お題:深優さんには「私は雪の日に死にたい」で始まり、「夏が始まる」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば10ツイート(1400字)以内でお願いします。
こちらの作品は暇つぶしに書いた作品です。
なんとなくでお読み下さい。
⚠️注意⚠️
・ネタバレあり
・キャラブレあり
・解釈違いあり
自衛よろしくお願いします!
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凍りついた冬を溶かす夏が始まる
俺は雪の日に死にたい。
凍えるほど寒いあの日は俺の中で忘れられない傷となった。思い出すだけで息ができなくなるほど苦しい。けれど先に傷つけたのは俺だってわかってるんだ……。
「俺が一緒に夢を見たのはそんな兄ちゃんじゃない……!」
兄ちゃんが帰国するって知ったときはこんなこと言うつもりじゃ無かったんだ、でも俺達の夢を否定された気がして思わず口走ってしまったんだ。
何回謝ったって許してもらえるとは思っていない。それほどあの時の兄ちゃんを傷つけた罪は重い。
だから俺は__
―――雪の日に死んで罪を償いたい。
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そんなことを思っていた俺も数年経ってプロになり、ブルーロックの最終選別を終えてレ・アールに所属している。
そうなれば兄貴と関わる機会も自然と増えてくるわけで……。
練習、試合、打ち上げ……とにかくオフ以外は毎日顔を合わせていた。
それでも俺達が交わすのは必要最低限の言葉だけ……一生このままなんだと思っていたそんなある日。
いきなり俺の前に現れた兄貴は、
「おい、スマホ寄越せ」
こんなことを脈略もなく言ってきた。
「は……?」
俺が言葉を発する前に、兄貴は俺のポケットからスマホを抜き取って、なにか操作していた。
「ん」
ぽかんと兄貴を見つめているうちに投げて寄越された俺のスマホ。
そのまま満足げな顔をし、背を向けて帰っていった兄貴。俺の手には連絡先の一覧、
そこに映し出された兄貴の連絡先。
つまり……(不本意ながら)兄貴と連絡先を交換したということだ。
頭に?を浮かべながら帰宅すると、連絡が来たことを示す通知が来ていた。
『今度、飯行かないか?』
いや、そんな仲でしたっけ。
なんて返せばいいんだ……。もともと得意じゃない返信が兄貴からのものだと尚更。
でも、とりあえずわかったとだけ返信しておいた。
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その後、なんとなく日時が決まり、今日がその日。
朝から妙にソワソワして落ち着かない。そのせいで予定の30分前についてしまった。
集合場所に向かうと、そこには人影が。
さらに近づくとその正体がわかってくる。
それは__兄貴だった。
内心動揺しているのをなんてことないように演じて集合すると、兄貴は「ついてこい」とだけ言って、俺に背を向けてしまった。
兄貴から誘ってきたのになんのつもりだよと思いながらも黙ってついて行く。
そしてついたのは高そうなレストラン。
そのままずかずか店に入って行く兄貴は慣れているようで、かっこよかった。
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運ばれてきた食事を食べ進めていると、兄貴が突然悪かったと一言告げた。
何の事だよと思い、顔を上げると真剣な表情をした兄貴がいてあの雪の日の事だと理解した。
「俺もごめん」
口下手な俺達はこれぐらいしか言えないけれど、目の前の兄貴が微笑んだからそれで充分だ。
兄貴の笑みにつられるようにして俺も笑った、久しぶり笑ったから顔が引き攣っていただろうけどこれで出会いの春はお終いだ。
これからは思い出を沢山つくろうと思う 。
俺と兄ちゃんの夏が始まった。
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以上です!
楽しんでいただけたでしょうか?
それでは次の機会に〜!