自分用
コビメッポとメポコビBL
──さん…
「…ッポさん…」
「ヘルメッポ少佐!!」
すぐ横に居た、背に正義と書かれたコートを羽織った花柄のバンダナの青年が、耳を突き抜けるような大声で
おれの名前を呼んだ。
「うおっ、何だ、いきなり叫んでよ…」
横にいた青年、「コビー」は小さい溜息をつき、眉をしかめて言った。
「僕は何度もヘルメッポさんを呼んだんですよ!!
それなのに貴方は上ばっか見つめて…」
「おぉ、悪ィな…ぼーっとしてたわ」
そう言って笑った俺の顔を見て呆れたような顔をし、
ちゃんとしてくださいよ、仕事中なんだから。と、いつもと変わらないセリフを吐いて、手に持っていた書類を机に置き去っていった。
「はー、俺がこうぼーっとしてんのはお前のせいだってんのによ…」
俺とコビーは親友だ。
あっちはそう思っているだろうが……
俺はな、あいつに恋愛感情を抱いている。
…かもしれない
この前のあの顔が
忘れられねーんだよ…
「あ゙あ゙─────ッ!!!あの顔がチラついてきて仕事になんねェんだよ!!」
壁の向こうで叫び声を聞いた海兵がひそひそと会話を始める。
(海兵1) 「ヘ、ヘルメッポ少佐…ここ最近何かおかしくないか?」
(海兵2)「おめェわかんねェのかよ?おれにゃあ分かるぜ…。最近コビー大佐との噂がたってるからな…ひひひッ…」
1週間前…
夜。暗い部屋。
俺は寝ようと思い、枕のすぐ側に置かれた橙色の暖かい光を消そうとしたが、
隣で布団を被っていたコビーは、こんなに遅い時間になってもさっきまで修行していたくせに、 勉強‼︎ と熱心に本を読んでいた。
(なーんか、いつもドーリって感じでつまんねェんだよな〜〜…)
まァ、いつも通りって事でからかってやろーっと
俺はコビーのアホ毛を人差し指でくるくる回したり弾いたりして遊んでいたが、
…全く反応がない。
「おい、コビー?」
そう呼びかけても返事がない。
熱中しすぎて気づいてないんじゃねェのか?と
思いつつ、
俺はコビーの肩を叩こうとした。
そう手を伸ばしたとき、
人差し指が首に当たってしまい、
「ひゃあッ?!」
と、裏返った声と同時に、身体もビクッと跳ね上がった。
そして、首元を抑えこちらに向けてきた顔は、
驚いた表情。
そして何より俺の中に残ったのは、
頬から耳まで赤く染まり、少し涙目になった顔。
……これがもう何日もいつになっても忘れられない。
「くっそ────ッ!!あ゙────ッ!!ダメだ、頭から離れねェ!!」
その時、誰かが拳でノックを叩く音が聞こえた。
絶対聞かれちまってたな…と冷や汗をかきながらOKを出した。
「失礼します。ヘルメッポ少佐。」
「げっ…コビー…大佐…」
寄りにもよってこいつかよ!!! 叫ばなきゃ良かった─ッ!!と過去の自分を責めるが、もう遅かった。
コビーは不機嫌そうな声音で、
「なんですか、それ。やましい事でもあったんですか?それは さっきの叫びと何か関係が?」
と続ける。
「いや、別になんてこたあねェよ…。それより、コビー大佐。何のご用件で?」
「もう、話を逸らさないでください。まあ…
任務。来ましたよ。」
(コビー視点)
…最近のヘルメッポさん、なにかおかしい…。
やけにぼーっとしている事が多いような…。
という僕も、ヘルメッポさんと会うのは少し気が引ける。気が引けるというよりは、気まずい、かな…。
なんてったって、1週間前!!
ヘルメッポさんに触られた時、僕、物凄くみっともない顔見せちゃったから…!!
うわーっ!! 恥ずかしい恥ずかしい…!
しかもヘルメッポさんと会うと、こう…心臓が激しくなって…
頭が熱くなるような気がするから…。
『皆さんそちらへ!民間人を保護してください!』
海兵たちがコビー大佐の指示通り動く。
そしてヘルメッポにもコビー大佐の指示が出される。
「ヘルメッポさん!!こちらから回りましょう!! ここに海賊はいなさそうですから…!」
僕たちは建物が向かい合い、細い道となった暗い道から回り込もうとした。
けど…
(…あーっ!!こういう時に2人になっちゃって…。だけど、ここはヘルメッポさんがいないといけないし、でも2人だと頭が熱くなっちゃうしー…!!)
