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「Sata,What are you reading? I wish you would tell me.(佐田、何を読んでいるの?教えて欲しいわ。)」
「I’m reading a book by Osamu Dazai. It’s very exciting.(太宰治の本を読んでるんだ。すごくおもしろいよ。)」
「Can I borrow it next time? I’d like to read it.(今度、私にも貸してもらってもいい?読んでみたいの。)」
「All right. Can we do it tomorrow?(いいよ。明日でもいい?)」
「Anytime you’re ready, Thank you.(いつでも大丈夫よ、ありがとう。)」
1週間ほど経つとこんな会話を休み時間に話すようになっていた。テイラーはだいぶクラスにも馴染み、少しでも英語が話せるクラスメイトと話すことが多くなっていた。話を聞いていてわかったことは、アメリカに住んでいたこと・リンゴが好きなこと・親の都合で引っ越してきたこと…最後に月に興味があることなどを教えてくれた。
この世界では僕らが産まれた頃ぐらいから月が見えたことがない。地球汚染などの影響で地球の位置が変わり、他の星に月が被って見えなくなってしまったらしい。といってもこれは言い伝えで、これまで月という存在が確認されたことがないという。歴史上には載っているみたいで、世界の研究家たちが必死に探している。