐伯の下半身へ向く。そこには触ってもいないのに、何故か膨らんだ布。
宇佐美は目を疑った。
「…なに?お前、特殊な性癖をお持ちなの?」
「いや、だってさあ?普通好きな男がまさか、まんk……女性器ついてるとか興奮するに決まってるでしょうが!」
「誤魔化せてねぇよ……」
宇佐美はまた小さくため息を吐いたものの、それは呆れや困惑ではない。
佐伯はどうやらこの身体に興奮するらしい。流石に触らずとも勃起しているのはちょっと引くが、宇佐美リトの今の体を受け入れてくれるのだ。
「…あのさ、ソレって、先天性…っていうか、元々あったの?」
「……いや、テツと会う前に起きたヒーローの任務でいろいろあってな、あ、その時の敵ははもういねぇから心配しなくていいよ」
「…ふーん……」
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usmが寿命で死んでまた生まれ変わるのを待ってたらなんか女の子として生まれてるusmと出会うsik。
いやさ、こんだけ21歳を繰り返してるとさ、本当に嫌だけど、『死』というものへの特別感?…みたいなのが薄れてくるんだよ、本当に。
もちろん『死』は怖いし、悲しいし、辛いさ。友が死ねば毎度毎度その日は泣いては目を腫らすし、自分がシクった被害にはいつも後悔して、膝を抱え込んで、手を合わせてる。けど自分は残機によって何百も死んでは生き返って、周りもバタバタ死んでいくスパイラルを延々と見ていくと段々恐怖とか諸々が薄れてきちゃったんだよ。
どれだけ身近な人だろうが、どれだけ悲惨な死に方をしていようが、結果としてはもう会えない人なわけで。ずっとメソメソしててもこの世に救いの手が差し伸べられることなんて無いって、ロマンある夢から覚めたのが××年くらい前。慣れた、なんて言い方は良くないけど、結果事実としてそんな風になっちまったんだよ。マジヒーローとしては良くなさすぎる。もっと倫理観鍛えろよって。
さあ、そんな俺がちょっと前(二十数年前)に出会って、関係に異常事態が発生した人がいる。何を隠そう宇佐美リトだ。
リトくんは僕の人生の中の特異点だった。今までで俺が好きになった人(二次元含む)は何十人、百数人いるけど、まさか同性に惚れるなんて初体験だったから(男の娘はノーカウントとする)。そして、僕の唯一のお付き合いした相手。いや×××年生きてできた恋人が一人とか嘘でしょ、とは思うけどそれは置いておいて。
リトくんはそれはもう魅力的な人だった。外見からは太陽のように眩しく、体がデカい圧倒的な陽キャにしか見えないが、実のところの性格としては俺と似た系統だったし、なんなら俺より怖いと思うものが多かったり。けれど誰に対しても平等に優しさを与えて、子供みたいな様子を見せたかと思えば価値観は大人びていて。
今まで惚れてきた人はたくさんいたけれど、『いつの間にか好きになっていた』っていう言葉がこれほど当てはまる経験はしたことがなかった。僕もリトくんもノンケだったはずなのに、ふと気づいたらお互いにとって一番落ち着く相手になってるなんて、きっと××年前の自分に言ったって信じないだろう。
まあそんなことは置いといていいんだよ。リトくんは健やかに過ごして、見事な大往生を迎えたし、その場に僕がいることができた。最後までリトくんはリトくんらしくってさ、なんだか安心してまた会えるものなんだって思ってた。実際、転生してる人は何度も見てきたし、いつまでも待つつもりだったんだ。
「……そのつもり、だったんだよなあ……」
「なんだよ、テツはこんな俺いやなの?」
「いや、別にそうとは思ってないんだけどなあ…」
きゅるきゅるなお目々に俺の目線よりずっと低い位置にあるつむじ、高くてやわかい声、そして筋肉だとは思えない胸の大きさ。
「……リトちゃん、って呼べばいい?」
「いやリトくんで良いだろ」
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rt右って良くて…。
コメント
3件
ありがとう
おお、読み終わったわ…!これ、めっちゃ刺さるやつだ🔥 まず「口から勝手に転げた愛」の描写が最高すぎる。あの洗濯機と電子ストーブの匂いの中で、たった一瞬の隙に人生が変わる瞬間の温度感、めちゃくちゃリアルだった。しかもその後の宇佐美の「筋肉ダルマめ」からの軽口とか、普段の空気感がしっかりあるからこそ、秘密の告白の重みが際立ってたな。 それでいて佐伯が「♡♡♡?!」ってなった後のテンションの持っていき方、最高すぎる。特殊な性癖とか言われてるけど、ちゃんと「好きな人の全てを受け入れる」って覚悟が感じられて、なんか胸熱だったわ。リトくんの「キモいだろ」って怯え方が切なくて、そこに佐伯のテントで応える流れは…もうね、BL好きにはたまらない展開よ。 続きが気になりすぎる!生まれ変わりの話も入ってきて、この先どうなるのかマジで楽しみ。たけのこのチルドさん、これからも応援してるからな!🔥