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ニキしろ SS

ニキと同棲をはじめて1年がたった頃、俺らは初めての「旅行」というものをしていた。

宿は少し贅沢をして、部屋に露天風呂があるいい部屋をセレクトした。しかも、露天風呂からは海が見えるらしい。道中の新幹線で既にニキはウキウキした表情をして携帯で周辺情報を拾っていた。

「ねぇねぇ、ここのご飯美味そうじゃない?」

「おぉええなぁ、刺身か」

「海近いからさぁいいよねー絶対美味いよね」

「明日の夜は行ってみるか?」

「まじ?行こうぜ」

ニキはまだ携帯を指さして1人で話し続けている。聞くのも疲れるほどだ。

「ねぇボビー聞いてる?」

「はいはい、聞いてますよー」

【まもなく……】

「次やな、降りる用意しとけ」

「わかった、ボビーのキャリー下ろすよ」

「ありがとな」

キャリーケースを引き摺って駅に降り立った。携帯のマップで宿の方向を確認して2人で歩く。見慣れない街並みに珍しさを覚える。

宿は駅から20分程度歩いたところにあった。まぁまぁ行きやすい距離で助かる。バスを利用してもすぐ行けるようなので交通の便は困らない。

「2名でご予約の……白井様ですね」

『はい』

白井と呼ばれて、2人同時に返事する。ニキもすっかり白井に染まっているようだった。結婚している訳では無いが、荷物を受け取ったりする関係で白井を名乗ることが多かった影響だろう。

宿の人に部屋に案内される。綺麗な広々とした和室が目の前に広がった。畳のいい匂いがした。

「めちゃくちゃいい部屋じゃん……」

「想像より良い部屋やな」

「見て、やっぱ窓から海見える!」

「ほんまや!綺麗やなぁ」

露天風呂の先に見える景色は海だった。関東に上京してからはあまり見られなかった海。窓越しに広がる景色はすごく良いものだった。ニキは色んなものが気になるようで、冷蔵庫を開けたり、アメニティを確認したり、置いてあるお茶を見たりと忙しなく動いていた。

「ボビーお茶いる?入れる?」

「あぁ、じゃあ任せるわ」

「おっけー」

「荷物まとめとるからな」

「ありがとー」

キャリーケースを部屋の隅に寄せたり、バッグを整理したりしていた。部屋着の浴衣も丁寧に畳んで置いてあることを確認した。

「ボビー、お茶入れたー」

「ありがとなー」

「お風呂何時にする?」

「そうやなぁ……まぁご飯の後でええんちゃう?」

「そうだねー、ご飯も楽しみだな」

「せっかく贅沢したもんな。楽しみやわ」

夕飯も宿に頼んでいた。19時頃を予定しているため、それまであと2時間程度時間を余らせている。お茶を飲んだ後にニキを誘って、宿の中を散策してみることにした。宿のロビーを通って大広間や、売店。ビリヤード等が置いてある遊び場、大浴場の近くの自動販売機を見に行った。庭園もあり、緑が広がっていた。とても趣のある宿で落ち着く。自販機でコーヒーを買って、部屋に戻った。

「まじで想像以上に綺麗な宿やったな」

「こんなところにボビーと2人で来られるとはねぇ……嬉しいな」

「せやなぁ」

「ありがとうね」

「こちらこそ、ありがとうな」

「ボビー……ぎゅってしていい?」

「なんや急に」

「嬉しくなっちゃってさ」

「……ええよ。おいで」

俺は横に座っていたニキを受け止める。暖かくて安心する匂いがした。

「はぁ……幸せだな」

「そりゃよかったよ」

部屋のドアがコンコンと鳴る。それにびっくりしてお互い姿勢を正した。宿の人が俺らの夕食を運び入れてくれた。目の前に並べられる料理達。刺身や天ぷらなど、ご当地の海鮮料理が並べられた。

「す、すげぇ」

「これも想像以上だね」

『いただきます!』

並べられた料理を、どの順番から食べようと悩みながら手をつけてゆっくり食べ進める。一つ一つがちゃんと美味しくて感動した。時々ニキと顔を見合わせて、美味しいと言葉を交わし合いながら食べ進めていた。最後の一口まで感動する美味しさだった。新鮮なものだったのもあると思うが、ニキと2人で食べることが出来たことで、更に美味しく感じたのだろうと思う。

宿の人に片付けをお願いして、部屋がまた静かになった。

「めちゃくちゃ美味かったなぁ」

「本当だよね、贅沢」

そこからしばらく食べた飯の話をしたり、明日以降の予定を話したりして過ごした。ニキは新幹線で色々調べていたことをまた嬉しそうにワクワクした目で俺に話してくれた。随分とはしゃいでいるようで可愛く見えてくる。あっという間に宿での時間は過ぎていった。

