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俺の名は剣城勇(つるぎいさむ)。勇者を生業としている。
人との付き合いが極端に苦手なので、周りの勇者たちがギルドでパーティーをつくり冒険に出ている中、俺は1人森の中でレベル上げをしていた。
街中のパーティーの話を(盗み)聞くと、魔王のことがほとんどだった。「魔王城は北のオール山脈の中にあるって聞いたぞ」「あそこかよ、ここから遠いな」「魔王を倒したらどんな財宝が手に入るんだろうな」「わん」
俺は思う。みんな魔王を倒すとか言ってるけど、魔王ってなんだ?なんか悪いやつって感じだけど、ほんとに悪いことしてるのか、、?
友達もおらず生きてきた俺は、もしかしたら人間以外とは心が通じ合うのではないかという(謎の)期待を抱いていた。もしかしたら魔王と仲良くなれるかもしれない、、なんて考えはよそう。あれだけ恐れられてるんだ、無理に決まってる。俺は森の中のスライムにさえやけに嫌われるのだから。
そんなことを考えながら、レベル上げのために森の奥まで来た。いつも来る場所だが、今日はやけに静かだ。周りの魔物も何かに怯えて出てこない。
向こうから何者かがやってくる。強い気配。俺は咄嗟に身構えた。剣を抜き、目を凝らす。ん?なんだ、人間の少女じゃないか。安心した瞬間、その少女は上機嫌にこう言った。
「やぁ、青年!こんなところで人間に会うとはなあ!我は魔王!貴様の名はなんだ?」