〜5年ほど前〜
さて,今日の任務は…虚空教についての調査か
潜入捜査はお手の物だ
11の子供ならそんなに怪しまれないだろう
僕は虚空教の本拠地の境界に出向く
あえてボロボロの格好をして
噂によればこの虚空教は12歳の少年が教祖だという話だ
僕が教会の前に立っていると1人の少年がやってきた
??「どうしました?」
『ここが,虚空教?』
??「そうですよ。入会希望の方ですか?」
『うん…………今日,集会あるって聞いたから…』
僕はこくりと頷いた
??「そろそろ来ると思って待ってましたよ,若きVSFの副隊長のアイ・ブリスコーさん」
『なっ!?』
ガシ,と手を掴まれて教会の中に放り込まれた
??「嘘の集会を言っておいて正解でした
助けは来ませんよ。いくら貴女がVSFの副隊長といっても男女の体格差には勝てないでしょう」
確かにそうだ。いくら鍛えても男女差には勝てない
??「僕は剣持刀也。虚空教の教祖です
貴女に折り合ってお話しがあります」
きっと僕に拒否権なんてない
『なんですか』
剣持「虚空教に入りませんか?」
なにを言ってるんだ?コイツは
そんなの僕にVSFを裏切れと言ってるようなものだ
剣持「ああ!別に裏切れって事じゃないですよ
ただ貴女の力になりたいんです」
『断る。僕の力になりたい?嘘でしょ
僕は帰る。調査はなしだ』
剣持「そうですか…
心変わりしたらまたここに。虚空はいつでも,貴女を受け入れましょう」
教会から出る時,そう言われた
その日からおかしな事が起きた
おかしな事と言っても,急に仕事量が多くなった
その度に命の危険があった
段々と疲れるような,なんだかもうなんでVSFにいるのか分からなくなって公園のブランコに座って静かに漕いでいた
『もう死んでしまおうか』
そうポツリとこぼしたら隣からこの前聞いたばかりの声が聞こえた
剣持「死んでもただ回るだけです」
キィ,と僕と同じくブランコを漕ぎながら剣持さんが言った
『でももうどうでも良いから』
剣持「虚空はいつでも,貴方を受け入れましょう
さぁ,母なる虚空が待っております」
剣持さんは立ち上がって僕に手を差し出した
僕はその手を躊躇なく取った
そのまま僕はVSFを辞めた。無になるために
あに様は何か言ってたけど僕は無理矢理辞めて虚空教に入った
そして5年経った今,通ってる椚ヶ丘も最低クラスのE組になるために赤点を取りまくった
それだけで簡単にE組になれた
全てが無になった
E組に行くと月を壊した犯人を暗殺する,と防衛省から言われた時は驚いたけど別にどうでも良かった
僕がやらなくても誰か殺すでしょ,って考えだったから
僕は剣持さんと段々仲良くなって,刀也さん呼びになっていった
ある日,殺せんせーの過去を知った
僕達は動揺した。どうしたらいいか分からなかった
そしてその翌日,あに様が教師として,刀也さんが転校生として入って来た
それで僕は更に動揺したし,合わせる顔がなかったから
僕達兄妹は5年ぶりに会ったというのに目すら合わせなかった
それに反して僕と刀也さんはいつも一緒だった
そのまま卒業式の日,殺せんせーが殺された
刀也さんが,__さんを庇って死んだ
認めない,認めたくなかった
僕は泣いて泣いて泣いて,森の中で座っていた
ガク「未来を変えたくない?」
ここにいるはずのないガっくんの声が上から聞こえた
『変えたい…刀也さんを救たい…!』
ガク「今この瞬間から人間じゃなくなる
アイちゃんその覚悟はある?」
人間じゃなくなったっていい。刀也さんを救えるなら
ガク「ちょうど新しい九尾を探してたんだよな〜
じゃあおやすみアイ」
それを聞いて僕は意識を失った
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