テラーノベル
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二人は街から離れ、沢山の木々かうっそうと繁る林の中へと入って行く。
少しでもソ連から離れれば迷ってしまいそうだ。その雰囲気に日帝は気圧される。
「…大丈夫だ。道もちゃんとある。しかも一本道だ。迷ったりなんかしないよ」
どうやら無意識にソ連の腕を掴む手に力が入っていたようだ。
ソ連は軽く心配げに尻目で日帝の様子を確認する。
だが存外、そんな行動をしながらも日帝は澄まし顔だった。…少し頬が赤かったが。
そんな気丈な日帝に見守りつつ、ソ連は歩みをそのまま進める。
すると大きな邸が見えてきた。
日帝は、日本では十分に大きい己の屋敷より遥かに大きなその建物に呆気に取られる。
が、ソ連が足を止めないのでつまづきそうになりながらそれに近づく。
そしてソ連が鍵を取り出して門を開けた。
そても日帝では動かせそうにない門を、ソ連は軽々と開けて見せるものだから畏怖の目でみてしまうのは致し方がないだろう。
日帝はそのまま軽く怯えた状態で邸の敷地内へ引きずりこまれる。
そこには桃源郷かと錯覚できる幻想的風景の庭が広がっていた──のだが…日帝はソ連と戦うことになった時を想定し、恐怖に襲われていた為、それどころでは無かった。
そんな日帝に気付いてないソ連はこの庭が一番美しく彩られる春を思い、その時日帝と一緒に散歩をしないなどという小さな願望を抱いていた。
やっとのことで邸の玄関の扉へ辿り着いた。
ソ連は門の時とは違う鍵を鍵穴へ差し込み、日帝を中へ招き入れる。
そして戸締りを確認したソ連は日帝が震えている事に気がついた。
故に慌てて日帝に問う。
「どうした!?何があった!?あっもしかして林が怖かったのか…?いや、寒い!?日本とココじゃ気候がちがうからな…少し待ってろ。すぐに暖めるから!」
「いっいや、ち…ちが…」
綺麗に日帝が震えている理由を外すソ連。
直ぐに日帝が訂正に入ろうとするが帝国軍人としてのプライドが邪魔をする。
結果として日帝はソ連にお姫様抱っこでリビング迄運ばれるハメになった。
ソ連は椅子に掛けていた毛布を取り、それで日帝を簀巻きにする。
そして簀巻きにされ、姫抱き状態の日帝をそのままにしてソファに座る。
日帝は少し気まずげにソ連に語りかける。
「あのぉう…」
「ん?」
「これ…動きづらいんだが…」
少し困惑しながら上目遣いでソ連を見る日帝。
「嗚呼…ブランケットの掛け方が悪かったな…すまない。全体を暖めるにはこれが良いかと思ったんだ…」
その様子に心を射貫かれながらもソ連は日帝を簀巻き状態から解放する。
日帝を自信の膝に座らせて肩にブランケットを優しくかける。
「…広いな」
「ん?何がだ?」
「…家だよ。…こんなに広い家、日本には無いのでな…」
嗚呼、と合点の行くソ連。
「お前、ちっせえもんな」
思ったことをそのまま声に出してしまいソ連は勢い良く日帝の地雷を踏み抜いた。
「…は?」
声のトーンを日帝は落とし、地を這う様な声でソ連に問う。
ブチ切れ数秒前、と言ったところか。
「っ…あ、あとこっちは平地が多いんだ。だから幾ら大きい建物でもたてれる。地震も無いしな」
それに流石に気がつくソ連。慌てて外の理由を述べていく。
「んむ…そ、そうか…」
それに対し、まともな理由だった為、日帝は口を紡ぐ。
「…」
己の膝に乗る日帝を見つめ、ソ連は欲を膨らます。
日帝は、ソ連から見るとちょうど抱き付きやすい小ささなのだ。
「うっ…嫌な予感が…」
ソ連からの視線を感じビクつく日帝。
「…おら!」
「ふぎゃぁあ!!」
ぎゅっと日帝にまるで人形の様に抱き付く。
しっかり足も絡めフォールド完了。
そして驚いた日帝はまるで猫が嫌がる時に出す鳴き声の様な悲鳴をあげる。
「ちょ!ちょちょちょ…ソ連!!!」
「ん~?」
