124×380
曲パロです。
その曲の解釈通りっていうよりかは、個人的な解釈+都合のいい解釈含まれてます。
セミ姉が色々と狂ってます。
ドラマより年齢差あります。何歳差かまでは考えてないです。
肌色注意です。
行為の最中の描写はありませんが匂わせ、直接的な表現あります。
キスの描写あります。
大丈夫な方はどうぞ。
あとなんの曲かわかった人居たら握手しましょう!!!
生まれた時から不幸せだった。
いや、もしかしたら幸せだったのかもしれない。そんな判断ができないぐらい、この世界はどうでもいい存在になっていた。
テレビの中の人は、普通に生きてる人は、学生は社会人は、《世界は素敵だ》なんて言うけど、じゃあどこが素敵なのか具体的に書き出して、その理由を顕してほしい。そうしたらこんな世界、嘘だらけだって分かるから。世界が素敵だなんて、ただの勘違いだって分かるから。
「おいセミ、なに考えてんだ」
「……別に。」
違う。今は考え事しちゃダメ。きちんとお相手しなきゃ。やっと見つけたあたしだけの共謀者。
プライドなんて、とっくのとうに亡くしてる。生活ができればなんでもしてきた。盗みも、身体を売ることも、なんでも。そうでもしないと生きていけなかった。
親はあたしが8歳の時に家を出て行った。居たところで暴力しかしないし、出て行ってくれてよかったけど、幼いあたしはあんなクズみたいな親でも、居なくちゃ生きてく術なんてなかった。
家に残ってる物で飢えをしのいで、無くなったら道端に落ちてるものでもなんでもいいから食べれるものを探して。
そうして10歳になった時、初めて物を盗んだ。お店の人に捕まったけど、あたしの格好を見て、話を聞いて同情したのか今回は特別だって許してくれた。
だから別のところで盗んだ。人の優しさにつけこんで、生きてきた。
13歳にもなると需要に気付いてくる。そういう趣味の人たちは沢山いるし、発散出来れば誰でもいいって人も居る。それに盗むよりも効率が良かった。
あたしの処女は、13歳で無くなった。
中には優しい人も居た。境遇を聞いて、泣いてくれる人も居た。その度にあたしは期待をした。この人ならあたしを助けてくれるかもって。
でも、それは判断違いだった。
所詮身体だけの関係。お金の上に成り立つ関係。
その人には恋人がいたり、家族がいたり。
何回も期待して、何回も騙されて、何回も信じて、何回も裏切られてきた。
でも、お金のためにこんな事してるあたしに、求める資格なんてきっと無いって気付いた。
それどころか、こんな事をしてまで生きてる自分に、生きることにしがみついてる自分に吐き気がしてきた。
「なぁ、お前?金出したらヤれる女って」
「……誰」
「誰でもいいだろ。お前ちょっと来い。」
ナムギュと出会ったのは18歳の時で…確か、雨の日だった。路地裏で蹲ってるあたしに声をかけてきたのがナムギュ。
手を引かれて、多分家に連れてこられて。あぁいつものだって思ってたらお風呂に入れられた。雨に濡れてるから綺麗にしろって事かと思って、綺麗にした。
今までもする前にお風呂に入れられた事はあったからそういう事だと思った。
お風呂から上がったあたしを待ってたのは、ご飯だった。
正直意味が分からなかった。
身元も素性も知らない子供を連れてきてしたいのってこれなの?って。
結局、ナムギュは手を出さなかった。
それどころかあたしを家に置いた。なにもしてないのにさすがに悪いなって思って家を出ようとしたらすごく怒られた。怖かった。
多分、ナムギュは悪い大人。でも、あたしはナムギュに拾われてから間違いなく普通の人みたいな生活を送ってる。
でも、なにかが足りない。
ナムギュに拾われてから2年。ナムギュはこの間手を出してないし、触ろうともしなかった。
ナムギュがあたしに与えてくれたものはあたしにとって初めてのものばかりで、どれも新鮮だった。
けどそれは、あたしの今までの生き方を否定されてる気持ちにさせた。
こんなの初めてで、未知の愛情すぎて怖かった。解らなかった。今までみたいに、本能的に解り合う方がよかった。
だからあたしは夜に部屋に忍び込んだ。
「……ナムギュ」
「お前、何してんのかわかってんのか」
その問いには答えずにキスをする。深いキス。あたしからした事なんてないから上手いかどうか分からない。けど、求めてほしかった。奪いに来てほしかった。だって、2年も待った。
ナムギュの腰のあたりに跨ると、硬いモノが当たった。あたしの事求めてくれてるんだって嬉しくなった。
「ねぇナムギュ。後悔をあたしに植え付けて。」
その日、初めてナムギュと身体を重ねた。
「セミ、大丈夫か?」
「ん。…なんで?」
「ぼーっとしてたから。」
「あぁ……。昔のこと思い出してた。」
「はっ。今更後悔したか?」
「残念だけど、後悔したことは無いよ」
ナムギュが鼻で笑い、タバコに火をつける。
ナムギュはよく行為後にタバコを吸う。少し前までは離れたところで吸ってたけど、今は隣で吸うようになった。
あたしはこの瞬間が、たまらなく苦しい。
「……迎えに来てくれた?」
「あ?」
「あたしの1等賞、奪いに来てくれた?」
「……」
ナムギュにはあたしだけを見ていて欲しい。他は見ないで欲しい。あたしだけを求めて、奪って、荒らして、狂わしてほしい。
「ねぇナムギュ、足りない。」
「……」
「ねぇ、いっそのことあたしの頭の中、ぐちゃぐちゃになるまで狂わして、犯して。」
「……セミ」
「一辺倒にもてあそんで。他は見ないで。」
ナムギュがタバコの火を消す。
「今すぐに。ねぇ、ナムギュ。」
噛み付くようにキスをされる。そのままベッドに押し倒される。
このあたしだけを求めてる顔が、たまらなく好き。
愛なんて知らない。
愛なんて分からない。
愛なんて、壊れてしまえばいい。
「ナムギュ、あたしの1等賞を奪いに来て。」
コメント
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すきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすき
どストライクすぎて大好きです ホワイトパッピーでしょうか? 曲選びも使う言葉も最高すぎて大好きです(二回目)
いつも読ませていただいています! 今回のお話もとても素敵でした🥺