コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「イケメンって、誰の話?」
座っている俺は、DDの顔を見上げていたために、DDは必然的に上から見下ろすかのような形で俺の瞳を見つめていた。
俺は照れ隠しに、顔を上から自分の足元へと移した。
「ユーフォのできおこさんのこと。」
ポツリと呟いたうみにゃの声が、広い廊下に響いた。
「・・うみにゃって、できおこさんみたいな人がタイプなんだ〜?」
「えっと、別にそういう訳じゃなくて・・」
クスクスと嘲笑するかのように笑っているDDの誤解を解こうと、俺は精一杯身振り手振りで否定していた。
「じゃぁ、どんな人がタイプなの?」
そう言って俺の顔を掴むと、無理矢理に上を向かせて、DDは俺と目が合うようにした。
DDの目をしばらくの間見つめていると、たちまち 太陽のような明るい笑顔をして言った。
「まぁ、また今度でいいから教えてよ」
「・・うん。」
窓を締切っている廊下に、ギラギラと輝く日差しが差し込んで、床には二人の影があった。
「じゃぁ、お互い頑張ろうな。」
そう言って、DDは右手をグーを作ると少し微笑して、うみにゃの目の前に拳を差し出した。
「うん、!」
うみにゃもニッコリと微笑しながら、自分の拳を差し出して、軽くグータッチをすると、DDは鼻歌混じりで、来た道を引き返していった。
*
ただ黙々と一人で楽器と向き合っていたその時、何度も聞いたことのあるチャイムの音が学校全体に響いていた。
近くの教室の時計を覗いてみると、時間は午後12時頃を示していて、丁度お昼時の時間帯だった。
「そんなに時間経ってたっけ・・・」
溜息混じりの呟きに、誰かが返事をした。
「基礎練習だなんて、集中してたらすぐ時間溶けちゃうよね〜」
誰もいないだろうと思っていての発言だった為、俺は慌てて後ろを振り返ると、そこにはキラキラとお星様のような金色に輝いているテナーサックスを首から下げているとーます君がいた。
「練習お疲れ様。今からKUNさんとか転生とかでお昼食べるんだけど、良ければうみにゃもどう?」
「・・・うーん、あ、!それってDDも来る?」
俺の発言に、とーます君は待ってましたと言わんばかりのスピードで答えた。
「DDはうみにゃが行くなら来るって言ってたよ。」
「それなら行かせてもらいます・・ !」
そう言う俺に、とーます君はクスクスと肩を竦めながら
「はーい、いつもの所で待ってるからね〜」 と言うと、どこかに向かっていった。
*
to be contents .