アシュホラ
死ネタ
不穏
自傷(絶対マリーは自傷しないけど二次創作なので…お許しを…)
諸々捏造
嗚呼、神様…もし、もし神様がいるなら今すぐこんな愚かなアタシを殺してくれないか。
信仰してもいない神に他人事のように祈る。
神なんてものがいてたまるか。
本当に神がいたなら私とニュートンは幸せに生きられたはずだろう。
ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと
どこにもぶつけられない怒りを腹の底へ溜めながら生きてきた。
どす黒い感情に呑まれ己自身の事も何も分からなくなる事もあった。
そんな時自分の事を助けてくれるのはただ一つ、腕を切るという行為のみだった。
初めては偶然だった。
資材をカッターで切っていた時、勢いあまり腕に傷を負ってしまった。
その時左腕に走ったピリッとした痛みに頭が冴え、滲む血液を見てモノクロだった視界に色が差した。
嗚呼そうだ。ずっとこうするべきだったんだ。
研究が滞った時、頭が冴えない時、どす黒い感情に支配されそうな時。
不定期だったその行為は徐々に定期的になり、遂には一日に何回も繰り返す事を毎日繰り返すようになった。
きっとダメなことなのだろう。
己を己で傷付けるなんて他人が見たら止めるに決まってる。
でも辞められなかった
辞めたくなかった
そうした生活を続けて早一年。
幸い戦闘時に着るスーツは肌の露出が少なく、普段も白衣を着ている為まだ誰にもバレていなかった。
ただ心情には大きな変化があった。
「死にたい」
腕を切り続ける内にいつしか希死念慮が心の内に巣食ってしまった。
こんなこと考えてはいけない。私はニュートンに会いに行かなくてはいけないのだ…
酷い隈に窶れた頬はあまりにもみすぼらしく見え、顔を合わせたレジェンド達皆に体調を心配される。
その心配に愛想笑いをして足を進める。
空腹を知らせる腹の虫を静める為に食堂へ向かい、マリーはモーニングセットを注文した。
セルフのコーヒーを注いでいる時、背後に気配を感じマリーは振り向いた。
そこには憎きロボットがおり、思わずマリーの眉は顰められた。
「なんだい、アンタかい。近いよ離れとくれ」
マリーは疲れきった瞳で睨み付ける。
その瞳に臆することなくアッシュは口を開いた。
「その腕の傷は自分で作ったのですか?」
時が止まる。マリーの脳内はグルグルと高速で思考を巡らせ始め、口を開くも言葉が出てこなかった。
「ぁ、あ…いや、ち、ちが…」
白いカップからはコーヒーが溢れ、マリーの焦点は合っていない。
アッシュはコーヒーを止めるボタンを押してマリーの腕を掴んだ。
その力は恐ろしいほど強く、マリーは痛みに呻いた。
ただならぬ雰囲気に食堂にいたレジェンド達が集まり始める。
どうしたどうしたと周りからの声にアッシュはため息を吐き、無言でマリーを引き摺った。
されるがままに引き摺られているマリーは未だにパニック状態のようで「ちがう」「いやだ」とうわ言を繰り返している。
そんなマリーを横目にアッシュは自室へ戻り、ベッドの上にマリーを投げ飛ばした。
「うっ」
大きな呻き声をあげたマリーはクラクラする頭で考えた。
ここはどこ?この状況は?何がどうなってる?
どれだけ考えても分からない。
暫し考え込んでいたアッシュがギシッとスプリングの音を立ててベッドへ乗り込んできた。
「アンタどういうつもりだい!?」
マリーが憤怒する。
そんなマリーの両腕を片手で纏め、固定する。
そうしてもう片手で白衣の袖を捲り、まだ新しい傷を露にした。
「どうして」
「…え?」
「どうしてこんなことをするのですか」
アッシュが少し悲しそうに問いかける。
そんなアッシュにマリーは感情を押し込めていたダムが崩れ落ちるのを感じた。
「っ、だって、だってどうしようもないじゃないか!!!アンタが憎くて、何も進まない研究が苦しくて、死にたくてっ…」
マリーの美しいブルーの瞳から涙が溢れ出る。
その涙を拭い、アッシュは懐からナイフを取り出した。
「自分で死なれるくらいなら私が殺します。永遠に呪縛になってください」
マリーは目を見開き、そして嬉しそうに目を細めた。
「ああ。他の誰かに殺されるくらいならアンタが殺してくれ。もう疲れたんだ。」
マリーが笑みを浮かべたのとアッシュがナイフを振り下ろしたのは同時だった。
「おやすみなさい、マリー。」
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