謎設定注意
「オレに何でも言え!!絶対に叶えてみせる!!」
キラキラと眩しかった彼なら、何でも叶えてくれる気がした。
それから僕は何度も彼にたくさんの夢を話した。
たくさんのして欲しいことを話した。
彼はいつでも、二つ返事でOKしてくれた。
嬉しくて、嬉しくて。
つい、調子に乗ってしまった。
「な、に、これ…、?」
そこには血塗れの彼がいた。
輝いていたあの姿は、真っ赤に染まっていた。
赤いものが広がり、膝から崩れ落ちていた僕の下へと届く。
「やっ…!!」
怖くて拒否する。
「調子乗りすぎだ、神代類。貴様は人間と関わるような奴ではない。」
そうだ、間違っていたんだ、僕は。
真っ赤な彼の姿から背を向けて、僕は立ち上がった。
そして歩き出す。
「さようなら。」
小さく呟いた。
そして大きな翼を広げる。
漆黒の翼は、夜に見ると一段と美しく見える。
「それでこそ貴方です。」
跪かれ、僕は見下ろす。
…ごめんなさい、僕のせいで。
そんな言葉すら言えず、僕は夜の街を羽ばたく。