コメント
1件
えぇめっちゃいい😭情景描写が上手すぎます!
付き合ってる。
苦手な方は回れ右!
承太郎が大学に行って離れ離れになってしまうお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
約束の空、離れた心
キャンパスの中庭に、柔らかな夕陽が差し込んでいる。秋の風が木々を揺らし、落ち葉が静かに舞い散る。
「本当に行くのかい?」
花京院が低い声で言う。独特な前髪整えた彼は、カフェテーブルの向こう側に座る承太郎をじっと見つめていた。
「あぁ向こうで研究を続けたい。これは俺にとって大事な夢なんだ。」
花京院はカップの中で冷めかけたコーヒーを見つめながら答える。その声には確かな決意が込められているが、どこか躊躇いも感じられた。
「……分かってる。承太郎がそう決めたなら、止める権利なんて僕にはない」
花京院は視線を落とし、指先でテーブルを軽く叩いた。その動作からも、彼の葛藤が伝わる。
「でも……離れたら、どうなるだい?」
小さな問い。だが、その一言には二人が共有してきた全ての思い出が詰まっていた。
承太郎は花京院の顔を見つめる。その眼差しは真っ直ぐで、言葉以上の感情を伝えてくるようだった。
「俺たちの関係が、距離で壊れるとは思わない。」
承太郎は微笑みながらそう言った。だが、その笑顔はどこか無理をしているようにも見える。
「何言ってんだ…君は、僕よりずっと強いじゃないか。」
花京院が軽く笑う。だが、その声は震えていた。
「花京院……」
承太郎が手を伸ばすと、花京院もそれに応えるように手を重ねる。
「僕は承太郎を信じる。だけど、正直に言うと、怖いんだよ。君が遠くに行って、僕のことを忘れるんじゃないかって。」
承太郎は一瞬、言葉に詰まった。しかし次の瞬間、しっかりと花京院の手を握り返す。
「そんなこと、絶対にない。」
承太郎の声は今度こそ揺るぎなかった。
「どこに行っても、俺の心はずっとお前と一緒だ。だから……待っててくれるか?」
花京院はその言葉に答える代わりに、承太郎の手をさらに強く握った。
-–
数日後、空港のロビー。
「じゃあ、行ってくる。」
承太郎が笑顔で言う。手にはスーツケースを引き、肩にショルダーバッグをかけている。
「あぁ気をつけてね。」
それだけを言うのが精一杯だった。だが、承太郎には分かっている。花京院がどれだけ自分を心配しているか、どれだけ自分を大切に思っているか。
「また会えるからな。」
承太郎はそう言って、そっと手を振った。
搭乗ゲートの向こうに承太郎の姿が消える瞬間まで、花京院はその場に立ち尽くしていた。
二人を繋ぐのは、目には見えない強い絆――そして、再会の約束だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしょうか?離れる直前の切ない場面を中心に書いてみました。この続きとして、二人の留学中のやり取りや再会のエピソードも描けますので、ご要望があればぜひお聞かせください!