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• 星導ショウのセリフ → 「」
• 小柳ロウのセリフ → 【】
雨がしとしとと降る放課後、街灯に濡れた路地が静かに光っていた。ショウは傘もささずに、濡れた髪をかきあげながら、じっと立ち尽くしている。
「……誰も、俺のこと構ってくれないんだよ」
その声は、湿った空気の中で小さく震え、切なさが滲んでいた。
ロウは思わず駆け寄り、ショウの肩に手を置く。
【……ショウ、そんなこと言うなよ。俺がいるじゃん】
「……でも、ロウ、俺……不安で……」
言葉を濁すように、ショウは小さく震えた。
その弱々しい姿に、ロウの胸に熱い感情が押し寄せる。
【大丈夫だ。全部俺に預けろ】
ロウの低く落ち着いた声に、ショウは目を細め、小さく頷く。
「……ロウ、離れないで」
その言葉に、ロウは無意識にショウを抱きしめた。
手が背中を撫で、指先が触れ合うたび、互いの体温が伝わる。
空気は静かで、雨の音だけが二人を包み込んでいた。
⸻
日々が過ぎ、二人はほとんど毎日一緒に過ごすようになった。
学校の帰り道も、雨の日も、ロウはショウの不安に応える。
「ロウ……今日も、俺のそばにいてくれる?」
「……ショウ、俺がいないとダメなのか?」
そんなやり取りを繰り返すうち、ロウは自分でも気づかないうちに、ショウなしではいられなくなっていた。
【……もちろん、ずっと一緒にいる】
ロウの言葉に、ショウは安心したように肩を寄せる。
その瞬間、心と心が触れ合うような感覚が二人を包み込んだ。
⸻
ある夜、雨の降る公園で。
街灯の光が二人を淡く照らす。
「ロウ……俺、怖いんだよ……」
ショウは震える手を差し出し、ロウに触れようとする。
【……俺がいる。絶対に離さない】
ロウはその手をしっかり握り、ショウを抱き寄せた。
濡れた髪に指を通し、耳元で囁く。
「……俺、ショウに夢中なんだ」
ロウの低く落ち着いた声に、ショウは目を見開き、胸がドキドキするのを感じる。
「ロウ……俺、ロウだけ……好きで……」
震える声を漏らすショウの唇に、ロウはそっと頬を寄せる。
触れ合う距離は近く、互いの鼓動がはっきりと伝わる。
⸻
その夜から、二人の距離はさらに縮まった。
日常の些細な瞬間でも、ショウはロウを頼り、ロウはショウに心を奪われる。
「ロウ……今日も、俺のこと見てて」
「……もちろんだ」
互いに目を見つめ合い、手を握り、甘い沈黙を共有する。
夜空に雨の音だけが響く中、依存と愛情が混ざり合った二人だけの時間がゆっくりと流れていく。
ロウは、ショウの不安定さに翻弄されながらも、そのすべてを受け入れ、愛していた。
ショウもまた、ロウの優しさに身を委ね、心から安心していた。
【……俺、もう完全に堕ちてるな】
ロウは微笑み、ショウは静かに目を閉じ、二人の夜は甘く長く、静かに続いていった。