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夢小説
殺人表現
6畳のボロアパート。コップを片手に辻宮 美玲は職を探していた。
美玲「いい仕事ないな…」
半年前に家を出て、友人の家を転々としていた美玲だが、つい最近友人たちに愛想つかれてしまい頼れる人が居なくなってしまったのだ。
美玲「はあ…実家にだけは戻りたくないし…」
ノートパソコンを閉じ、水を飲み干した。
美玲「夢小説でも見るか」
美玲「あ、私の名前に似てる」
美澪『ばいばいッ』
キャラ達『𓏸𓏸!!!』
美玲「次のエピソードない…。」
美玲は残念そうにアプリを閉じ、ため息をつく。
美玲「私も夢小説の主人公になりたいな」
叶うはずもない願いを呟き、美玲は床に寝っ転がった。
しばらく天井を無心で眺めていると、ドアを乱雑に叩く音が聞こえる。
美玲「うるさいな…誰だろう 」
髪をぐしゃぐしゃと掻きながらゆっくり立ち上がり、玄関の方に向かった。
美玲「はーい」
扉を開けた瞬間、グサ、という音と共に鋭い痛みが腹部に伝わる。
刺された?私が?なんで?
元彼「お前が悪いんだ…!!お前が一方的に俺を振るから…!!」
美玲「おぇっ、」
込み上げる吐き気に耐えながら美玲は口を開く。
美玲「それはあんたが浮気したからでしょ…!」
元彼「うるさい!」
元彼の声を最後に、目の前が暗転した。
こんな惨めな死に方をするなんて誰が予想しただろう。少なくとも、私は予想できなかった。
次目を覚ました時、そこは病院だった。
誰かが救急車を呼んだのかと思ったが何かがおかしい。体が軽く、刺された場所が痛くないのだ。
?「美澪!目が覚めたの?今医者を呼ぶからね」
若い女性の声だ。友人などもういないが誰だろうか…。
美玲「誰ですか…?」
?「もう、美澪ったら!記憶でもなくしたの?水瀬 凜音よ!」
水瀬 凜音。刺される前に見た夢小説の悪役の名前だ。彼女はたしか梵天に入ったあと主人公を裏切り、自殺に追い込んでいた。
美玲「あの、私の名前は…」
凜音「まさかほんとに忘れたの…?辻 美澪よ!お医者さん遅いな…」
辻 美澪。これはどういうことだろうか…夢小説の主人公の名前と完全に一致している。まさか転生でもしたのだろうか。
とりあえず、寝よう。
水瀬と医者の声がするがまあいいだろう。
『あ、来た』
次目を開けると今度は少年の声がした。異常に寒いし息苦しいがここはどこだろう。重たい体をあげ、目を開ける。
美玲「誰?」
『神だよ』
…神?これが?この人生経験あんまり積んでなさそうな少年が?
もしかしてあれは走馬灯だったのだろうか。だとしたら私は元彼に刺されて死んだことになる。そんなの絶対に嫌だ。あんなクソ男に殺されたままなんて…。
美玲「ここどこですか?」
『雲の上』
通りで息苦しいと思った。
…神って意外と近くにいるんだな。
美玲「天界じゃないんだ…」
『まだ君の魂を天界には連れて行けないんだ。』
まだということは、いずれ天界に連れていかれるということなんだろうか…。
『だから君に転生してもらうよ』
美玲「はい?」
意味のわからない言葉につい声が漏れた。天界に連れて行けないから転生させる?どういうことだ?
『あれ?上の人が君に現世に戻るチャンスをあげるって』
神に上などいたのか…。
美玲「えぇ…」
『面白くないな。』
神は不貞腐れた顔でリストのようなものを捲くった。
『いいこと思いついた!君には夢小説の世界に転生してもらって、そこでミッションをこなせば現世に戻れるってことにしてあげるよ!』
随分と上から目線の言葉につい呆れ息が漏れる。
美玲「はぁ…それでそのミッションってなんですか?」
『夢小説の内容を完璧に模倣するか、悪役を身代わりにする、でどうかな?』
美玲「もうそれでいいですよ」
『じゃあ、行ってらっしゃい!』
見つけてくださってありがとうございます
𝕋𝕠 𝕓𝕖 𝕔𝕠𝕟𝕥𝕚𝕟𝕦𝕖𝕕︎︎𓂃⟡.·