※リストカット、流血表現有り
「おいっ!!!!なにしてんだよ、っ!!」
「ぁ、…………」
見られた
見られた見られた見られた
最愛の人に最悪な腕を太ももを
「世一、、、!!!」
こうなったのは数時間前
少しの口論が発端だった
「…カイザー、昨日のパジャマ洗濯物いれたー?」
「……あ、」
「はぁ、?あのさ、これ何回も言ってるよね、」
「どうせ回すの俺なんだから入れるのくらいちゃんとやってくんない?」
「なっ、、たまたま入れ忘れただけだろ?」
「たまたま!!?これ何回目だよ!!!!」
少し声を上げてしまったのがカイザーを怒らせてしまった
「あっ、………」
「は?そんな怒ることかよ」
「最近お前うざいんだよ、ちまちまと……」
「それはさ、カイザーのためn…」
「そういうのいらねぇから」
「昔の世一は可愛げがあったなー、今はぐちぐちうぜぇよ」
「っ、、、……」
泣きそうな目を隠すように俺は黙って部屋へと入った
「っぐっ、、、うっ、…」
あぁ、カイザーはそんな風に思ってたのか
最近夜の頻度も少ないなと思ったらそういうこと、
泣きながら目に入ってきたのはひとつの引き出し
そこにはカッターが入っている
俺は引き出しを開けた
不安やストレスがあると、これで腕や太ももを傷つけていた
カイザーと付き合い、同棲を始めてからもうしないと誓っていたがそれを破る時が来てしまった
「………………」
久しぶりで手が震える
俺は右手に力を込めて左腕に思いきり振りかざした
「ったぁ、……」
痛かったけど、気持ちよかった
結局俺は、こんなことをしないと自分を保てない弱い人間なんだ
今までの反動からか、両腕に切れるところが無くなるまで俺は無心にカッターを動かしていた
切れるところが無くなったため、俺は太ももまでもを傷つけた
痛さを忘れるほどの快感だった
あと1回、あとこれだけ、…
そう思ってもカッターを持つ手は裏腹に俺をどんどん血まみれにしていく
そうして太ももを切っていた時、部屋のドアが開いた
「おいっ!!!!なにしてんだよ、っ!!」
「ぁ、…………」
カイザーが来て我に返った
体に目をやると両腕は血が床にたれ、水溜まりのようになっていて、太ももも自分でも見ていられないほど真紅に染まっていた
「世一、、、!!!」
「……ぁっ、かい、ざっ、…」
カイザーから目を逸らしながら俺は過呼吸のようになる
見られたくなかった
こんな醜い俺を
自分を傷つけることでしか生きられない俺を
見せたくなかった
カイザーはただ立ちながら俺を見つめていた
「かい、ざ、はぁ、っ、」
嗚咽が混じって上手く呼吸ができない
言葉が上手く出てこない
「みなっ、っ、い、でっ、、!」
絞り出して出た言葉だった
俺は俯きながら自分の腕を抑えることしか出来なかった
「……世一」
気がつくと俺は青薔薇の匂いに包まれていた
「かいざっ、!だめっ、こない、でっ、!」
「おれ、っ、きた、ないっ、、!、」
「汚くなんかない」
「ほん、とにっ、ち、いっ、ぱいだか、ら、!」
「それのどこが汚いんだ」
「ごめん、本当に酷いことを言った」
俺を抱きしめる力が強くなる
「おれっ、も、っ、……」
ごめんね、
と言う前にキスで口を塞がれた
「謝るな、世一は何も悪くない」
カイザーの声がかすかに震えているのが分かった
「つい、かっとなったんだ、」
「言い訳にしかならないと思うが、…」
「本当に、すまなかった、」
「……………………」
しばらくカイザーの首元で息をするとだいぶ楽になってきた
同じ柔軟剤を使ってるはずなのにカイザーからは青薔薇の匂いがする
「…………世一、」
どのくらい経っただろうか、
カイザーから名前を呼ばれて顔を見合わす
冷静になると腕や太ももからぴりぴりと痛みが込み上げてくる
「…」
カイザーはすっ、と俺の腕を見つめた
「…カイザー、見ない方がいいよ、」
「普通に汚いし、片付けは俺やるから、…」
「世一。好きだ」
立ち上がろうとした瞬間、突然言ったカイザーの言葉
「…え、?」
「好きなんだ、どうしようもないくらい」
「お前が、大好きなんだ、心から愛している」
「それなのに、お前を傷つけた」
「こんなに、ボロボロになるまで追い込んでしまった」
「謝っても許されないのはわかってる、」
「もう、二度とあんなことは言わない。しない。」
「だから、…だから、」
「ずっと、俺のそばにいてくれ、」
「俺は世一なしじゃ生きていけない」
「…カイザー、」
ここまで素直なカイザーは付き合って初めて見た
「正直、こんなにボロボロにしといて腑抜けたことを言っているのは分かっているんだ、」
「でも、傷だらけの世一を見て怖くなったんだ、」
「…いなくならないでくれ、」
「大好きだから、愛しているんだお前を、」
「…もー、分かったよ、笑」
「好き好きってそれ普段から伝えてくれないかなー?笑」
あまりにも真剣な顔で伝えてくるから俺は逆にニヤけが込み上げてきた
「……俺も、ごめん。」
「だから、世一は謝るなっt…」
「ううん、謝らないと俺が気が済まない、笑」
「……もう、やらない。カッターは捨てる」
「だから、俺の不安はカイザーがとってほしい」
「…ね?」
「……あぁ、約束する」
「でもな〜、あの言い方はショックだったな〜」
「………本当にすまなかった、」
「…笑 カイザー、消毒と絆創膏持ってきてくれる?」
「あ、あぁ!ちょっと待ってろよ、」
部屋から出ていくカイザーを見る
こんなにも真剣に謝られて、こんなにも真剣に愛を伝えられたのは初めてだった
「(普段からあんくらい素直だったらなー笑)」
そう思ったけど、それはカイザーではない気がする
「…クソ愛してる、カイザー」
俺は自身の腕へとキスをした
END