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翌日。
国見家。
朝。
「お兄ちゃーーーん!!!」
どたどたどた。
勢いよく部屋の扉が開く。
「起きてーー!!」
国見。
布団の中。
死んだ目。
「……うるさ」
「はい!第二回トランプ大会でーす♡」
「帰れ」
「家だよ?」
終わった。
国見、察する。
昨日。
平成ギャル。
学校。
地獄。
金田一。
羞恥。
つまり。
嫌な予感しかしない。
***
数十分後。
リビング。
父、余裕。
母、楽しそう。
妹、異常にテンション高い。
「今日は昨日のリベンジだからね!」
「……興味ない」
「負けたら罰ゲームね!」
「聞いてない」
「今言った!」
開始。
真剣衰弱。
昨日の反省を活かし――
……ない。
国見。
眠い。
やる気ない。
父、強い。
母、地味に強い。
妹、運いい。
結果。
一位:母。
二位:父。
三位:妹。
そして。
最下位。
「お兄ちゃんでーーーーす!!!」
静寂。
国見。
停止。
「…………また?」
妹、満面の笑み。
「今日のコスプレは~♡」
自室へダッシュ。
嫌な予感。
昨日以上。
数分後。
戻ってきた妹。
その手には――
フリフリ。
リボン。
やたらピンク。
謎のハート。
そして。
カチューシャ。
国見。
真顔。
「……なにそれ」
妹、満面の笑み。
「ぶりっ子♡」
「嫌」
「しかもキャラ完全なりきり!」
「嫌」
「学校終わるまで♡」
「帰る」
「家だよ?」
終わった。
本当に終わった。
***
数十分後。
リビング。
現れたのは――
ふわふわヘア。
リボン。
やたら可愛い服。
異様に顔が整ってるせいで。
普通に似合う。
でも。
目だけ死んでる。
妹。
崩壊。
「むりwww似合いすぎwww」
母。
腹抱えてる。
父。
静かに写真連写。
国見。
低音。
「えへぇ♡おはよぉ♡」
棒読み。
虚無。
全員。
「「「怖っwwwww」」」
「もっとぶりっ子!!」
妹指導。
国見。
死んだ目。
「やぁん♡それひどぉい♡」
低音。
棒読み。
なのに。
妙に完成度高い。
妹。
涙出るほど笑ってる。
「学校もそれで行ってね♡」
静止。
国見。
「…………は?」
「キャラ崩したら三日延長♡」
国見。
人生終了。
***
翌朝。
青葉城西。
校門。
ざわっ。
ざわざわっ。
「あれ誰?」
「かわいくない!?」
「モデル?」
「女子?」
そして。
その“かわいい子”。
眠そうに歩く。
リボン。
フリフリ。
なのに。
目、死んでる。
教室前。
金田一。
先に来ていた。
「あ、国見――」
停止。
二度見。
三度見。
完全停止。
「……………………え?」
その“かわいい子”。
ゆっくり振り向く。
そして。
低音。
「金田一くぅん♡おはよぉ♡」
棒読み。
虚無。
金田一。
顔、真っ赤。
フリーズ。
思考停止。
「……………………く、国見?????」
青葉城西バレー部。
体育館。
――地獄、再来。
「……で、なんで今日もなんだよ」
花巻、真顔。
松川、肩震えてる。
昨日。
平成ギャル。
そして今日。
まさかの。
ぶりっ子。
国見。
ふわふわヘア。
リボン。
謎に可愛いカーディガン。
でも。
目だけ死んでる。
金田一。
まだ直視できない。
(かわいい)
(いや国見)
(でもかわいい)
(距離近かった)
(肩貸した)
(袖掴まれた)
脳内終了。
その時。
体育館の扉。
がらっ。
「おっはよぉございまぁす♡」
低音。
棒読み。
虚無。
全員。
静止。
沈黙。
及川。
一番に崩壊。
「wwwwwwwww」
床。
「国見ちゃん今日それ!?!?」
花巻、壁叩いて笑ってる。
