テラーノベル
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初めて出逢ったの不思議な花園だった。夢想花が咲き乱れ、彼は倒れ、花はそれを優しく受け止めていた。
正確には《視た》だけなのだが。
女子の様な見た目の彼は血まみれで、驚いたが、傷は一つも見つからない。
剣を持つ手は震え、興奮した瞳も抑えきれない程に衝動に駆られ、苦しんでいる様に見えた。
そんな状況の彼とはこの花園は不釣り合いだが、それでも花園は優しく包み込んでいた。
息が絶えそうになりながらも、彼は口を開く。
強く、険しい表情とは違い、小さく、柔らかい声だった。
「まだ…還らないよ」
(何処に……?)
「絶対に忘れる訳にはいかないんだよ」
(忘れる…?どうして?)
「こんな僕を招待してくれてありがとうね。でも…」
(招待?此処は招待されないと来れない処だったの?)
「行かなきゃ」そう言葉を残し、彼は剣を握る手を再び力を込めて花園から消え去った。
アレは何時の時だったのだろうか?過去か未来が現在か。
一つ願ったのはーーーーー「いつか又彼に出逢えるのならば彼の傍で、彼を支えたい」ーーーーー
「mtk…」
「ん…にゃ…あれ?」
「こんな所で寝てたら風邪ひいちゃうよ」
「……ryoちゃん」
辺りを見回せば辺り一面の花が、まるで、先程見た幼少期の頃の夢のように。
俺が座っている処は丁度丸く植えられている芝生の上で、傍から見れば花の中に座っている様に見える。
「mtkー?寝ぼけてる?」
「そうかも」
「これから会議なんでしょ?起こしに来たんだから」
「ありがとryoちゃん」
ーーーーー其れは花園が見せた夢か。自分が見た夢か。
天国でも地獄でも現実でもないその世界こそが、輪廻の中にあり、安らぎの時を過ごす。
其処は誰しもが行けるとは限らないけれど、ひとつだけ言えることは
「ねぇryoちゃん。秘密の花園って、知ってる?」
お久しぶりです。
今回は聖飢魔IIというバンドの「秘密の花園」という曲を題材にして書かせて頂きました。
本家の歌詞を見て頂けるとこの話がわかるかなと思います。
とっても良い曲なので是非聴いてください!
コメント
1件
この曲書いてくれてありがとうー! この解釈めっちゃ好きだわ