「もう夜遅くなるね。お風呂入ろっか」

「せやな、露天風呂かぁ。ええなぁ」

「もちろん一緒に、だよね?」

「ま、まぁ…な」

「よし、じゃあ行こ」

ニキに手を引かれて風呂に連れて行かれる前に、タオル類や浴衣、スキンケア用品などを抱えた。

それを丁寧に用意してから、脱衣所で服を脱いだ。もう見なれた光景だったが、場所が新鮮だし少しドキドキした。だからあまりニキの方は見ないようにしていた。

2人で体を流してから部屋の露天風呂に入る。外の空気とお湯の温かさがちょうど良くて本当に心地よい。天気も良くて、星空が見えた。

「めちゃくちゃいいね〜星も綺麗に見えるよ」

「せやなぁ、綺麗やし。落ち着くわぁ」

「僕、露天風呂なんていつぶりかわかんないや」

「俺もそうやなぁ」

「ねぇ、ボビー」

「なに……っ」

湯船から星を眺めている俺に、ニキは不意にキスをしてきた。

「なんや。のぼせたんか」

「違う、ボビーの横顔綺麗だった」

「……そう」

また心臓が高鳴る。少しロマンティックな雰囲気に呑まれてしまいそうだた。

「ボビーこそ、顔赤いよ。大丈夫?」

「俺は平気やけど、ニキこそ」

「だって、裕太がいつもより綺麗で…」

「やめろやそういうの…照れるから」

「いいじゃん。好きだよ」

「ちょっ…まっ」

ニキはまた俺の唇を奪いにくる。だんだん俺に近づいてきて、距離も縮まる。キスも浅くから深くなってきて、ニキへの意識も深くなる。風呂の熱さなのか、体温なのか分からないけれど、のぼせそうなキスを繰り返していた。

「に、き……っ、のぼせる…」

「ごめん…つい…」

気づいた時にはニキのそれも、俺も、既に身体は反応していて。互いの体を求めていた。

「裕太、ちょっと来て」

「な、何っ」

手を引かれて、湯船から出される。のぼせかかっている体に夜風が心地よくてまた気持ちがいい。それでも体の奥深くの部分は冷めないままだった。

「ここ、手ついて」

「……は?ここ、外に見えるやん」

「いいから」

「っ……!あっ…は……ぁ」

外との境界線の柵。1階じゃなくて良かった。

そこに立ったまま手をついて、ニキが後ろに立って、俺に触れる。背中から、腰、足の付け根、太もも、色んな場所を優しく触られて体全身が震えるようにゾクゾクする。

「っあ、っう……ぅう」

「何触って欲しいって声出してるの」

「ち、違う……って……ぇ」

「お望み通りにしてあげるね」

「ひぁっ、あっあ、……あぁっ…うっ♡」

俺のそれに触れる。触って欲しいと固くなっていたそれを、ニキは優しく動かして刺激する。

「んぅ…っ、まっ……て、あっ……う」

「声、聞こえちゃうよ。抑えな」

「んっ……んん……ぁ…はぁっ…あっ♡」

「気持ちいいね?裕太。外なのに、見えちゃうかも知れないのに、ねぇ?」

「あっ……ふ、ぅ……っ♡ うぅっ……んぅ…ッ」

「恥ずかしいのに気持ちいいんだ。変態だね」

「う、るさ……っいっ……あぁッ、あっむり、むり、いっ……く……ッ♡♡」

柵を持つ手が震えてくる。立ったまま刺激されているため足も震える。声を抑えようにも勝手に出てきてしまって上手く抑えられない。触れられている間、ニキの固いものが当たっているのがわかった。

「いいよ、恥ずかしいままイッちゃえ」

「は……あっ♡ぅう…い、く……イく……ッ、はぁっ、あっあッ、うぅぅ…ッ♡♡」

俺は外で情けなく果ててしまった。

「はは、ここ外だよ?裕太」

「……誰の…せいやと…っ」

「可愛い。体流して浴衣着て?おいで」

ニキに体を流してもらって、体を拭いて宿の浴衣を着る。若干のぼせているのか、イッてしまった衝撃なのか頭がふわふわしている。

机が置いてある部屋とは別の方に敷布団が2人分用意してある。しかし、俺ら2人は当然のように2人でひとつの布団に流れ込んだ。

「浴衣、可愛いね」

「着とる意味あんのか…?」

「いいの。似合ってるよ裕太」

「っふ…ぅ……っん……」

またキスされて、ふわふわした意識がさらに持っていかれる。ニキの唇は柔らかくて、絡めあう舌が甘くて蕩けてしまう。さっきイッたはずなのに、また腰が動いて気持ちよくなってしまう。微かに見える浴衣を着たニキが、普段と違う雰囲気でかっこいい。

「裕太、腰。動いてるよ」

「言う……な…っ」

「まだ足りない?随分欲張りになったね」

「に、ニキがしたいだけやろ…!」

「じゃあ、辞めていいんだ」

「……え、いや……ん…ん……」

「そうだよね、やめて欲しくないんだよね」

「あっ♡ っん……ぅ……ぅう…」

いつもニキが入ってくる俺の蕾を解す。だいぶ慣れてしまったなぁと思う。まだ指を入れられているだけなのに、ニキに触れられているということ自体に感じてしまう自分がいた。