と、頭がパンクしそうになっていた。
「なんだ、コビー大佐。考え事でもしてんのか?スゲェ顔が怖くなってんぞ。」
そうヘルメッポさんに気づかれ、僕は少し焦り
「えっ、僕顔に…」
と言いかけ、後ろに振り向いた瞬間、
僕の足先に何かが当たり、同時に視界が前に
グラッと倒れる。
「おい、コビー!!」
倒れる直前に、ヘルメッポさんが僕を掴もうと
こっちに倒れてくるのも見えた。
僕は、つぶっていた目を開ける。
すると、僕の頭のすぐ横に、ヘルメッポさんの両腕があり、唇に柔らかいものが当たっているのに気がついた。
理解はできたのかできなかったのか、僕らは数秒その場で固まっていた。
すると、ヘルメッポさんと僕の舌先がちょんとくっついたような気がした瞬間
と、大声で叫び、僕は建物の壁を壊すような勢いで後ろに吹き飛んだ。
ヘルメッポさんはまだ理解ができていなかったようで、その場で硬直していた。
そして僕は、今起こった出来事を完全に理解し、恥ずかしさが大きく僕を襲って、顔が物凄く熱くなり、涙もでてきた。
「へ、へッ…ヘルメッポ…さん……ぼ、僕たち、今ぁ…!」
任務完了。
「…」
「…」
(海兵1)(お、おい。なんだよ、あの少佐と大佐の間に流れてる空気!! まさか、喧嘩でもしたのか…?!)
(海兵2)(…そうっぽいな。マジかよ…大佐と少佐イイ感じだったってのに…!!)
いや、喧嘩だとしたら…なんだ、この違和感?
…まぁ、早く仲直りしてくれりゃいいなァ…
「あああああッ…!!! 僕はっ、僕はどうすればいいんだあ────ッ!!」
後頭部に両手をやり、机に伏せた姿勢で、誰もいない自分だけの空間で小さく叫んだ。
顔と頭が物凄く熱い。
思い返すと物凄く恥ずかしいッ!! しかもヘルメッポさんにも申し訳ないし…!!
「あぁーっ…僕はどういう顔してヘルメッポさんと会えばいいんだーっ…」
あれから3日経った夜。
その…ヘルメッポさんと…キス、してしまった
けれど、ヘルメッポさんは普段通り僕に接してくれる。
まだ僕はヘルメッポさんに会う度頭が熱くなるけど…。
でも、一つだけおかしくなったことがある。
それは 前にも増して、ヘルメッポさんがよく
僕に触れて来るようになったことだ。
僕はまだヘルメッポさんに会うだけで戸惑ってしまうのに…。
でも…触れられても別に嫌じゃ…
いやいやいやいやいや!!! なんてことを考えているんだ僕は!! もう寝て忘れようっ!!
僕は顔に違和感を感じ、深夜に目覚めた。
起きて最初に僕の目に映ったのは
僕の頬に手をやる
ヘルメッポさんだった。
「どっ…どうしてここに?!」
僕は驚きを隠せず、動揺して体を素早く起き上がらせた。
そして、数秒沈黙が続いたあと、ヘルメッポさんの口から、
「コビー。俺はお前のことが好きだ。」
という言葉が出てきた。
物凄く大きな声が出た。
近所の方に迷惑だと思ったので慌てて口を抑え、ヘルメッポさんに直接聞いた。
「どっ、どどどッどういうことなんですかっ?!?!ヘルメッポさんが、僕のことをす、す…好き、だなんて…!!」
あれ…僕の中に「嬉しい」感情が湧いてくる…。
物凄く嬉しい。
もしかして、僕の中にあったこの感情も…
「好き」って感情だったんだ。
「ヘルメッポさん!!
…ぼ、 僕も好き…です…。」
(ヘルメッポ視点)
その瞬間、
俺は体温がギュンと上がるように感じた。
正直、絶対に断られるとばかり思っていた。
だが、この気持ちを隠しながら仕事をするのも疲れるし、コビーと接するのも嫌だ。
だから好きだと告白した。
マジで、本当に嬉しすぎる。
(コビー視点)
「じゃあ、僕たちは付き合ったってことで…良いんだよね?」
僕は微笑みながらヘルメッポさんの方を向いた。
でも、恋人同士って考えると…結構恥ずかしいな…。
「おう! まァ、付き合ったとしても、今までとやることは変わんねェだろうけどな。俺がお前のこと好きだって伝えられただけで満足だぜ!」
ヘルメッポさんは、夜の空を見ながらひぇっひぇと笑って そう言った。
でも、僕…。
「ねえ、ヘルメッポさん。」
コビーがさっきと変わって真剣な声音で言った。
「ん?急にどうした、コビー…」
俺が振り向くと、
瞳が下や右を向き、顔が真っ赤になり、恥ずかしそうな様子でいるコビーがいた。
俺は、その様子に思わず心臓がドキンとした。
コビーはこう続ける。
「その…話しづらいんだけど…。今日付き合ったばかりだけど…、ぼ、僕…ヘルメッポさんと…
