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#本当にあった怖い話
夏秋槌
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CASE.1
情報提供:2025年11月8日
調査終了:2026年1月11日
※本記事は、賃貸住宅の管理会社から寄せられた相談をもとに構成しています。
※画像に写っている建物や関係者の特定につながる行為は控えてください。
※掲載した二枚の画像は、明るさや色を含め加工を行っていません。
管理会社からの相談
11月8日、編集部に二枚の画像が送られてきました。
撮影場所は、九州某所にある二階建ての賃貸住宅です。
一枚目には、玄関の土間から見た廊下が写っています。
廊下の天井には四角い点検口があります。
点検口は閉じています。
二枚目は、ほぼ同じ位置から撮影されています。
ただし、点検口が開き、内側の蓋か梯子の一部と思われるものが下へ垂れています。
管理会社の担当者をA氏とします。
A氏から届いた最初のメールには、次のように書かれていました。
連絡の取れなくなった入居者の部屋から見つかった画像です。
天井点検口が開いた瞬間を撮影したものだと思います。
ただ、スマートフォンがなぜ玄関に置かれていたのか分かりません。
入居者
この住宅には、四十代の女性が一人で暮らしていました。
仮にB氏とします。
B氏は9月下旬から勤務先へ出勤しなくなり、親族とも連絡が取れなくなっていました。
10月14日、親族と管理会社が警察立ち会いのもとで室内を確認しました。
玄関と窓は施錠されていました。
室内に荒らされた形跡はありません。
財布、鍵、眼鏡、普段使用していた鞄は残されていました。
屋外で使用する靴も、玄関にすべて揃っていました。
B氏本人は見つかっていません。
天井点検口は閉じていました。
過去の問い合わせ
管理会社には、B氏から数か月前より天井裏の物音について複数回の相談が寄せられていました。
最初の連絡は5月12日です。
夜中に天井裏で小動物が動いているような音がする。
管理会社は害獣駆除業者へ調査を依頼しました。
糞、毛、巣、侵入口などは見つかりませんでした。
6月3日、B氏は再び連絡しています。
音がする日は、廊下の点検口が少し浮いている。
朝になると閉じている。
点検口の金具に異常はありませんでした。
6月27日の連絡では、物音の位置について次のように説明しています。
天井から下りる音は聞こえない。
気づいた時には玄関の前にいる。
何が玄関の前にいるのか、管理会社は確認しています。
B氏は質問には答えず、代わりに、
玄関の段差から下には来ない。
と返信しました。
この時点で管理会社は、設備上の問題ではなく、B氏の体調や精神状態に関する可能性を考え、親族へ連絡しています。
親族は「以前から神経質なところがある」と説明し、それ以上の対応は希望しませんでした。
上がり框
7月以降、B氏は玄関の上がり框について頻繁に連絡するようになりました。
框は、玄関の土間と室内の床を分ける約十七センチの段差です。
B氏は、この段差に傷や汚れがないか確認するよう求めていました。
7月8日に送られた画像には、框の室内側に黒い染みのようなものが写っています。
管理会社が翌日確認しましたが、染みはありませんでした。
7月19日には、次のメールが送られています。
土間から上がる音がした。
逆だと思う。
「逆」の意味を尋ねても回答はありませんでした。
8月2日、管理会社の担当者が訪問した際、B氏は玄関の土間に座っていました。
室内へ入るよう勧めると、
今日は、こちら側が空いている。
と話したそうです。
担当者は意味を理解できませんでした。
点検口
問題の点検口は、天井裏の配線を確認するために設置されたものです。
管理会社から提供された型番をもとに、製造元へ構造を確認しました。
点検口には、室内側から押し上げて解除する留め具が使用されています。
天井裏側から開けることは想定されていません。
製造元の担当者によれば、天井裏から無理に開けようとした場合、蓋か留め具のいずれかが破損する可能性が高いとのことでした。
二枚目に写っている点検口には、破損した様子がありません。
つまり、通常の構造であれば、点検口は廊下側から開けられたことになります。
撮影時、廊下に人の姿は写っていません。
二枚の画像
一枚目の撮影時刻は9月28日午前10時18分03秒。
二枚目は10月11日午前10時18分41秒です。
両画像は、B氏が使用していたスマートフォンで撮影されています。
カメラの位置はほぼ動いていません。