「だいぶ慣れちゃったね、もう入りそ…裕太」

「はぁッ……あ……ッう…」

「挿れていい?」

「……いい、よ」

「あぁ……でも、待ってね。まだ裕太が欲しそうな目してるから」

「ひぅ…っ♡ っう……ぁ、ぁッ、うぅ……や、め……て…っ、弱い……っ♡♡ から……ぁ」

ニキは俺の胸に触れる。敏感になってしまった所を撫でるように優しく愛撫した。それに俺は腰が浮いてしまうし、目がチカチカする。中にくれると思っていたのに、胸に快楽が集中しておかしくなりそうになった。

「うぅ……っ、あ、あっあ♡♡ あっ……ぅ…んぅ……ッ♡♡」

「だめ。声抑えないと」

「ふ……ぅ……ッ♡♡ っん……ん…ぅ…♡」

俺は自分の手で口を塞いだ。隣の部屋に聞こえないように、力を込めて抑えるが、息が漏れてしまうし、声は勝手にニキに届いてしまう。

「ひ……ぁ…ッ、ふぅ…っ♡♡ ぅっ♡♡ う、ぁ……んん…っ……ら、め…まって……っ♡♡」

「だめ?……違うよね」

「ひっ……っ♡♡あ……うぅッ…や、だ……やだっ……イっ、あっ、あっ♡らめ、まっ……ッあ、ッ……ッ♡♡♡」

「……裕太?イッた?」

「……は、っ……はぁ……ッ♡」

正直、乳首だけでイけるようになったのは自分のせいだろうなぁと情けなく思う。ニキとするようになって、元々自分では触らなかったのに1人でする時に触るようになってから感度が上がってしまって、簡単に乳首だけでイけるようになった。情けない身体になったものだ。

「ドロドロになってるじゃん、可愛い」

「ッ!っ♡♡あぁっ……っあ、う、うっ、んんッ……」

「はは……キッつ…動くよ」

「き、て……にき…っ」

無意識にニキを求めるように声を出した。

俺が着ていた浴衣は殆どはだけていた。ただ、帯は解けておらず、もどかしい。

「あっ♡あっ、ぁッ♡んんっ…っッ」

「隣、聞こえたらどうすんの…っ」

「……ッ!ん……っっ、ッ……ふぅッ…ッぅ…」

ニキに思い切り口を塞がれる。息が苦しくてさらに目の前がチカチカしておかしくなる。酸素が行き届かなくて苦しい。けれど、その苦しさが癖になる。

「んぅ……っ♡ ふっ…ぅッ、ッ……ぅ、に、き……むり……イき……そぅ……♡」

「1人でイキたいならそうすれば…っ?」

「んっ♡いや、いや……ぁっ、いっしょ……ッが、い……ぃっ…」

「一緒にイこうね……裕太♡」

「はぁッ……あっ♡♡ぅ……ッうぅ♡」

「名前呼ばれて、ナカ締めちゃうんだ……っ、好きだね。裕太…っ」

名前を呼ばれる度にナカがぎゅっとニキを求めてしまうのが自分でもわかっていた。ニキの声がいつもより甘く聞こえて、耳もつらい。

「裕太もっ……名前、呼んで」

「うぁッ♡ あっ……に、き、にきっ…♡ にき、好き、んッ……あ、あ、っ……んんッ♡にき……ぃ」

「裕太、いい子……いい子だ…ッ、締めすぎ…♡」

「にきっ…♡らめ…らめ、っあ、ッあ…うぅ、にきぃ…んんっ、あっ…おがじぐ……なるッぅ…♡♡」

「いいよ、裕太。おかしくなっちゃえ……ッ!」

「あ゛ぁッ♡♡ あ゛ッ、らめ…ぇッ♡♡ にき、やら……っ、やら、イく……、イく……ッうぅ…!」

「裕太……ッ、イくよ、中出すよ……っ」

「き、て……ぇっ♡ あ゛っあ、っ……イく……いく、にき、にき……ぃ……ッあ゛ぁっッ!♡♡」

絶頂の瞬間、俺はニキを強く抱き締めた。ニキも俺を強く抱き締めたまま果てた。互いに抱きしめあって絶頂するこの感覚。愛があって、苦しくて、たまらなく大好きだった。

俺たちはまたシャワーを浴びて、今度はしっかり浴衣を着て落ち着いた。さっきはよく見えなかったけれど、ニキの浴衣姿。やはり映える。かっこいい。整った顔立ちに日本風の浴衣。こんな姿を俺が独り占め出来るなんて幸せだ。

「ボビー?どしたん」

「………あ、いや、なんでもないけど」

「僕に見惚れてた?」

「……まぁ、そんなところやな」

「ほんと、僕のこと大好きだねぇ」

「当たり前やろ。愛しとるよ」

「……めずらし」

「なんや、めずらしって」

「別に。僕も裕太のこと、愛してるよ」

俺はニキにそっとキスをお返しした。

ニキは優しく微笑んだ。

その顔を見て、俺は本当に恵まれている。幸せだと思うことが出来た。ニキのことを愛せることが今の俺の幸せだった。これが、ずっと、永遠に、続けばいいのに。

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コメント

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えち多めだぁ…🤤😇💕

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