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朝 。
まだ目覚ましが鳴る前だった 。
ウェンはゆっくりと目を開ける 。
体が重い 。
喉は焼けるように痛く 、 頭までじんじんと熱を持っている 。
wn
「…… さいあく 、 」
昨日の夜から少し調子が悪かった 。
寝れば治る 。
そう思って早めに寝たのに 、 朝になっても良くなるどころか悪化していた 。
今日は合同任務の日 。
久しぶりに全員で動く任務だから 、 休みたくない 。
ベッドから起き上がり 、 制服を手に取る 。
袖を通そうとした瞬間 、 視界がぐらりと揺れた 。
思わず壁に手をつく 。
wn
「っ …… 。 」
たったそれだけで息が切れる 。
wn
「 …… 無理か 。 」
そう呟いてベッドに腰を下ろす 。
この状態で任務へ行けば 、 きっと迷惑をかける 。
ウェンはスマホを手に取り 、 マナとのト ー ク画面を開いた 。
wn
「 ごめん 。 」
「 今日の合同任務 、 行けないかも 。 」
「 朝から熱あって 、 動けそうにない 。 」
送信して数秒 。
すぐに既読がつき 、 電話が鳴る 。
wn
「 …… もしもし 。 」
mn
『 ウェン !? 』
『 熱って何 !? 大丈夫なん !? 』
wn
「 多分 、 風邪 。 」
mn
『 、 昨日から ? 』
wn
「 …… うん 。 」
mn
『 何で昨日言わへんかったん ? 』
責めるような言い方ではなかった 。
心配がそのまま声に出ているようだった 。
wn
「 寝たら治ると思って 。 」
電話の向こうから 、 小さく息を吐く音が聞こえた 。
mn
『 熱は測った ? 』
wn
「 まだ 。 」
mn
『 今測れる ? 』
ウェンは体温計のある棚へ目を向ける 。
少し離れた場所にあるだけなのに 、 立ち上がる気力が湧かなかった 。
wn
「 …… あとで測る 。 」
その一言で 、 マナは何かを察したようだった 。
少しだけ声が優しくなる 。
mn
『 分かった 。 』
『 任務のことはオレからみんなに伝えとく 。 』
『 今からそっち行くわ 。 』
wn
「 いや 、 そこまでしなくても …… 。 」
mn
『 する 。 』
迷いのない返事だった 。
mn
『 スポドリとゼリ ー 買って行く 。 』
少し間を空けて 、 マナが続ける 。
mn
『 そうや 、 家の鍵閉めとる ? 』
wn
「 うん 。 」
mn
『 着いたらインタ ー ホン鳴らすから 、 その時に開けてくれたらええよ 。 』
『 もししんどすぎて動けへんかったら電話してな 。 』
wn
「 …… 分かった 。 」
mn
『 ほな 、 十五分くらいで着く 。 』
『 無理だけはしたらあかんで 。 』
電話が切れる 。
ウェンはスマホを置くと 、 小さく息をついた 。
「 …… マナらしい 。 」
その言葉を放ち少しだけ笑みをこぼす 。
十五分後 。
インタ ー ホンが鳴った 。
ウェンはゆっくり立ち上がる 。
壁に手をつきながら 、 一歩ずつ玄関へ向かった 。
鍵を開ける 。
ドアを開いた瞬間だった 。
mn
「 ウェン 。 」
顔を見たマナの表情が変わる 。
mn
「 顔色めっちゃ悪いやん 。 」
ウェンは 「 大丈夫 」 と言おうとした 。
でも 、 その前に足元がふらつく 。
wn
「 …… っ 、 」
mn
「 危ない ! 」
マナはとっさに肩を支えた 。
mn
「 ほら 、 掴まり 。 」
ウェンは少し申し訳なさそうに笑う 。
wn
「 ごめん 。 」
mn
「 謝る暇あったら部屋戻るで 。 」
そのままゆっくりとウェンをベッドまで連れて行く 。
ベッドへ寝かせると 、 マナは買ってきた袋を机に置いた 。
スポ ー ツドリンク 、 ゼリ ー 、 薬 、 それに冷却シ ー ト 。
mn
「 まず熱測ろや 。 」
体温計を渡され 、 ウェンは素直に受け取る 。
しばらくして電子音が鳴った 。
mn
「 …… 39 度 。 」
思わず額に手を当てる 。
mn
「 こんなんで任務行く気やったん ? 」
wn
「 …… 行けるかなって 。 」
mn
「 行けへんわ 。 」
そう言いながらも 、 声はどこか優しかった 。
冷却シ ー トを貼り 、 スポ ー ツドリンクのキャップを開ける 。
mn
「 ほら 、 一口 。 」
ウェンはゆっくり飲み込む 。
冷たい飲み物が 、 熱くなった喉に染みていく 。
「 ちょっと待っとって 。 」
マナはキッチンへ向かう 。
ほどなくして 、 湯気の立つおかゆを持って戻ってきた 。
wn
「 …… 作ったの ? 」
mn
「 レシピ見ながらやけどな 。 」
少し照れくさそうに笑う 。
mn
「 味は保証せぇへん 。 」
その言葉に 、 ウェンは思わず小さく笑った 。
wn
「 じゃあ食べるの怖いな 。 」
mn
「 ひど ! 」
二人で少し笑う 。
さっきまで静かだった部屋が 、 少しだけ明るくなった 。
マナはおかゆを一口すくい 、 ウェンに差し出す 。
mn
「 熱いから気ぃ付けて 。 」
ウェンはゆっくり口に運ぶ 。
優しい味が 、 体の奥まで染み込んでいく 。
wn
「 …… おいしい 。 」
その一言を聞いて 、 マナは安心したように笑った 。
mn
「 よかった 。 」
「 食べられるなら一安心や 。 」
薬を飲み終え 、 再び布団に入るウェン 。
マナは椅子に座ったまま 、 静かに様子を見守っていた 。
wn
「 …… マナ 。 」
mn
「 ん ? 」
wn
「 ありがとう 。 」
少し照れたように笑うウェンを見て 、 マナも笑い返す 。
mn
「 礼なんかいらん 。 」
「 俺ら仲間やろ 。 」
「 しんどい時くらい 、 ちゃんと頼って 。 」
その言葉に 、 ウェンは小さく頷いた 。
今日は任務には行けなかった 。
それでも ——
一人じゃなかったから 、 少しだけ安心して目を閉じることができた 。
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