好きなんだ、俺。
やっと、やっと踏ん切りがついた。
心の中でぐちゃぐちゃに絡まっていた糸が解けて、ストレートに気持ちが入ってくる。心地がいい。
「今日はよく眠れそう…」
「あ…でも仕事」
ピロン
〔こた!仕事は1週間お休みにしといたからね!〕
エスパーかよ…
俺のことを見透かしたようなそのメッセージに、盗聴器か隠しカメラでもあるんじゃないかと本気で疑う。
〔ちなみにこたが思ってるようなことはしてないからね??〕
「うっ…」
なんなんだこいつは…ありがたいような有難くないような…
もういいや、寝よう
ピロンッピロンッピロンッピロン
「ん…」
朝からうるさいほどの通知が鳴り響く。
時間を確認するとまだ5時30分、アラームの1時間も前に起こされた俺は少し不機嫌だ。
でも、送り主の予想は大体出来る。
〔こった~~ん!おはちむり~ん!!〕
やっぱり。
〔あれれ~??既読つかないなぁ~!!〕
〔おーい!おーい!こったーん!〕
〔🥺🥺🥺🥺🥺〕
なんてやかましい字ずらなんだろう。
〔おはよう、どうしたの?〕
少しの憂鬱と共に返す言葉は、 いつもより素っ気なくしたつもりだ。
〔今ね、メンバーみんなにLINEして叩き起してんだ~~!〕
デスゲームか?
〔え、なんで?〕
知りたくもないが一応聞いてみる
〔えっとねぇ、今日一 緒にサンリオにいきたいなぁって!チケットもとってるよ!〕
「は?」
〔もちろん全員分!!〕
「え?」
〔え?〕
そっくりそのまま出た声がそのまま返信に反映される。
サンリオ?今日?突然にも程がある。
〔なんでグループの所で起こさないの?そっちのが効率よくない?〕
〔えーだって、皆グループの方通知オフすんじゃん!〕
これに関しては否めない。実際俺もそうだし。
〔てことで!グループにもこの内容送るからそっちの返信もよろちむね~~ん!〕
その後、何度個人でメッセージを送っても反応があることはなく、その数分後にまぁまたやかましい字ズラのメッセージがグループに送られてきて俺は頭を悩ませる。
にしても、みんなでサンリオか。まだ精神的にも落ち着いてないのに、昨日の今日でアミューズメントパークに行っても楽しめないだろうし、それにこんな気持ちのまま遊ぶとメンバーにも失礼だと考えてしまう。
「やっぱり断った方がいいよな」
おもむろに携帯を持ってリーダーであるCoe.に連絡を取ろうとする。すると、ちょうど1件の通知が来ていた。
〔こたー?今日いける?〕
毎度毎度…こいつはエスパーなのかもしれない。もしくは…やっぱりどこかに…
〔だから、こたが思ってるようなことはしてないよ~!〕
おーこわいこわい。
〔やっぱ行けないってこえくんに相談しに行こうとしてたんだよ〕
少しくらい気持ちでそれを送る
〔えー!行こうよ!せっかくなんだしさ! 〕
……どうも乗り気になれない、くにおに会うのも少し気恥ずかしい気がしてなかなか行く気になれないのも一つの理由だ。
〔一緒に行こうよ!俺、こたがいないと楽しくないもん!〕
今、一瞬にして胸がきゅん満たされた。
それはもう、心が行くと決断したようなものだ。
気づいたら俺は、ピューロランドの前に立って皆と写真を撮っていた。
コメント
2件
更新ありがとうございます!! ピューロランド…尊いです💭