テラーノベル
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あの出来事から数週間、移動教室が始まった。
移動はバスを使うため、席決めをくじ引きで行ったところ、崎野と隣の席になって流石に驚いた。そして同時に、嬉しくもあった。
認めるのは恥ずかしさもあるが、恐らく僕は、
崎野に恋をしている。
バス席は、1番後ろの席で当たりだった。
バスの中は狭いが、通路を挟んだ隣側に人がいないのも良かった。
崎野は読書、僕は窓の外の景色を楽しんでいた。クラスメイトの視線もあり、会話はほとんど交わしていないが、不思議と気まずさのようなものは無かった。
早朝からの長い移動を終え、僕らは東京にたどり着いた。ずっと同じ姿勢だったからか、屈伸すると、あちこちから骨の折れるような音がして焦った。
移動教室は2日間行われ、1日目は東京、2日目は横浜だそうだ。ひとりで回っても、グループで行動しても良いらしく、簡潔に言うと、 なんでもあり、ということらしい。
クラスメイトがぞろぞろ降り、皆それぞれ仲の良い友達とグループを作っているのを見る。友人はいるが、元々人付き合いを好んでいなかった僕と、積極的に行動したいなんて変わり者は居ないのだろう。誰も僕に見向きもしなかった。
ただ、観光はひとりでする予定だったため、地図アプリを開いて駅を探す。
ふと、崎野が一人でつまらなさそうに空を見上げている様子が目に入った。
___崎野も、誰とも組まないのか。
どうせなら、好きな子と楽しみたい。
僕は、少しの勇気を振り絞って、崎野に声を掛けることにした。
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