第5話「幸せの喪失」
※何でも大丈夫な方どうぞ
※忠実表現多少あり
ざわざわ…
[アメリカー?今日は何の会議するんネ?]
[今日か?、簡潔に言うなら今暴走中の2人を沈めるための会議だな!]
何だか愉快な会話をしているように聞こえるかもしれない(ほぼ無い)が。
ガチャ
「おはよう。アメリカ、中国。」
しん…
「…おはようアル、ナチス」
どんな国もこの男を見たら黙り込んでしまう。
今の世の中、怖いものと言ったらこのナチス・ドイツか急成長中のアメリカぐらいだろう。
そんな中、ケラケラと乾き切った笑い声がナチスの耳を掠めた
アメリカの声だ。
「お前ら、何ビビってんだ〜?別に怖くも何ともねぇだろ?」
「それにしてもナチス。顔色がいいな!いいことでもあったか?」
「…昨日はよく寝れたからな」
別に他愛もない会話なのにアメリカは口を釣り上げる
ニコォ「良かったな、会議も早く終わるぜ!」
ゾワッ
(やっぱ、コイツの笑い方…嫌いだ)
口しか笑っていないから。
[みっ皆さーんッ聞こえてますか?]
そう!何を隠そう私日本。
ナチスさんの仕事場にまたこっそり来てしまいました!
(だって、ソ連さんとどうしているか見たいし…)
(今日の朝だって…)
−日本の脳内–
「ナチスさん、そろそろ帰って来ますかね?」
ブロロロ
(あれ?車でなんて行ってたっけ?)
出来心で窓の外を見れば、丁度彼が車から降りた所だった。
(もしかして…もしかしてだけど!?)
ガチャ
「只今…あれ?日本そんな所で何突っ立ってるんだ?」
「ナチスさん〜もしかしてソ連さんに送ってもらったんですか?ニヨニヨ」
「………………はッ!?///どこで見た!」
「私、鼻にセンサー付いてるんで」
…なーんて会話をしたら、誰だって気になるでしょう?ですよね?
ソロソロソロ
[第一会議室は…ここですか。]
[さて、2人はいますかね…腐腐]
不安になりながらも壁に耳を当てた。
[えー、じゃあ早速会議を始めたいんだけどさ…]
[何であの酒カスはこぇねかなぁ]
会議室の中は何とも言えない雰囲気になっていた。
(ソ連さんって結構ズボラなんですかね?)
最近はナチスさんが結構恥を捨てて紙に取り組んではいた…いたはずだけど。
(私の考えだと、そろそろ2人が気になり始めてもおかしく無いのに…)
大丈夫かな?と思いつつ会話を聞いていると、自分がかつて聴きたくて会いたくて堪らなかった声が聞こえた
[別に我々からすれば問題ないのでは?]
(お父、さま…?)
私はその声を聞くのに夢中になってしまいました。
だから、気付かなかったのでしょう。
自分の後ろにあんなにもお酒の匂いがしていたのに。
「おい、誰だ?お前は」
ビクッ
「ぁ、、、」
やばい、気になりすぎて後ろまで見てませんでした。
どうやって言い訳すれば…
この声って絶対ソ連さんですもんね。
私が観念して顔を見せようとした時
ガチャッ!
「はぁ…すまない。私の連れが失礼をした。」
「えっ?ナチスさん?」
[おい!ナチス何勝手に席離れてるんだ!]
