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ruwn
rb im kgも出てきます
地雷 閲覧注意
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ru side
今日は夜遅くに任務が終わり事務所に戻っていた。
事務所に戻れば報告書を書かなければならない。
Dyticaの事務所に戻ると星導だけまだ戻ってきていないようだった。
im「ロウおかえり」
ru「あぁ、、」
昨日夜から朝までパトロールだったからこの時間は眠くてしょうがない。
kg「なんやぁ、眠いんかぁ?」
ru「そんな所だな」
Dyticaは薄情の集まりではない。
夜遅く帰ってきても誰かが起きていて出迎えてくれる。
ru「星導はまだ帰って来ないのか?」
im「星導なら今Oriensのところにいるよ?」
???
ru「はあ?」
なんでOriensのところにいるんだ?
im「そんなにピキんなって、報告に言ってくれてるだけだよ」
星導は今ここ最近この街にはコザカシーが多くなっていてそれ諸々の話をしているらしい。
まあどうでもいい、、大人しく報告書でも書くか。
西と東の事務所はだいぶ離れている。
Oriensの皆とは月1で会えたらラッキーな方だった。
ウェン、元気にしてるかな、
そんなこと考えてる場合じゃない。
早く報告書書いて寝よう。
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rb「ただいま戻りました〜」
im「おかえり」
星導が帰ってきたようだ。だいぶ夜も更けている。
rb「Oriensだいぶ元気そうでしたよ。何よりですね。」
そういいながら星導は鞄を下ろして手袋を外した。
ん、、?なんだ、
rb「あっち側もコザカシー増えてるんですって」
星導は羽織を脱いだ。
俺は思い出した。
この匂い。
ウェンの匂いが微かにする。
外の冷たい空気の中に密かにいる甘くもったりとしないウェンの匂い。
ru「星導、、変な事は聞かないけど話しただけだよな?」
rb「それがもう変ですけどね?いや、話しただけじゃないですよ?久しぶりに会ったのでみんなとハグして来ちゃいました〜」
ライもカゲツも羨ましいと吠えていた。
ハグした時のその匂いが付いているんだ。
俺は報告書が書けたのでライに渡して寝る部屋に向かった。
しばらくベットに横になって目を瞑って見たが、寝れそうになかった。
さっきの匂いがまだ鼻に残る。
窓をボーッと見つめる。
俺がOriensのところに行ってウェンとハグしたかったな、と思う。
しばらくすると、コンコン、と扉が軽く叩かれた。
こんな夜中に誰だ。
星導か、ライか、カゲツか、、
ru「、、開いてる」
ゆっくりと扉が開いて、ひょっこりと顔を覗かせたのは、
rb「小柳くん、寝てますか〜?」
星導だった。
ru「寝るところだったんだがな」
rb「寝るところって顔じゃないですけどねぇ窓ばっか見てましたし?」
入ってきた星導は、ずいぶん余裕顔でこちらを覗き込んだ。
その長い髪からはまだ微かにウェンの匂いがする。
胸の奥がもやりと熱くなる。
ru「何の用だ」
rb「さっきの小柳くんの顔、気になっちゃって〜。なんだか、拗ねてるみたいでしたよ?」
ru「拗ねてねぇ」
即答するが、星導はにゅるりとした笑みを浮かべた。
rb「じゃあこの匂い、そんなに気になってないってことですかね?」
星導は自分の袖をつまみ、ひらひらと揺らす。
空気が動き、ウェンの香りが少し強まった。
ru「別に。どうでもいい」
rb「ふふ、どうでもいいならそんな言い方になりませんよ〜」
星導がベッド脇の椅子に腰を下ろし、肘を組む。
ゆったりした声なのに、妙に刺さってくる。
rb「小柳くん。好きな人の匂いが他人についてて気分悪くなるって、普通ですよ?」
ru「は?」
rb「だって小柳くん、ウェンの匂いだって気づいた瞬間、目が変わりましたもん」
胸に突き刺さるような言葉だった。
ru「お前、言い方ってもんが、、」
rb「言い方は選んでますよ。だって嫉妬してるなんて、小柳くん認めないでしょ〜?」
こいつはいつだってずるい言い方をしてくる。
俺の反応を一通り見たところ、星導は楽しそうに笑う。
rb「じゃあ、会いに行けばいいのに。小柳くんのことなら、ウェン喜びますよ?」
ru「そう簡単に言うな」
Oriensの事務所は遠いし、夜は危険だ。
それなのにウェンを外に連れ出すなんて考えられない。
それに
会いに行って、何て言う。