「『ん~?』じゃ!ない!!離れろ!!」
「やーだー…」
「やだじゃ…力強めんな!!」
それでもソ連は力を緩めない。
その為日帝は諦めたのか、大人しくなる。
それを良いことにソ連が日帝の頬にすり寄る。
「うう…」
呻き声を上げ日帝は嫌がった。
暫く日帝を堪能したあと、ソ連は日帝に問う。
「もう昼だし、ご飯にするか?」
その言葉に日帝は希望を見出だし直ぐ様食い付いた。
「ボルシチを用意しよう。取りに行くから待っててくれ」
そう言って日帝を解放し、台所へ行く。
「うむ…!」
解放感とボルシチを楽しみに日帝は足をばたつかせた。
「お待たせ」
「おぉ…」
机に並べられる品々を見て日帝は嬉しそうに目を輝かせる。
「有難う。ソ連」
目を少し細め、儚げな雰囲気を纏いながら日帝は感謝を述べた。
それに対しソ連は驚きに口をほんの少し開いた。
数秒した後、瞬きを数回し、破顔して、
「…どういたしまして」と返した。
日帝は両手を合わる。
「頂きます」
その様子をみたソ連は不思議そうな顔をしたが、そういう文化なのかと即座に理解し食事を始めた。
幸せそうに口の中へ食べ物を詰め込む日帝。
もはや猫ではなく栗鼠のようである。
「…お前、何で口に溜めんの?」
「ん~…自分でも分からん…多分、食べれるときに食べとかないとって思っているからかと」
「なるほどー」
分からないと言われた瞬間から興味を失ったのか、棒読みで返事をする。
少しその態度を不服に思いながら日帝はソ連の食事の様子を眺めていた。
「君は食べ方が綺麗だな。英国さん並みだ」
ソ連が動きを止める。
時間が止まったかのように一切動かない。
「…んー。まぁ…な」
「ふーん。嫌な話だったか?」
「…」
すぅ…と日帝は息をほんのり吸い込む。
「やっぱ寒いところで食べるとこれ美味しいな。あったかい」
「ふふ、そうかい」
日帝はそれとなく話をそらした。それを察してソ連はその流れに乗っかる。
そこからは日帝が話し、ソ連が相槌を打つ。二人はそんな風に談笑しながら昼を過ごした。
穏やかな昼。
ボルシチの味もまた、穏やかなな優しい味わいがした。
めっっっちゃ更新出来てませんでしたね…💦💦どうも。カシーチで御座います。お久しぶりで御座いまして…
小説書くのって本当に難しいですね…結末はもう既に決めているのにその流れに持っていって、それでいて満足感等を感じれるようにするなんて、本当に難しい…
世の中の文字を綴る方々全ての御方に尊敬します…
さて、ここまで読んで下さり有難う御座います!!最後の方の不穏ながらも穏やかな、そんな雰囲気が大好きでして、伝わっていたら嬉しいなぁって感じです。「不穏ながらも穏やか」って矛盾してるようですが矛盾しておらず、しかし繊細な表現をしなければ伝わらないから、本当に難しいですね…
長々とすみません。本当に本当に有難う御座います!!では、また!!
コメント
3件
カシーチさん、第5話読み終えたよ〜!🌸✨ もうね、あの「不穏ながらも穏やか」な空気感がめっちゃ伝わってきた😭💕 日帝が震えてる理由を全部外して姫抱っこに突入するところ、ソ連の空回りっぷりが愛おしすぎる…! 簀巻きからの膝のせブランケット、そして「やーだー」の駄々こね…もう尊すぎて鼻血出るかと思ったわ🤯💦 ボルシチのシーンでの微妙な間合いとか、日帝が話題そらすところとか、リアルな距離感が描けててすごいなって思った! 続きが気になりすぎて今夜眠れそうにないよ…! 更新お疲れさま、カシーチさん!無理せずゆっくりでいいから、また素敵な話見せてね⋆♡
るこ🌱𖤐🌻
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#通報されませんようにッ.....
氷下魚(前縷琉桔)
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