騒ぎを聞きつけた彼が助けに来てしまったのだ。
状況を悪化させるとも知らずに。
「ちょっと待て?〝私の〟?ってお前らそういう関係なのか?」
「え゛ッどういうことですか?ナチスs」
【一旦黙っててくれ】
「はぃぃ…しゅみません、」
すっかり萎縮してしまった日本を挟み、ナチスとソ連が睨み合う。
この前まで向け合っていた慈愛の目とは程遠い
「お前、俺と条約結んでおきながら他の奴と組もうって魂胆だったのか?こんなスパイ紛いのことさせて笑」
「俺がどんな奴と協力してたってお前には関係ないだろう?」
(ソ連さん…その言い方って完全に…)
でも、今はそれどころではなかった
仲が良くなりかけていた2人に水を差してしまったのだ…特大の
「ぁあ分かった。そんなに言うなら条約なんて破棄だ。前々からイギリスの奴に頼まれてたんだよ」
ナチスを一緒に倒して欲しいと。
「ッ!?お前ッこの後に及んで…」
何と言うことだろうか。ナチス本人は鈍感すぎて分かっていないが、これは完全に嫉妬だろう。
(あぁ…多分もう駄目だ。)
2人の事を落ち着かせようとしても話の入り方が分からない。
会議室の中にいる国達は黙って話を見ている。
話の止め方が分からず見る国。
そのまま仲が悪くなってくれと願う国もきっといるだろう。
(ナチスさんのことです。売られた喧嘩は何としてでも買うでしょう…私の責任だ。)
「お前がその気なら条約なんて終わりだ。真正面からかかってこいよ」
「…分かった。じゃあ、半年後にはもう戦争は始まってるはずだぞ。」
彼は今、敵国を増やしただけではなくイギリス、ソ連に挟まれることになってしまったのだ。
会議室の中からは色々な声が聞こえてくる。
[会議が始まる前に終わった…のか?]
[ピッツァ食べれる!?]
[仕事しろよ笑]
「行くぞ、日本。」
「…はい。」
スタスタとまるで何も感じてませんよと主張する後ろ姿を目で追いながらソ連は軽く舌打ちした。
「日本って誰だよ、」
しかし、その時確かにソ連は見たのだ。
彼の肩が僅かに震えているのを
「グスッ…ヒグッ」
さぁ、場所は変わり現在。
日本が反省の涙を流していると思いきや
「あの…ナチスさん。本当にすみません…」
あの最強と言われていた国が泣いていた。
「…ッ構わない。元といえば私が強がったせいだろう?」
まずいかな?と思いつつも聞いてみた。
「…これから、紙はどうしますか?」
「紙か…もう出来るものもないだろう?」
「いえ、今の内に私が誤解を解いてきます。そうすれば戦争も起きずに済むでしょう?」
日本は明らかに戦争なんかしないでくれという目で見てくる。
それもそのはず、戦争をすることはナチスの死が決まる事を意味する。
「ハハッ…彼奴に殺されるなら別に、一度死んでいる身だからな」
乾いた笑い声が嫌なほど日本の耳を突き抜ける
「…本当は、ソ連さんにしか殺されたくないんでしょう?
お願いだから、強がらないでください…」
「…ッ!!」
それは即ち、彼の事が好きと言われているようなもの。
自分の気づきたくもなかった物に触れられて気づいたら言っていた。
「……暫く1人にしてくれッ紙の事は後で考える!」
バタンッ!
(……言い過ぎてしまった。)
…スタスタスタ
歩きながら日本は考えた。
(紙の欄が一つ減ってる…本当はこんなの達成して欲しくなかったのに…)
☑️ソ連と仲が悪くなる
(ソ連さんといい、これって絶対そうですよね…)
『…..暫く1人にしてくれッ紙の事は後で考える!』
(…ナチスさんが、2度と同じ運命にならないようにしないと、)
日本は前を向いた
「自分がしてしまったことは自分で何とかします」
待っていてくださいね、ナチスさん!
次回♡500~「日本、失敗の挽回がしたい!」
お楽しみに!
コメント
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わーー!!!!わーーー!!!!わー!?ちょっと見ないうちに推しカプが仲悪くなってるんですけれども!?え!?私なんか悪いことした!?日本!!!名誉挽回だ!!!貴方に全てがかかっている!!!! 作者さん執筆お疲れ様です!!!
次回「日本、失敗の挽回がしたい!」です! お楽しみに!!