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放課後。西日に照らされた帰り道を、🌸と🍍が並んで歩いていた。
🌸「🍍ちゃん、歩くの遅い」
🌸が横から覗き込む。
🍍「別に遅くないし。🌸が速いだけ」
🍍はふてっと言いながらも、🌸の歩幅に合わせてちょっとだけ早足になる。
🌸「ほら、やっぱり合わせてくれるじゃん」
🍍「……合わせてない」
🌸はくすっと笑って、🍍の頭をぽんぽんと撫でた。
🌸「前から思ってるんだけどさ、🍍ちゃんって顔に全部出るよね」
🍍「出てない」
🌸「出てるよ。今もちょっと照れてるし」
🍍「照れてない!」
返す声は強いのに、耳がわずかに赤い。
🌸はそれを見逃さず、にこにこと笑う。
🌸「じゃあ、ほら。いつものクレープ屋寄ってこ?」
🍍「……食べたいって言ってないし」
🌸「でも行くんでしょ?」
🍍「……まあ、行ってもいいけど」
本当は行きたいくせに素直じゃない🍍。
そして、それを昔から全部分かっている🌸。
クレープ屋の前につくと、🌸がメニューを見ながら言う。
🌸「🍍ちゃんはどうせチョコバナナでしょ」
🍍「なんで決めつけるの」
🌸「だっていつもそれじゃん」
🍍「……今日はストロベリーにしよ」
🌸は目を丸くしたあと、ふっと優しく笑った。
🌸「じゃあ俺はチョコバナナにする。🍍ちゃんがいつも食べてるやつ、気になるし」
🍍「……交換しようって意味?」
🌸「うん。一口ちょうだい」
🍍は少しだけ黙ってから、小さく頷く。
🍍「……いいよ」
二人で並んでクレープを受け取り、帰り道を歩きながらひょいと交換して、一口食べて笑い合う。
日常だけど、大事な時間。
幼馴染だからこその、くすぐったくて優しい距離。
おわり。笑