その…えっと、」
その様子を見て、何を言いたいかが大体理解出来た。…こいつ、俺が思っていたより何倍も可愛いぞ…。
「そのっ…!僕はッ!ヘルメッポさんと…っ
……えっ…、ちなこと…っというか!!! さ、触って欲しい…です…。」
言い終わる頃には、コビーの顔は真っ赤に染まり、眉は下がり、涙目になっていた。
「な、なんかヘルメッポさんに触られると…。僕、なんか変な気持ちになるんだ…っ。」
「…フーン」
俺は、興奮してニヤケながら答えた。
「じゃあ、今日はたーっくさん触ってやるよ。」
僕はベッドに仰向けになり、ヘルメッポさんの顔が真正面に見える位置にいた。
はぁっ…顔が、頬から耳まで物凄く熱い…。息も荒いし、何より心臓の音がうるさい…。
「じゃ、触んぞ…。」
「ふぅーッ…ふぅー…っ」
ヤバいヤバいッ…!!まだ触られてないのにっ…。
ヒタッ…
と僕の頬と首にヘルメッポさんの大きな手が触れた。
「うっ…ぅんッ…っ」
暖かい…けど、もう、これ以上触られたら…。
ヘルメッポさんの手が、胸、腹へと伝っていく。
「ふゔぅっ…ぁっ…はあ゙っあ」
声を出さないようにしようとするが、吐息と共に声が漏れ出てしまう。
今、僕は物凄くみっともない顔をしているんだろうけど…気持ちいい…。
ヘルメッポさんの手が僕の身体を伝う度、ビクビクと跳ねてしまう。
「ヘルメッポ、さん…っ な、んで指先でしか触ってくれないの…?」
「お前の反応が可愛すぎるんだよっ…。」
チュッ…ヂュ
と音を立てながら僕の胸や首に吸い付いてくる。
ヘルメッポさんの唇が触れた場所は赤く染まる。
指先や舌先で、僕の敏感な所をつついてきて、
焦れったい。
「あっ…ぁあ゙ッんっふぅ゙っ♡」
焦れったいし、お腹の下辺りがくるしい…っ。
「うあ゙ぁっ…あっぁあっ…♡」
喘ぎ声で開いたままの僕の口に、ヘルメッポさんの口が近づいてきて、
キスをした。
ちゅ…じゅるっ、ぢゅっ…♡
「んっ、ふ…ぅんんっん…」
3日前まで…舌を少し触れさせるだけでも、まず、キスも物凄く恥ずかしくてダメだったのに。
僕の下半身の一部と、ヘルメッポさんの一部がくっ付いている。くちゅ、と音を立てながら撫でられている。ぬるぬるとして気持ちいい…。
「ヘッ、ヘルメッポさ、ん…っ僕、もうっ…!」
「ああ、一緒にな…。」
「な、なっ…」
2日後の早朝。ザワついた人混みの中で、その音に負けない大きな声で叫んだ一人の人物がいた。
コビー大佐だ。
そう、彼が大声を上げたのは、自分が隠し撮りされていた写真たちを見たからだ。
…しかも全てヘルメッポ少佐との。
「こっっ、??これは一体誰がこんなっ、?!?!」
(海兵2)「お呼びでしょうかァ─ッ!!大佐!!」
ま、まさかこんな問で自ら名乗り出てくるとは
思わなかった…
「え、この写真を貼ったのは貴方なんですか?!」
(海兵2)「はいっ!!間違いなく私です!!」
ど、どど、どうしてこの人は盗撮してこんなに
自信に満ち溢れた返事が出来るんだ…??!
だが、不幸中の幸いで、一昨日自分たちがした所は撮られていなかったらしい。
撮られていたのは、事故でキスをしてしまった所や、抱き合ったりしている場面で、撮られている場面は、まだ親友の頃のものだけだった。
「でも、一体どうして僕たちが付き合ったタイミングで貼られているんだ…?」
(海兵2)「それはですねェ!!ヘルメッポ少佐に聞いたからでございます!! お2人をお祝いしたくて!!」
「うわっ、 びっくりした…」
「じゃなくて、ヘルメッポさんが?! どうやってそんな事を聞けたんですか?! あの人そういうことベラベラ話さないし…。」
海兵2が、ニヤニヤと笑いながら、顎に手をやり、聞きたいか?と言いたげな表情で話す。
(海兵2)「それはですねェ…?ズバリ!!」
(海兵2)「酒です。」
「なんの捻りもないですね。」
遠くから、小さな足音が近づいてくる。
それを聞き、目を輝かせながらコビー大佐は言う。
「あっ、ヘルメッポさんだ!!」
ヘルメッポがコビーを見つけ、穏やかに笑う。
「ん、よう、コビー。この騒ぎを聞きつけて来たんだが、何か事件でも起こったのか?」
「いえ!特に僕たちには関係ありませんでしたよ!僕が対処しておきました!
さ、行きましょうヘルメッポさん!」
…
(海兵達)
終わり…。
コメント
2件
今更だけどめっちゃ好きです…_:( _ ́ཫ`):_