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〆さば
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AK@アキ
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第一話・霧島優視点
一人、気だるげに自室でごろごろしている少女がいた。
「あ~暇。やることない。」
何やらぶつぶつ呟いている。
「いや学校さぼってさ、家でゲームしていることを選んだのは私だよ?私なんだけどさ、なんでこんなに暇なわけ?」
時計の針は14時を指している。
一般的な中学生ならば五時間目や六時間目の授業を受けている頃合であろう。しかし彼女は家で堕落した生活を送っている。ちらっと机に目をやると、教科書の山が目に入る。
(あぁ~。いちおー受験生だし勉強しなきゃなんだよなー。)
言い忘れていたが、彼女は中学三年生。高校受験をする年であり、学校さぼって遊ぶとか論外である。
「まぁまだ六月だし大丈夫よね~。それよりお腹すいた朝ごはん食
べよ。何があるかな。」
何も大丈夫ではない。だがしかし、教科書の山程度では彼女の危機感を刺激し、行動に至らせるには足りなかった。そしてもう一つの問題はこれから食べるのが〈朝ごはん〉であることだ。そう、実は彼女、起きてからまだ四時間しか経っていない。
つまり、10時起床。そしてここまで起きてから、スマホをいじることしかしていないのだ。本当、うらやましい限りである。
「ありゃ?お米ないじゃん。炊かなきゃかぁ~。」
炊飯器を見て優はがっかりした。お米が炊いてなかったのだ。めんどくさいなと思ったが、空腹には勝てないので慣れない手つきでお米を研ぎだす。そして炊飯器をセットし、自室に戻り、スマホを手に取ろうとして…
「ふぇ?なんこれ?」
間抜けな声を上げた。それのもそのはずである。なぜなら、彼女のスマホには、こう表示されていたのだ。
『茶吾会人狼に出場しますか?』
「いやなんだよ茶吾会人狼って。」
思わず声に出す。しかし、その表示された文の下にある。ボタンに気づく。
『Yes or No』
いくら学校をさぼりまくっている優でも分かった。はいかいいえだ。優は考える。どっちを押すのか。
「何すんのか分からんけどな~。でも暇だしな~…」
そう、彼女は暇なのである。学校をさぼってゲームをすることを選んだが、やりたいことは全て終えてしまっていた。
「いいや押してみよ!ポチッ!」
後先考えずにボタンを押す。何故そんな勇気があるのやら。
「は?」
一瞬で声を出す。なぜならば、既に優の体は落下を開始していたからだ。
自分の立っていた畳が抜けた。いや、抜けたというより、『消えた』。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
何も考えられなかった。死ぬと思った。直感で。
そして、優は気を失った。
しばらくして、優は目を覚ます。
「あれ?生きてる…いやそんなはずないからここはあの世!?」
とりあえず自分は死んだのだと思った。
「あ~、死んじゃったか~。明日から推しピックアップのガチャだんたんだけどな~。」
でも死んだものはしょうがない。そう割り切って周囲を見る。どうやら和室と見て取れた。畳のうえに居た。
そして、扉を発見する。特に考えもないので立ち上がり、その扉に向かって歩いていく。畳特有の感触を踏みしめながら。
「なんでだろう。すごい、雰囲気に合ってない。」
その扉は、和室にはそぐわない雰囲気だった。木製、それもグレーのペンキで一色に塗られていた。
「この部屋作った人センスないね。」
誰かの悪口を言う。しかし、彼女にとってドアの色など気にする程のことではない。とりあえず、ドアノブに手をかける。冷たい。
そして、扉を開ける。通路が広がっていた。
(うえ~歩くの?だるいって…)
しぶしぶ歩き出す。それ以外何もないからだ。
