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#日本三國
否🅣@友募中
二日酔いの晴明と佐野
学園の休み時間。いつも通り、晴明は教卓に突っ伏して「ううう……」と力ない唸り声を上げていた。「おい、死んでるのか。死んでるなら片付けるからどけ」
聞き慣れた冷ややかな声とともに、隣のクラスの佐野命が教室に入ってくる。その手には、学園の購買で買ったであろう炭酸飲料が握られていた。
「あ、佐野くん……。死んでるんじゃなくて、ちょっと魂が口からログアウトしかけてるだけだよ……」
「それを世間では死にかけてると言うんだ。……また酒か?」
晴明はのろのろと顔を上げると、真っ青な顔で頷いた。
昨夜、学園長や他の教師陣に捕まって、断りきれずに朝方まで飲み明かしてしまったらしい。
「だって、断ったら学園長が『晴明くん、僕の酒が飲めないのかい?』って泣いてくるんだもん……」
「お前のその、押しに弱いところは一生治らないんだろうな」
佐野は盛大なため息をつくと、持っていた炭酸飲料を晴明の机にドン!と置いた。
「ほら、飲め。糖分と水分だ。少しはマシになるだろ」
「……えっ、これ僕に? 佐野くん、実はすっごく優しい……?」
「勘違いするな。お前に倒れられて、放課後の補習を俺一人に押し付けられたら迷惑なだけだ」
佐野はフイッと視線を逸らすが、その耳が少しだけ赤い。晴明は「へへへ」と力なく笑いながら、キャップを開けて一口飲んだ。シュワッとした刺激が、淀んだ体に染み渡っていく。
「……ふぅ。生き返る……。ありがとう、佐野くん」
「礼ならさっさと体調を戻して言え。あと、その情けない顔をどうにかしろ。見てるこっちのテンションが下がる」
口では容赦なく切り捨てながらも、佐野は晴明の机の端に置かれていた、乱雑に散らばったプリントを無言で整え始めた。
「佐野くんって、なんだかんだ言って僕のお母さんみたいだね」
「……殺すぞ、泥酔ヘタレ野郎」
「ひっ! ごめん、今のなし!」
いつもの罵倒が飛び交う教室。
晴明は、佐野の毒舌を聞きながら「ああ、今日もいつも通りだな」と、少しだけ安心したように笑うのだった。
ーーーー完ーーー
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