拝啓、死にたがりの僕へ。
死ネタ 青赤
推しとオタクの限界愛。どこまで耐えられる?
全部嘘だったんだよね。
赤)いふくんが生きがいです!
青)俺が生きがい〜?
青)嬉しいなぁ、ありがとう
生きている理由なんてない。ただ命があるから、死ぬのが怖いから。生きている自分が満更でもないし、わざわざ死のうなんて思わなかった。
でも、推しが生きがいなんてただの嘘。推しが生きてるだけで幸せなわけないし、推しが息してるだけで感謝してるわけない。ただそれが前提にあるだけで、みんな誇張してる。
実際、俺たちオタクだって生きているだけで誉められるわけがない。推しだから?有名だから?大御所だから?そんなの関係ない。
別に俺は息していることが偉いとは思わないし、それがすごいなんて死ぬ間際の人間が言うこと。腐ったジジイ共の古臭い言葉には飽き飽きしている。
赤)もう死のうかと思ってます。
赤)いふくんが生きがいだけど、いふくんだけに縛られる人生が嫌いです。
青)りうら、死んでまうん?
青)降りるのは勝手やけど死ぬのは良くないんちゃうか?
りうら、なんて名前、母親が病院じゃなしに家で産んだせいで性別がわからなくてユニセックスな名前をつけられた。気に入ってるわけじゃないし、かっこいいとも思わない。
でも彼が呼んでくれる名前は煌めく。それは彼の魔法みたいなものなんだよね。
降りたいとは思わない。でも、死にたいなんて腐るほど言った。家庭環境なんて最悪どころか生きている心地がしなかった。これ以上生きたところで何か俺に得があるのかなんてわからなかった。
物心ついた時から損得勘定で生きている人間だった。母親がキャバ嬢だったから、中出しをしまくったおかげで誰との子かわからない俺が生まれた。だからいまだに本当の父親とは会ったことがない。
キャバ嬢でましてや中出しをし続ける親に育てられるものだから、かなりばかり知性が足りなかった。人一倍テスト勉強に努めて、人一倍資格もとった。なのに生ゴミのように腐った大人に育った。
父親がいない俺からすると、年上の男は苦手だった。中出しOKだからといってキャバ嬢にるんるんで中出しをするものだから、それはそれはおかしい人なんだと認知していた。そのせいて年上の男が嫌いだった。
でも初めて年上の男が好きになったのは配信者の「いふ」。親身に悩みを解決してくれたり、どんどん大きなステージに立っていく彼の姿が俺の中で大きな存在に変わっていった。
青)次のライブか〜、
青)ひみつ!
赤)いふくんのおかげで死ぬのやめれました。
赤)早く会いたいです。
赤)男だけど恋愛感情抱いてます。
青)死ぬのやめれたん〜?
青)偉いなぁ、
青)俺もみんなとはよ会いたいわ〜
感情があるのかどうかわからない言い方すらも愛おしくなった。棒読みでさえも俺たちリスナーのコメントを懇切丁寧に1個ずつ拾ってくれる配信者なんて大抵いない。ましてや大御所に読んでもらえるコメントなんて、慣れるにはまだ早過ぎた。
死のうと思わなくなってから少し経ったある日、近所のコンビニでバイトを始めた。いつまでもナンバーワンキャバ嬢だった親のすねをかじっている俺が嫌いになってきたからだ。
青)袋いらないです
まさかの推し登場に背中が強張る。震える手でレジを通すと、好奇心で満ち溢れた俺の精神はその好奇心を目の前に広げたくなった。
赤)もしかして、いふくんですか?
俺の発言に驚いたのか、目を見開いた。すると優しい瞳で返事をくれた。
青)そうやで〜
青)わかってくれたん??
わからないはずがない。彼が活動している5年間のうち、4年間は見てきた彼の姿を一瞬にして理解できるのには、もう慣れた。街中で見かけることもよくあったけど、迷惑かも、と思ってなかなか声はかけられなかった。
22歳にもなってクソニートでゴミみたいな生活から抜け出すために始めたバ先で初めての接客が彼なんて、どうかしてる。
青)そういえば今日な〜
青)たまたまコンビニでリスナーと会ってん
🐿)え!ずるいです!
🐿)誰ですかー?
赤)俺も会いたかったです
嘘に決まっている。接客したのは俺なんだから。でも彼は俺が接客したとバレると他のリスナーに何か言われるかもしれないと察知したのか名前は出さなかった。
配信が終わってすぐに、DMが来た。
青)一応言わんとくで〜
青)あと今日もお茶ありがとうな。
だってさ。気配りすらも怠らないそんな彼がますます好きになっていった。
青 視点
屋上から1人の青年が落ちて行く。顔はこけていて、青白い顔色だった。
近くの木々に紛れていて見えない。そういえば今日、1人の懐かしいリスナーからDMが届いた。
赤)1年ぶりだね。
赤)今日、いふくんの目の前で死ぬから覚悟してて。
赤)俺がやったことは誰にも許されないし俺自身も許さない。
赤)その罪を償うためにも今日死ぬ。
赤)反論はしないで。
一方的なDMだった。久しぶりに見た真紅色オンリーのアイコン。そういえば昔は、もっと明るい赤色だったなぁ、なんて思う。
でも俺が気になっているのはそこじゃない。罪とはどんな罪か。俺は彼に何かされた覚えもないし、1年は話してない。ただその疑惑が晴れないまま死にやがった。
罪悪感に満ちた彼の心は自ら命を絶ちその感情さえも失おうと考えたのだろう。俺は1人の大切なリスナーが死んでいるなにも関わらずまだ現実を受け入れていない。受け入れようとしなかったんだ。
赤 視点
-半年前-
赤)あっ、、あそこのマンション入っていったな…♡
End
何ヶ月ぶりかわからない作品やから順序ぐっちゃぐちゃでもうしわけない、、😔💧
リクエストください!!
コメント
1件
すぴちゃんの久しぶりの小説だ~っ!! 相変わらずめちゃ上手だよ!!😽💗 やっぱりすぴちゃんの書く青赤が1番やなぁ…、👀✨