何も考えずに、優は通路を進んでいった。
しばらく行ったところに広間があり、円卓と椅子が並んでいる。
見れば既に座っている者たちが居るではないか。
(あの人たちも死んだのかな。)
どうでもいいことを考えつつ、近づいていくと、そのうちの一人がこちらに気づき、丁寧に椅子を進めてきた。遠慮なく座って…
円卓に並べられた菓子に気づく。
周りを見れば既に来ていた人数は4 人。
男性が3人に女性が1人、菓子を食べながら雑談をしていた。
敬語だし話し方がぎこちないので初対面だと思う。
だがそんなのは優にとってどうでもよく、菓子に手を伸ばす。
そして、常軌を逸した速度で食べていく。
お腹がすいていたのだ。しょうがないだろう。
一通り食べ終えてようやく周りをゆっくり観察し始める。
広間は全面グレーに塗られており、窓はない。しかし、電気がついているので暗くはなかった。椅子の数は全部で13。まだ8席空いていた。一通りの観察を終えると、一人の青年が話しかけてきた。
「えーっと、大丈夫?」
優はすぐに自分が菓子を食べ終わるのを待っていてくれたのだと気づいた。恥ずかしくなった。
「は、はい。何もしゃべらず食べ続けてすみません。」
「はは、いいよ。ここ来てばっかで緊張もしてただろうし。あと、敬語じゃなくていいよ。」
一応年上に見えたので敬語を使ってみた。が、どうやらその必要はなかったようだ。
再び青年が口を開く。
「俺の名前は芥川るい。そんでこいつらが…」
るいが座っている3人の人物に順番で目を向ける。すると、順番に3 人が軽い自己紹介をした。
「俺の名前は鯖江侑真。なんかさばちゃんって呼ばれてるからそう呼んでくれ。」
「私は天城秋って言います。なんとでも呼んでください。」
「私は宵闇一香。私も好きに呼んでね」
4 人の自己紹介を受けて、優も返す。
「私は霧島優。ゆーあって呼んでね☆そうね、じゃぁ天城君はあっきーで一香ちゃんはやみちゃんと呼ばせてもらうね~!」
呼び方は勝手に決めた。だって好きに呼んでいいと言われたから。
そのはずなのに、
「わーお、すごいね君あだ名まで早すぎでしょ。」
るいがそう言う。
「名づけ早いね~どうする俺らも優のことあだ名にする?」
鯖江がるいに問う。すると、るいが自信に満ちた表情で優を見た。
一体どんなイカしたあだ名をくれるのだろうか…
「よし、名前思いつかないし俺そんなセンスもないからお前今日か
ら太郎な!」
なぜか太郎と呼ばれることになったし、それが浸透してしまった。
(まぁいっか呼び方なんて。)
おいそれでいいのかという視線が鯖江から飛んでくるが気にしない。
「わかったじゃあそれで。それと一つみんなに質問があるんだけど
いい?」
「何でも聞いてくれ分かることなら答える。」
鯖江が答えた。
「みんなも死んだの?」
『 『 は?』』
4 人の声が重なった。つまり、死んでないということ。
「え?じゃああたしも生きてんのかな?あんな高いところから落ちて無傷ってまぢ?」
とりあえず生きていることが確認できたので優は満足した。
そして、ほかの人が集まってき来そうということだったので、待つ
ことにした。
(この後何が待っているのやら。)
そうしてお菓子にまた手を付ける。食べ過ぎ?そんなの関係ない。
そうして、人が集まってくる。
正直毎回の自己紹介はめんどくさくなって全員が集まってからする
こととなった。
しばらくして、全員が集まった。
13 人目が座ったのを確認したるいが立ち上がり、言葉を発する。
「え~っと、多分これで全員なので、自己紹介でもしようか。」
その場の全員が静かにうなずいた。
るいの言葉に従って、全員が自己紹介を行っていく。
全十三人で、内訳は男性10人女性3人。男性に偏っている。
ざっくり自己紹介の内容をまとめると、こんな感じ。↓
青山蒼宙 あおやま そら 男 あおちゃん
鯖江侑真 さばえ ゆうま 男 さばちゃん
霧島優 きりしま ゆう 女 太郎
芥川るい あくたがわ るい 男 るいくん
