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俺が『早目野パブロフ』と名乗り、異世界で活躍していたころだ。
邪神どもに数多の呪いを刻み込まれた。
子供服・婦人服しか着られないなど、異世界でくらった微妙な呪いに、今も迷惑している。
身長が3メートルにまで伸びたのも呪いが原因だろう。
体重が0・3トンのわがままボディーへと進化したのも邪神のせいだ。
はい。ウソです。
肥満の原因は、ポテチでマヨネーズをサンドした、オリジナル・スイーツの食いすぎで太りました。
そんな話を、てへぺろで話した際、女子にドン引かれたのは言うまでもない。
いつだったか……。
ベビー服を着て“もう爆発するぅ!”と絶叫しながらトイレを探している最中だった。
機動隊と爆発物処理班に囲まれ、一滴漏らした。
はい。またウソをつきました……。
膀胱が号泣したので、「おぎゃあ!」と言ってごまかした。
俺に向けられた大人たちの冷たい視線は、いまでも忘れられない。
20代前半の俺が女児用の服を着て街を闊歩しようものなら、間違いなく職質をうける。
そのくせ、あらゆる店で女子割が発動してしまうのは、なんか切ない。
他にも、どうき・息切れ・痛風、1センチの段差につまずくという怪現象が俺の肢体を襲うのだ。
女子力を爆上げしてミニスカートの似合う青年になろうと考えたが、大事なことを思い出した。
異世界に忘れてきた“聖剣とパンツ”を取り戻すことだ。
剣を持つところとパンツのゴムのあたりに、ひらがなで本名を書いてしまっている。
“忘れ物”の奪還は急務だ。
熟慮の結果、邪神たちをホフって解呪してもらうことに落着した。だが、ヤツらは異世界にいる。
クトゥルフとの激闘のさなか、俺は現世に戻された。それきり、異世界に行けなくなったのだ。
俺が行けないのなら、ヤツらに来てもらおう。
そう考えた自称天才プログラマーの俺は、異世界・異次元から旧支配者を引きずり出す“対邪神システム”を作っていた。
システムの名は『ダイダロス』。
ダイダロスはシステム(プログラム)の総称である。
邪神の召喚・バトルフィールド創造・各種管理アプリなどの独立したシステムで構成される。
ダイダロスの機能のひとつに、現世で邪神などとバトルができるエミュレーターがある。
その名も『ストレンジ・バトル・エミュレーター(SBE)』。
殴られたら痛い。ヘタをすると死ぬ。リスキーだが、SBEで非現実的なバトルが楽しめるはずだ。
ダイダロスの構築にはノーデンスの手を借りた。
彼のおかげで、邪神の召喚儀式は不要・召喚後の副作用がないなど、わりと安全なシステムになっている。
自分用に開発していたが、いずれ一般公開して法外な利用料を取ろうと目論んでいる。
一攫千金を狙っている俺は、難航していたSBEの開発を急いでいた。
徹夜がつづき、PCのキーボード付近に小人のようなものが見えだしたときは、どうしようかと思った。
が、本日めでたくSBEを実装した試作版ダイダロスの完成を迎えた。
問題がなければ、正式にリリースしようと考えている。
うまく動いてくれるといいのだが……。
さっそく、召喚システムが邪神らしき者のお取り寄せに成功したらしい。
居場所は特定できていないが、なんとかなるだろう。
さて、アホなメンバーを召集して邪神をイジリに行くとしますか。