壁や建具、床の目地をもとに撮影位置を推定したところ、レンズの高さは床面から約10センチでした。
玄関の土間にスマートフォンを横向きにし、何かへ立てかければ再現できる高さです。
しかし、室内確認時、スマートフォンは玄関から発見されていません。
端末は、廊下奥の部屋にある机の上で充電されていました。
充電ケーブルは接続されたままでした。
画像が撮影された10月11日以降、端末が再起動された記録はありません。
誰かが撮影後に端末を机へ移した可能性はあります。
ただし、玄関から机までの間に残るはずの映像や操作履歴はありませんでした。
動体検知
B氏のスマートフォンには、室内監視用のアプリがインストールされていました。
画面内の動きを検知すると、自動的に静止画を保存する設定になっています。
当初、管理会社は、B氏が天井点検口を監視していたと考えていました。
しかし、アプリの設定を確認したところ、検知範囲は画面上部ではありませんでした。
指定されていたのは、画像下部に写る玄関の段差だけです。
一枚目は、段差付近で動きを検知したため撮影されています。
画像には、動いたと判断できるものは写っていません。
後日撮影された二枚目。
こちらでは点検口が開いています。
アプリの記録上、二枚目で検知された動きも点検口ではなく、玄関の段差付近です。
二枚とも、アプリは天井ではなく、画面下部にある何かへ反応していました。
音声記録
端末には、別日の二枚の画像と同じ時間帯に録音された、46秒間の音声が残っていました。
最初の数秒間は無音です。
その後、玄関より室内側からB氏の声が聞こえます。
閉じています。
今は閉じています。
約十秒後、木製の板を指先で叩くような音がします。
B氏は、
ここから下には来ない。
と話しています。
その直後、音声の奥で金属音が鳴ります。
点検口の留め具が外れる音に近いと、管理会社の担当者は説明しています。
続いて、蓋が動く音がします。
その時、B氏は玄関方向へ向かって、
上がらないでください。
と二度繰り返しています。
返答はありません。
録音の最後に、土間のタイルを硬いもので擦るような音がします。
音はスマートフォンのすぐ近くで録音されています。
天井裏
警察と管理会社が天井裏を確認しましたが、人が隠れていた形跡はありませんでした。
断熱材には、一部が押し潰されたような跡がありました。
跡は点検口から奥へ続いているのではなく、玄関の真上から点検口へ向かっていました。
建物の構造上、玄関の真上へ人が入るためには、この点検口を通る必要があります。
その点について施工会社は、
先に玄関側へ移動しなければ付かない跡だが、移動するためには先に点検口を通らなければならない。
と説明しています。
古い施工時の跡が残っていた可能性もあり、撮影時期は特定できませんでした。
スマートフォンの位置
編集部では、二枚の画像が本当に玄関の土間から撮影されたものか確認するため、A氏に同じ機種の端末を使用して再現を依頼しました。
レンズを床上10センチに合わせると、掲載画像とほぼ同じ構図になりました。
ただし、その高さを維持するには、端末を何かに立てかける必要があります。
現場には、適切な位置に端末を支えられる物はありませんでした。
上がり框へ直接立てかけると、レンズの高さは約14センチになります。
靴へ立てかけた場合、構図が左へ傾きます。
画像では端末がほぼ水平に保たれています。
また、二枚の画像にはわずかな高さの変化があります。
一枚目では床上約9.8センチ、
二枚目では約11.4センチです。
立てかけた場所が違うというよりも、ほぼ寝そべった状態、低い位置から誰かが持っていた時の画角に近いと、画像を確認したカメラ技術者は説明しています。
その場合、撮影者は玄関の土間で、床面から約10センチの高さにカメラを構えていたことになります。
未送信メール
B氏のメールアカウントには、送信されていない下書きが一件残っていました。
宛先は管理会社です。
作成時刻は、二枚目の画像が撮影された24分後でした。
件名はありません。
本文には、次の一文だけが入力されていました。
私は置いていません。
-編集部 長谷川
コメント
1件
読み終えました……すごく怖かったです。いわゆる“実話風”の構成が本当に巧みで、点検口や上がり框の描写がじわじわと不安を募らせてきました。特にB氏が「上がらないでください」と二度繰り返す音声記録の場面、あれはぞっとしましたね。それと最後の未送信メール「私は設置していません」—この一文で、すっと視点が変わった感じがして、読後もずっと胸に残っています。続きがすごく気になります!