「昨日ギャルだったろwww」
松川。
「バリエーション増えてんの何」
岩泉。
三秒見て。
真顔。
「……夢?」
国見。
低音。
「夢じゃないよぉ♡」
棒読み。
虚無。
岩泉。
「最悪だ」
***
更衣室。
男子バレー部。
国見。
普通に着替える。
……が。
リボン、外れない。
妹ルール。
**“アクセ外したら延長”**
つまり。
ジャージ × ぶりっ子。
完成。
及川。
腹抱えてる。
「待ってwww国見ちゃんそのリボンつけたまま練習!?www」
国見。
死んだ目。
「うるさぁい♡」
低音。
棒読み。
「及川さん、嫌われてまぁす♡」
及川。
「岩ちゃぁぁぁぁん!!」
岩泉。
「当たり前だろ」
金田一。
ずっと静か。
ちらちら見てる。
国見。
気づく。
じー。
「金田一くぅん♡」
「っ!!?」
「見すぎぃ♡」
低音。
近い。
距離近い。
金田一。
即赤面。
「み、見てねぇ!」
「うそぉ♡」
虚無顔。
なのに。
ちょっと距離詰める。
「かわいぃって思ったぁ?♡」
低音。
棒読み。
金田一。
停止。
顔。
爆発。
「っ、!!?」
周り。
ざわ。
花巻。
「おいこれ公開処刑?」
松川。
「金田一死ぬぞ」
及川。
「青春すぎる~~!!」
岩泉。
「練習始めんぞ!!」
***
朝練。
ランニング。
前を走る国見。
ジャージ。
リボン。
なのに。
普通に速い。
国見。
低音。
「しんどぉい♡」
棒読み。
後ろ。
及川。
「無理www笑って走れないwww」
岩泉。
「ちゃんと走れ!!」
その後。
レシーブ。
スパイク。
ブロック。
全部。
普通に上手い。
でも。
合間に。
「えへぇ♡」
低音。
虚無。
女子バレー部。
ざわっ。
「え、かわいい」
「でも男子だよね?」
「え、誰?」
そして。
休憩。
国見。
壁にもたれて水飲む。
金田一。
そっと隣。
「……国見」
「ん~?♡」
低音。
「その……ほんとに嫌なら、やめても……」
国見。
少しだけ見る。
数秒。
そして。
ぽす。
眠そうに。
肩、預ける。
金田一、停止。
「……まぁ」
小声。
「似合ってるって言われたし」
静止。
金田一。
フリーズ。
「え」
国見。
ぼそっと。
「……昨日、言ってたじゃん」
金田一。
顔。
真っ赤。
耳まで真っ赤。
(覚えてた)
(え)
(覚えてた!?)
及川、遠くから絶叫。
「金田一ィィィ!!何してんの!?!?」
花巻。
「朝からイチャつくな」
松川。
「まだ付き合ってないんだよなこれ」
岩泉。
「はよ練習戻れ」
でも。
国見。
珍しく。
肩。
離さなかった。
朝練終了後。
教室。
ぶりっ子国見。
継続中。
終わる気配。
ゼロ。
がらっ。
教室の扉が開く。
入ってきたのは――
国見。
ふわふわヘア。
リボン。
やたら可愛いカーディガン。
なのに。
目だけ死んでる。
教室。
静止。
昨日の平成ギャル。
今日のぶりっ子。
情報量、多すぎる。
「…………え?」
「今日違う!?」
「待って進化してるwww」
「え、かわいい」
「でも声怖いんだよな……」
国見。
席へ。
ぽす。
机につっぷす。
低音。
「眠たぁい♡」
棒読み。
虚無。
教室。
崩壊。
「無理wwwww」
「ギャップえぐwww」
「なんで似合うんだよ!!」
その時。
がらっ。
「く、国見!」
金田一。
教室、ざわ。
(来た)
(彼氏)
(いや彼氏じゃない)
(でもほぼ彼氏)
国見。
ゆっくり顔上げる。
低音。
「金田一くぅん♡」
棒読み。
虚無。
でも。
少しだけ。
近くの席、ぽんぽん。
「隣ぃ♡」
金田一。
停止。
「…………え」
教室。
ざわっ。
(呼んだ!?)
(え、距離近)
(付き合ってないんだよな??)