星導はベッドの端に手を置いて、柔らかな声で続けた。
rb「手紙でも書いてみたらどうです?」
ru「手紙?」
rb「真夜中にしか書けない言葉ってあるんですよ。出せなくても、書くだけで変わることもあるんですよ」
意味深に笑う。
星導は椅子を起き上がり、部屋を出る直前、振り返ってこう言った。
rb「ウェンは小柳くんが思うより、ずっと小柳くんが好きですよ〜?」
心臓が跳ねた。
扉が閉まる。
部屋に残ったのは、ウェンの匂いと、星導の残した言葉。
枕元のノートを手に取り、ペンを走らせる。
ru「はあ、最悪だ。こんなの、、」
書き始めた一行目は、自分の気持ちを誤魔化せていない文字だった。
『________。』
書いた瞬間、胸が痛いほど熱くなる。
ru「こんなの、見せれるかよ、、」
けれど、止まらない。
ウェンに会いたい想いが、また一行、また一行と文字を増やしていった。
はぁ、、女々しい奴だな俺は
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夜明け前の空気はまだ冷たい。
手紙を書き終えた俺は、胸の奥がざわざわしたまま眠れず、気づけば薄暗い廊下を歩いていた。
ru「、、はぁ。星導のやつ、余計なことを」
自分で言って、苦笑する。
けれど、不思議と体が勝手に動いていた。
気がついたら、Oriensの事務所へ向かう道を歩いている。
危ないだの、距離があるだの、そんな理屈が頭に入らなかった。
会いたい。
ただそれだけで動くなんて、馬鹿みたいだ。
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まだ陽も昇りきらない頃。
Oriensの事務所に灯りがひとつ、ぽつりとついていた。
ru「、、、」
扉の前に立つと、胸がやけにうるさい。
ノックをする前に、内側から扉が開いた。
wn「、え?ロウ?」
俺は固まった。
ウェンの匂いが風に乗せて俺の鼻をくすぐった。
出てきたウェンは髪が少し乱れ、上着を羽織ったばかりの格好で、きと嬉しさの入り混じった顔をしていた。
ru「、、悪い、勝手に」
wn「いいよ。ロウきゅんが来るなんて、珍しいじゃん?」
ru「ロウきゅんって呼ぶな」
ウェンはにやりと笑って俺の手首を軽くつかんだ。
その指先があたたかい。
wm「入ってよ。寒いでしょ?」
中へ引き込まれ、俺は喉が詰まった。
ウェンの匂いが、また強くなる。
夜に星導から漂ってきた淡い痕跡じゃない。
本人そのものの、あの甘くて軽い香り。
ru『、、他の奴からウェンの匂いがするのは気分がよくない、』
言った瞬間、気づく。
ああ、俺は嫉妬してたんだ。
手紙に書くだけじゃ分からない事もあるんだな。
ウェンは一瞬目を丸くしたが、すぐに喉の奥で笑った。
wn「ふははッ、ロウきゅん、可愛いじゃん?」
ru「はあ!?何がだ」
wn「匂いで気づくなんてさ。ほんと狼だね」
俺は恥ずかしくなりそっぽ向いた。
ru「、あいつが、勝手にハグしただけだろ?」
wn「僕がしたんだよ?久しぶりだったからね」
その一言に胸がちくりと痛む。
ウェンは俺の前に立ち、そっと覗き込んだ。
wn「ロウ。会いに来てくれて嬉しいよ」
まっすぐ目を見つめて言われた。
その目が、ほんの少し寂しそうだった。
wn「僕ね、昨日ねロウ来ないかな〜って思ってたよ」
ru「、、来れるわけねぇだろ」
wn「でも来たじゃん?」
俺は息を呑んだ。
そうだ。
俺は会いたかったから来た。
手紙を書いて、自分の気持ちを隠せなくなって、気づけば走るみたいにここまで来た。
ウェンは俺の手をそっと取った。
wn「ねぇロウ。手、冷たい」
ru「、、朝方だしな」
wn「じゃあ、あっためてあげるよ」
ウェンは俺の手を包み込むように握り込む。
ゆっくり、指を絡めるみたいに。
ru「、ウェン」
wn「嫉妬するロウ、僕ちょっと好き」
ru「、、っ」
胸が焼ける。
言葉が何も返せないくらい、心臓が騒ぐ。
ウェンはそっと近づき、額が触れそうな距離で囁く。
wn「ロウが会いに来てくれたの、僕だけのためでしょ?」
恥ずかしくて少し声が詰まった。
ru「、、あぁ。そうだよ」
ウェンが瞬きし、笑った。
優しくて、嬉しそうで、少し照れていた。
俺だけじゃないんだ、、
wn「だったらさ、もっと近くにいてよ」
そのまま俺の肩に手をかけて、抱き寄せるように胸元へ引き寄せた。
ゆっくりとウェンの腕の中へ落ちていく。
ウェンの匂いが全身を包む。
ru「、、会いに来てよかった」
wn「ありがと、」
夜明け前の静けさの中、誰にも邪魔されない二人だけの空気が流れた。