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*****(ルカス視点)
朝目を覚ますとそこに主様の姿はなかった
手に持たれた主様が身につけていた金の指輪
主様はもうこの屋敷にいない
元の世界に帰ってしまったのだ
「主様…行っちゃったんですね…」
隣でラムリくんがそう呟いた
あまり見ないラムリくんの暗い表情
一番懐いていたから主様が帰ってしまったショックも相当のものだろう
「ルカスさん これ…」
そう言いながらベリアンは1枚の紙と16通の手紙が入った封筒を持ってきた
「これは…主様の字だね」
[勝手に帰ってごめんね]と書かれたものとそれぞれに私達の名前が書かれた封筒
それぞれ自分用のものを取り読み始めた
行を余すことなく書かれた手紙読んでいくうちに涙腺が緩んでいった
色んな方向から嗚咽が聞こえてくる
手紙を読み終え顔を洗いに行くあんな風に涙を流したのはいつぶりだろうか
顔を洗いながら主様のことを思い出す
(主様 風邪等引かないといいのですが…)
顔を拭きベリアン達の元へ戻る皆涙で顔がぐしゃぐしゃだった
「読み終わった人達は顔を洗ってくるといいよ」
そういうとハウレスくんとボスキくんは立ち上がり部屋を出ていった
(あの二人が泣くなんて…本当に主様はみんなから愛されていたんだね)
主様がいなくなってから屋敷内は暗かった
毎日誰かしら主様の部屋に入っていた
ちゃんとしたお別れが出来なかったのが1番悲しかったとほかの執事は話していたそれでも段々と元の明るい彼等に戻ってきている
最初は本当にショックで笑い声などは一切聞こえなかった
それでも少しずつ立ち直ることが出来たのだ立ち直ることは出来たが、未だ主様の部屋を片付けられないでいる
執事達が片付けることを拒否しているから
少しでも主様との思い出を残していたいと言っていた
「まぁ、私も一緒だけどね♪」
主様が帰ってしまったことに関して私はフィンレイ様を恨んでいる
私だけでは無いかもしれない
(許されることなら今すぐフィンレイ様を…おっと、行けませんね)