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ダンスホール
人生は上手くいくこともいかない事もある。
俺の場合は後者だ。
つい最近…失恋に近い事をした。
「あのさ…、元貴。」
珍しく若井から擦り寄ってくる。
「俺の、…好きな人の特徴聞かないの?」
どうしたらいいんだろう。これ以上聴いたら俺、壊れるかな…、
「えーっとね、
なんとなく、いつだって大丈夫…
って感じのオーラが出てるの。」
毎度のことなんだけど…
なんでそんな微妙なヒント?
「ねぇ、これからレコーディング抜け出して二人で出かけない?笑」
不吉な笑みを浮かべる若井を
不覚にも美しいと思ってしまったのは
俺が可笑しいのだろうか?
えっと、なんですか此処?
なんか知らないスパに来たんですけど。
「…元貴最近寝れてないっしょ?
だからいつものお礼というか…。」
照れ臭いのかそれだけ言ってそっぽ向いてしまった。
そんな若井がいるからこそ愛を知ることができる。
「ありがと…、」
嬉しさ故にあまり声が出なかった。
スパで施術をしてもらっているうちに少し目を閉じる。
ああ、ヤバいこれ。
堕ちる。