TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

そういえば…


「 不破さん、頭に激痛とかありませんか? 」

「 ? んや、特にないっスね… 」


不破さんは頭をグラグラと揺らし、軽く叩き、確かめた。私が偽ワタクシの横腹からナイフを抜いた時、とてつもない激痛が私の横腹にも走った。今も尚痛みは続いている。先程不破さんは偽不破さんの頭を銃で撃ち抜いていたから、同様に痛みを感じてるのでは無いか?と思ったが、そうでもないらしい。


私が偽ワタクシからナイフを抜いた時と、不破さんが偽不破さんにトドメを刺したのとで、何が違うのだろうか。ただ単に、偽の自分と痛覚共有をしている、という訳では無いようだ。


「 社長はどっか痛いんスか? 」

「 えぇ、まぁ … 正直喋るのが辛い程、脇腹が結構痛くて 」

「 えぇ!? 全くそんな感じしなかったっスけどね 」


束の間のいつも通りの雑談に、楽しいな、と感じた。


「 … と、そんな話してるヒマは無さそうッスね、社長 」


「 です … ね 。 私も微力ながら不破さんに御力添えさせて頂きますよ。 」





“ まだ寝ている高校生に、指1本触れさせる訳にはいかない “




… そんな共通認識を、互いに見つめあって、確認した。それぞれ、私はナイフ、不破さんは拳銃を握り締めて。


痛む横腹を抑えながら、ヨロヨロと立ち上がってくるワタクシを見つめた。


同様、比較的軽傷だった偽の剣持さんも起き上がってくる。不破さんは剣持さんを冷たい眼差しで見据えていた。



『 …やりますね、ウチの不破くんを殺るなんて 』

『 流石、コピーといった所でしょうか  』



刀をちゃき、と構え、こちらを突き刺すような瞳で見ている。

冷静を装う彼の声色は、どこか怒りを含んでいた様な気がした。



『 … 社長 、 まだ動けそう ? 』


『 えぇ、なんとか … 』


『 あまり無理はしないでよね 。こっちは甲斐田くんコアが来るまで耐えなきゃいけないから  』


『 もちろんです … ただ、少し時間をください。 傷を回復させなければならないので 。  』


『 分かった、時間は稼ぐ。だけどなるべく早く来てよね 。 』



…そう、会話をしているニセモノ達に、不破さんは静かに拳銃を構えていた。


狙いを定め、息を潜め。


その姿はまるで、手馴れのスナイパーの様だった。


ゆっくり、引き金に指をかけて、


不破さんは、躊躇いなく、引き金を引いた。





___  バン!という銃声音戦いのゴングと、弾丸を弾く金属音が辺りに派手に鳴り響いた。







続く


この作品はいかがでしたか?

173

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