天城秋 あまぎ あき 男 あっきー
吉良玲央 きら れお 男 キラくん
龍華輪廻 たつか りんね 男 リンリン
花沿善 はなぞい ぜん 男 ゾイちゃん
宵闇一香 よいやみ いちか 女 やみちゃん
栗栖虹輝 くりす こうき 男 くりぼー
鈴木佳奈 すずき かな 女 かなねぇ
時雨飴 ときさめ あめ 男 あめちゃん
飯森湊 いいもり みなと 男 みぃにぃ
ここで、立ち上がる。いいことを思いついたのだ。
「はいはーい提案でーす!せっかくさばちゃん、あっきー、やみちゃんにはあだ名付けちゃったし、みんなにも付けたいんだけどいい?」
気楽に言っているが、内心緊張している。怒られたらどうしよう。
だがその怯えは杞憂に終わる。
幸運にも、誰も嫌がらなかった。
「よしよし、じゃぁつけてくね~。そうだねまず佳奈さんはお姉さんだからかな姉でしょ~?栗栖さんはくりぼーかな。輪廻君はリンリンで~…吉良君はどうしようかな、カタカナでキラくんにしよう。花沿さんはゾイちゃんでしょなんとなく。時雨くんは雨ちゃんで、秋君はあっきー、蒼宙君は蒼ちゃんにしよう!」
決定!と言うかのように自信に満ちた態度をとる。
ここでも、文句は出ない。なんとかなったようだ。
あだ名を考えるのが一段落すると、るいが発言する。
「で、え~っとこの後はどうすればいいのかな。」
確かにその通りだ。とりあえず、自己紹介はしたがこの後出来ることはなんなんだろうか。
『ここから先については私から説明いたしましょう。』
誰のものか分からない声が広間に響いた。
それと同時に、円卓から少し離れた場所にホログラムで女性が出現する。長髪で、身だしなみの整った女性だ。
「私の名前は四宮紬(しのみやつむぎ)。今回の茶吾会人狼の運営をさせていただきます。」
全員の視線がその女性に集まる。
「分からないことがあったら適宜聞いてください。まず、みなさんの手元には今資料が現れたと思います。」
そう言われて全員の視線が卓上に戻るなり、そこには先ほどまで無かったはずの資料が現れていた。
「時間をとりますので資料に目を通してください。」
言われるがままに全員が資料に目を通す。
(読者の方々も資料を別で公開していますので、目を通していただけると幸いです!)
そして、全員が資料を読み終わったことを確認した紬が再び話始める。
「補足説明ですが、キルされてもその場に死体は残りません。ですので、誰がキルされたのかは次の日の昼に分かることになります。以上ここまでで何か質問はありますか?」
紬の問いかけに手を上げるものは居ない。
「それでは、さっそくゲームを始めましょうか。質問については答えられる範囲であれば昼の会議中に答えますし。なにより実際に体験したほうが分かりやすいでしょう。全部で三ゲームあるのでそのうち慣れると思います。」
(えー、あたし聖人だから人のこと騙すとか無理なんだけど…)
そんなことはないが思ってみる。効果は何もなかった。
「それでは、皆さんをランダムに館の中に転送したらゲームを開始します。くれぐれも役の確認だけは忘れないようにしてください。それでは、ご武運を。」
そう言うなり、参加者全員の体が薄くなっていく。
(えー!なにこれすごい!!楽しい!)
こののんき具合である。何も特に思うこともなく、優の人狼ゲームが始まった。
そうして、突然ながらゲームが始まった。
コメント
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最高だね! 太郎は小説の中でも相変わらずだw
うわっ、いきなり異世界転送! しかも人狼ゲームって、導入からワクワクする展開ですね。優(太郎)のノリの良さと「死んだと思ったのにガチャが…」って現実逃避っぷりがめちゃくちゃ面白かったです。13人それぞれにあだ名を付けるシーンも可愛くて、これからどんな騙し合いが始まるのか楽しみ。キルされても死体が残らないルールも、不気昧さを増してて好きです。続きが気になります!