勝手な愛

「いただきます。」

これは食事をする際に必要不可欠な言葉

その行為は食への有難みを再確認するためにでもあってとても大切で尊い行いなのよ

そう、必要不可欠なのよ

私にとってあの人も必要不可欠なのよ

あの人は私を愛していなかったわ

私は愛していたのに

誰よりも

何よりも

ずっと、ずっと愛していたのに

愛が重いから嫌になった？

私の愛は重くないわ

あなたを想う気持ちが大きかったの

あなたは愛の器が小さかったのね

私は愛していた

最低なあなたを愛していた

ド屑なあなたを愛していた

いつもたくさんの香水の匂いがするあなたを愛していた

あなたの、私を見る目は何の光も宿っていなかったけれど、それでも愛していた

それなのにあなたは私を裏切った

勝手に惚れて

勝手に想いを伝えて

勝手に幸せになって

勝手に冷めて

勝手に振って

勝手に離れていって

なんて勝手な人なの

それでも、そんな勝手なあなたでも私は愛したのよ

そう、愛していたのよ

あなたは私から逃れられたつもりかもしれないけれど

私は絶対に逃がさない

裏切り者

言ったでしょう

私のあなたを想う気持ちは大きいと

ねぇあなた

私の愛に溶かされて

後悔しながら最期を迎えて

後できっと出てしまうかもしれないわ

私初めてなの

その時はごめんなさいね

でもね

私はあなたを愛していた

私の中で、私と一緒に生きましょう

ねぇ、食事を終えた後に何て言うか知っている？

これも命や感謝を述べるための大切な言葉

大切で、とっても尊い行いなのよ

それじゃあ全て終えた事だし

ご馳走様でした。