『』黎
「」優希
ちょいぐろだよ
「なぁ黎。今日俺ん家来ねぇ?」
急に話しかけてきたこいつは優希。俺の恋人でもある。
こいつは変な噂が絶たない。すぐ恋人を作ったり、性癖が歪んでるらしい。
でもそんなこいつを好きになった。面白いし、ね。
『んー』
「…来るの?来ないの?」
『…行く。』
「りょーかい!」
「ここが俺ん家」
こいつの家はごく一般の一軒家だった。
『ん。』
「さぁさ、入って」
『わかった。』
『お邪魔しま____。』
『!?』
なにこれっ…変な匂い。優希、掃除でも苦手なの。
「黎。飯作っけど…食うか?」
…こいつ、ご飯作れるのか。意外だ。
『…食べる』
「ん!了解!!作ってくるからな。」
さりげなく頭を撫でてくる。
……子供使いすんなっての。
『どーぞ!』
コト…っとカレーライスが乗っているお皿を差し出す。美味しそう。
『いただきます。』
「はーい♡俺もいただきます!」
モグ……。
あ、美味しい。野菜の切り方も俺好み。
でもなんか肉が……硬い、かも。でも美味しいからいいか。
『ご馳走様。』
「お、ありがとう。美味しかったか?」
『うん。凄くな。』
「よかった」
優希が微笑む。
『……ごめん。お腹痛くなったわ。トイレ行きたいんだが…どこ?』
「あぁ。真っ直ぐ行って右に曲がった所だよ。」
『ふぅ……。すっきりした』
トコトコ…と歩く。
“ぶわっ”
と匂いが広がる。
その匂いが俺があいつの家に入った時と同じ匂いだ。とても臭い。
とにかく臭い。
臭い…臭い臭い…臭い臭い臭い臭い。
…入ってみよう…かな。
ガチャ
“ぶわっ”
さっきの時より匂い酷い。生臭くて腐っているような…。
俺は目を前に向けた。向けた瞬間___。
『ッ……!?』
『お゛ぇぁ……。』
吐いてしまった。
そう行動したのは言えば納得するだろう。
だって俺の目の前には___
複数の死体があるのだから。
パッと見、死因は刺殺、絞殺、溺死…。
が多い。しかも全員男性。
あれ……?
全員体の一部がない…??
そう。右手がない人やまた左手がない人…。
なんで??…もしかしてそういう性癖?
……どういう事だ?
わからない、わからない、
わからないわからないわからないわからない!
“ガチャ”
『…!?』
コトコト……と歩く音がする。
「あーぁ。ばれちゃった。」
「だめじゃん。黎、こんなところ来ちゃ。」
『ゅ…。優希、』
「ねぇ。俺の他に共犯者居るんだ。誰だと思う?」
共犯者……?だれ。しらない。
「……わからない?教えてあげる。」
「それはね。」
「黎。お前だよ。」
『は、??』
急に何言ってんの?俺この人の殺人なんか手伝ってない。
「わからないって顔だね」
『ぁ、当たり前じゃんっ…』
「この死体達。体の一部、ないだろ?」
「……食事にしたんだよ。」
カニバリズム……てことか?
ってことは、あれ?
あれあれあれあれ???
俺も人間を食べたってこと…?
だから共犯者って、
「ふふ。気づいたみたいだね。そうだよ」
この人が言い切り、俺は思わず泣いた吐いた。
『お゛っ……かはッ…あ゛ぁ……ぐすっ』
泣いて泣いて泣いて泣いて。
吐いて吐いて吐いて吐いて。
「あー汚いなぁ。まぁそれも可愛いけど。」
『ごめん、なさぁッ!』
もう泣いて吐いて謝ることしか出来なかった。
その他にできることは無いから。
「…今更何言ってんの。」
微笑んでいた彼が急に真顔で言った
“ちゅっ”
『ん……!』
「……お前にある選択肢は2つしかないの」
……あれ。もうどうでもよくなった。
「俺に抵抗して死ぬか。俺と共犯者になるか。どっちがいい?」
『……2つ目』
共犯者になって、なって。
あいつの考えが変わればいい。
「…そうなんだ。じゃあこれからよろしくな?」
そういい、俺の頭を撫でる。
…そうじゃん。こいつは俺を愛してくれてる。
俺もこいつを愛さないと。
『優希。もう食べ終わるな』
「あぁ。」
俺が共犯者になるって言った日から優希は人を殺したりしなかった。俺が居るからか?
「俺、この肉を食べきったら自首するつもりなんだ。」
目の前にある人間を指さし、そう言う。
『え』
「黎は来なくていいから。俺だけで行くから」
『お、俺っ……やだよ。』
『だから、一緒に死のうよ。』
『静かな山奥で、さ?人にバレないように。』
「……そういうのもいいな。そうするか。」
『…!うん』
愛してるよ。優希。
愛してるから、愛してるからさ。
【〜〜山で1人の男性の死体が発見されました。】
コメント
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元々書いていた物がパーになったので嫌々になってしまい、適当にかきました。