テラーノベル
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第11話
「ふふっ。私だって、そんなもんですよ。人付き合いの仕方なんて誰にも習いませんから」
「そうか? ……まぁ、確かにな。そう言えば、何でここに来たんだ?」
「あ、確かに話していませんでしたね。姉が色々とあって心を壊してしまって……両親が姉に集中できるように、ここへ出てきたんです」
エリカが、心を壊した? 何があったんだ……
「何があったのか、聞いていいか?」
リナは遠くをぼんやりと見つめながら「ステータスがあまり良くなかったんです。私のを見て、もっと落ち込んでしまって……それでここへ辿り着きました」と本音のこもった声で目を細めた。
ステータスが……
いや、魔力が少なかった……俺と比べられたら……
「……。同じ血が流れた姉妹なのに……って、きっと思ったんでしょうね。話ができなかったから分かりませんけど」
リナはそう言って苦笑している。
話ができなかったって……俺の事も言えないし、もう、どうしようか……分からない。
俺も、最近会えてないし……
「……大変だったんだな。リナはよく頑張ったと思う。俺も頑張らないとな」
「ニルスさん……ありがとうございます」
エリカと似た可愛らしい笑顔になった。
ちゃんと、姉妹なんだな。
「事実を言っただけだ。苦労したのも、本当だろ?」
「確かにそうですね。最初はどうなる事かと思いましたよ。でも、苦労の先にはこうやって素敵な出会いに巡り会えて……幸せです」
「俺も、リナに出会えて変われた気がする。いい意味でな」
俺が頭を撫でるとリナの魔力の流れがとても嬉しそうに流れた。
❂
家を出てから一年年が経った。
半年くらい、カールさんの弟子をしている。糸の編み方とか、杖の彫り方。魔法石の特徴や、加工、見極め方……色々と教えてもらっている。
十歳になったら出張型で、実際にやってほしいと言ってたな……
あと、誰かの魔力も見分けられるようになった。カールさんによると、見極めなんて相当訓練しないとできない技だと言っていた。ニルスさんはできるようだけど。
それに、誰の魔力かも分かる。
その魔力の見極めとか、誰か見分けるのって、犬でいう匂いだよね。
……それと、この感覚が懐かしい。見分けたり、見抜いたり……凄く懐かしい。
カールさんと、ニルスさんと、マリーさんの魔力はハッキリと覚えた。そして、自分の魔力の残像も。
それと、両親には手紙を月一で送っている。返事は戻ってこないけれど、やってしまったのだから仕方が無い。
「出来た……」
私が零した言葉と共に目に入ったのは、一つの髪飾りだった。光魔法石が施されていて、白い肌にキャラメル色の髪に似合う金メッキ仕上げの髪飾り。
可憐で、星のモチーフにした。私の自信作。
「あら? 上手にできてるわね。自分用なのかしら?」
マリーさんが、頼んだ箱を持って髪飾りをまじまじと見つめている。
「いえ。プレゼント用です」
「そう……喜んでもらえるといいわね」
そう言って私の頭を優しく撫でてくれた。
「ふふっ。そうですね」
一ヶ月後。
やっとの事で、返事がきた。
お母さんと、お父さんだった。エリカの分は入ってない。
……ちゃんと、お姉ちゃん宛に書いたんだけどな……二人とも、それくらいわかってくれるだろうし……
私が色々と思考を巡らせながら手紙を開くと、その思考は、全て真っ白になった。
全て、謝罪だった。
でも、最後にはエリカがいい方向へと、進んでいる事が書かれていた。『ありがとう』って言葉も添えてくれた。
……良かったんだ。
……ん? というか、てっきり『危険な目に遭ったなら帰ってきて』とか、『どこの馬の骨なのかも知らない店に入り込んでるんじゃない』とか、書かれてるのかと思ってた。
……心配してくれないのかな……って、エリカの事に集中するって約束だったな……
自業自得。
三人の前では、あまり顔に出さないようにしてるけど、心配。でも、帰るって手は無いしね……
ま、何とかしてよね。私にできる精一杯だったよ。
変に詮索して……絶対に二度と繰り返さない。
#ライトノベル
こはる
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……って言ってもやっちゃいそうだな……
「ほら、湯冷めするぞ。いい子じゃなくても、寝る時間だ」
「はーい」
「ったく。あれから風邪をひいてないからって、気を抜くんじゃないぞ」
「分かってますよ」
病死したことあるもんで、その重大さは骨にまで染み付いていますよ。
「おやすみなさい」
「あぁ。おやすみ」
そう言ってお互い部屋に入った。
コメント
1件
こはるさん、第12話読了しました! リナとニルスさんの会話、すごく自然で温かい空気が流れてて良かったです。 特に「苦労の先には素敵な出会い」って言葉が沁みましたね…。 エリカ姉さんの今が気になるところだけど、リナが自分で作った髪飾りをプレゼントする日が来るといいなって思いました。 「病死したことあるもんで」のボソッと入るユーモアも、リナらしくて好きです。 次も楽しみにしてますね🔥