テラーノベル
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翌日出勤し、総務部のデスクでメールチェックをしていると、部長が不思議顔で近づいてきた。
「咲坂さん、何かした?」
「何かって……なんですか?」
「突然出向命令がでたんだけど」
「出向命令? 私にですか?」
「それが……」
口ごもった部長の視線は、手に持っていた辞令に注がれている。
私は奪うようにして、それを受け取った。
受付嬢が出向なんてあり得ない。
だけど、辞令には確かにそう書いてある。しかも行くところがおかしい。
【株式会社フェンスへの受付補助としての出向を命ずる。期間は三日間】
どうして関連会社でもないあの社長の会社に行かなきゃならないのか、まったく意味がわからない。
一番慌てているのは私だけど、総務部自体がパニック状態だ。
そんなときに電話が鳴り、近くにいた部長がすぐに受話器を取った。
「はい、総務部です。……ええ。ああ、はい。今代わります」
部長は困ったような顔をして私のほうに受話器を向ける。
「社長秘書の有沢さんからだ」
「はい?」
なんで秘書さんから電話? と思って出ると、私の気分をさらに下げようという勢いで、不機嫌そうな声がした。
『咲坂さん? 辞令は受け取られたかしら。突然のことで驚かれていると思うんだけど、社長命令なの。懇意にしている株式会社フェンスの社長さんから、中途採用した受付の指導のために、受付経験のある女性を一人出向させてほしいと、頼まれたそうなのよ』
なによ、それ。人材派遣会社にでも頼みなよ。どうして私が。
『私が行こうかとも思ったんですけど、社長は有能な秘書にいなくなられるのは困るっていうので。あなたなら、事務経験も受付経験もあるからいいんじゃないかという推薦もあってね。……お願いできるかしら』
鷹槻れん

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鷹槻れん

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コメント
1件
えっ、突然の出向命令!?しかもあの社長の会社に…⁉️ 読んでて「え、なにそれひどい!」って主人公と一緒に叫びそうになったよ。社長秘書からの電話の不機嫌そうな感じも、すごく伝わってきた。主人公の「どうして私が」っていう気持ち、めっちゃ分かる…。この先どうなるんだろう、気になって仕方ない🥀