金田一、ぎこちなく座る。
国見。
じー。
眠そう。
そして。
低音。
「おはよぉ♡」
棒読み。
「……顔赤ぁい♡」
金田一、終了。
「っ、赤くねぇ!!」
「うそぉ♡」
国見。
少し近づく。
近い。
近い。
近い。
「昨日もぉ、今日もぉ、ずっと見てるぅ♡」
低音。
棒読み。
教室。
「「「うわぁぁぁぁ!!!」」」
金田一。
限界。
「み、見てねぇって!!」
国見。
じー。
そして。
ぼそ。
「……ふーん」
そのまま。
ぽす。
また肩、借りる。
教室。
停止。
「え」
「また!?」
「距離近すぎ!!」
「結婚しろ!!!」
金田一。
硬直。
顔。
真っ赤。
心拍数。
終了。
国見。
眠そう。
でも。
離れない。
その時。
先生、入室。
「席――」
停止。
視線。
国見。
三秒沈黙。
「……………………誰?」
クラス崩壊。
「国見ですwww」
「先生、国見ですwww」
先生。
二度見。
三度見。
「……国見?」
国見。
低音。
「えへぇ♡」
棒読み。
先生。
「……なんで?」
言えない。
絶対言えない。
家族トランプ。
妹。
罰ゲーム。
ぶりっ子。
人生終了。
だから。
国見。
死んだ目。
「ひみつぅ♡」
低音。
先生。
頭抱える。
「……もういい、座れ」
「はぁい♡」
そして。
一時間目。
静かな授業。
……のはずだった。
数分後。
国見。
眠い。
限界。
こて。
自然に。
金田一の肩。
再着陸。
金田一。
停止。
(え)
(また)
(え)
教室。
ざわざわ。
先生。
黒板書きながら。
「……金田一」
「は、はい!?」
「動くな」
静止。
クラス。
大爆笑。
先生。
ぼそ。
「起こしたら面倒そうだ」
国見。
すぅ。
完全に寝た。
そして。
寝言。
低音。
「……金田一くぅん♡」
教室。
爆発。
金田一。
顔面。
真っ赤通り越して。
もう煙出そうだった。
四時間目終了。
きーんこーんかーんこーん。
昼休み。
同時。
教室。
ざわっ。
全員の視線。
――金田一。
なぜなら。
一時間目から。
ずっと。
国見。
肩、占領中。
しかも。
途中で起きても。
また自然に戻ってきた。
距離。
近すぎ。
付き合ってない。
意味が分からない。
そして現在。
国見。
まだ眠そう。
金田一の肩。
使用中。
先生すら諦めていた。
「……昼だぞ」
小声。
金田一、恐る恐る。
国見。
ぴく。
ゆっくり目を開ける。
死んだ目。
数秒。
そして。
低音。
「おはよぉ♡」
棒読み。
虚無。
教室。
「wwwwwww」
「昼だろwww」
「まだぶりっ子www」
国見。
眠そうに起きる。
でも。
離れない。
肩。
そのまま。
金田一。
(近い)
(むり)
(いい匂いする)
(いや何考えてんだ俺)
そして。
国見。
ぽす。
今度は。
袖、ちょん。
「金田一くぅん♡」
低音。
「お昼ぅ♡」
「っ!?あ、ああ!!」
国見。
じー。
「一緒ぉ♡」
教室。
静止。
(誘った)
(また誘った)
(えもう付き合えよ)
金田一。
顔真っ赤。
「……い、行く」
国見。
小さく。
「えへぇ♡」
低音。
棒読み。
でも。
ちょっとだけ。
嬉しそう。
***
廊下。
国見。
隣。
近い。
近すぎる。
しかも。
時々。
袖、ちょん。
「はぐれちゃうぅ♡」
低音。
棒読み。
虚無。
でも。
掴んだまま。
金田一。
顔、熱い。
(かわいい)
(いや国見)
(でもかわいい)
(無理)
周りの生徒。
ざわざわ。
「え、あれ国見?」
「彼氏?」
「違うらしい」
「違うの!?!?!」
***
購買。
人、多い。
押される。
その瞬間。
ぐい。
金田一の制服。
きゅ。
掴む。
国見。
低音。
「……いなくならないでぇ♡」
棒読み。
虚無。
でも。
手。
離さない。
金田一。
停止。
「っ!!?」
心臓。
終わる。
その時。
後ろから。
「うわぁぁ青春!!!!」
及川。
登場。
花巻。
「またやってる」
松川。
「昼もラブラブか」
国見。
死んだ目。
「うるさぁい♡」
低音。
そして。
自然に。
金田一の後ろ。
ちょっと隠れる。
「守ってぇ♡」
棒読み。
虚無。
なのに。
破壊力。
高すぎる。
金田一。
真っ赤。
「ま、守る!!」
静止。
全員。
「「「え?」」」
金田一。
自分で言って。
硬直。
「…………」
国見。
数秒。
じー。
そして。
ほんの少しだけ。
口元、緩む。
低音。
「……かっこいぃ♡」
棒読み。
虚無。
金田一。
完全停止。
及川。
「金田一、もう責任取って付き合いな!?!?!」
花巻。
「今日一番顔赤いぞ」
松川。
「脈ありどころじゃない」
でも。
本人たちだけ。
――付き合ってない。
コメント
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これこそ理想のくらす
クラスと先生優しい
国見ちゃんかわいーねぇ♡