テラーノベル
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🫖🌸 / WB腐 / 平和
同棲済 ▸︎▹︎▸︎▹︎ 大学生の🫖 × 社会人の🌸
おねむで素直でただただ可愛い🌸とそれに振り回される🫖
⚠注意⚠
最初ちょっと暗いです🌃
中だるみが少し酷いです。
🫖←←←モブ女 があります。
なんでも許せる人向け🙆🏻♀️
追記 : 没レベルに酷い
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〖 ごめん、 急遽 飲み会に行かないといけなくなったから遅くなるね。 夕飯は作らなくて大丈夫だよ。 〗
その連絡に気づいたのは、もう2人分の夕飯を作り終わった時だった。 今日は焦がすことも、味をつけすぎてしまうこともなく、上手くできた思っていたのに、全部無駄になってしまったようだ。
〖 わかった 飲みすぎないようにな 〗
未だにチャットには慣れておらず、タイピングはかなり遅いし、漢字変換もたまにミスをしてしまうが、蘇枋の特訓のおかげか、高校生の時に比べるとそれなりにはなっている。
桜の返信に対して、黒白の猫が了解と言っているスタンプが送られてきた。 このスタンプは前、蘇枋が桜に似ていると言って買ってからよく好んで使っているものだ。
そんな背景を思い出したことにより、顔に熱が集まるのを感じ、急いでスマホを閉じた。
蘇枋が遅くなると考えると途端に部屋が無駄に広く感じ、寂しさを覚える。
この寂しさが嫌いで、なるべく蘇枋と帰る時間を合わせたり、蘇枋に先に帰ってもらったりしていたが、最近はずっと蘇枋の方が遅い。
どうも最近入ったサークルの先輩に気に入られてしまったらしく、隙あらば飲みやイベント事に強制参加させられると愚痴をこぼしていた。 最初は軽く受け流していたが、桜が蘇枋の立場を心配し、少しずつ受けるように促したり、相手が先輩命令として断れないように仕向けたりなどが重なり、最近は断れない事が続いている。
蘇枋は恋人がいて、同棲もしていることをはっきり明かしているが、それは全く効果がないようで。 むしろ恋人がいることを明かしたと聞いた日ぐらいから、蘇枋が知らない香りを纏っていることが多くなった。 絶対に蘇枋が好んでつけない派手な匂い。
おそらく恋人へ対する当てつけのつもりなのだろう。蘇枋に相応しいのは自分だ。早く蘇枋と別れろ。 そのような思いが浮き出て見える。
蘇枋のことは信用しているし、浮気をするようなやつとも思っていないため、不安になることは無いが、やはり気分のいいものではない。
今日も酒の匂いに混じるように香水の匂いがするのだろうか。 そう考えると途端に胸がギュッと掴まれたように痛くなる。
さみしい。 あいたい。 そんな気持ちが溢れそうになるが、何とか唇をかみしめて耐える。
すっかり冷めてしまった料理を二枚の皿へ取り分け一枚はそのまま、もう一枚はラップをかけて机へ置く。 今の季節柄、常温で置いておいても腐るようなことは無いだろう。
寂しさのおかげか食欲も失せていたため、ご飯をよそぐことはせず、作ったものだけ手をつける。 先程蘇枋の連絡に気づく前にみた味はそれなりに美味しくできていたと思っていたのに、 今はなんだか味気ない。
一人での冷たいご飯なんて日常茶飯事だったはずなのに、この町に来てから、蘇枋と同棲してから、温かいご飯の美味しさ、人と食べるご飯の美味しさに気づかされてしまったため、今の状況ではいくら美味しくできても、素直に美味しいと感じることが出来ないのだろう。
随分と贅沢になったもんだ。 と自分自身を鼻で笑い、残りをかきこむ。味気のないものを時間をかけて食べていたら途中で嫌になってしまうから。
後片付けやお風呂などを終わらせ、時計を確認すると時刻は二十一時を指していた。 飲み会は一回参加してしまうと一次、二次ともつれ込んでしまうことがほとんどのため、最速でも帰ってくるのは日を跨ぐか跨がないかの瀬戸際あたりだろう。
お腹は膨れたはずなのに、どこか足りなくて。 それを紛らわすようにテレビを付けてみるが、元々朝のニュースを垂れ流しする程度にしか付けないため、気になるものなんてない。 適当にチャンネルを切りかえ、バラエティにしてみるもあまり面白いと思えないし、逆に笑い声が鬱陶しく思える。
テレビはダメだな。 そう思い付けたばかりのテレビを消す。
なにか他に気を紛らわせるものはないか、と部屋をぐるりと見回すと、ふと蘇枋の椅子にかかっている蘇枋の部屋着に目が止まった。 それは今朝蘇枋が少し濡れてしまったからと言って乾かす目的で広げて置いてあるもの。
それが目に入った瞬間、 何故か魅力的に見えて、目が離せなくて……
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「 え ~ 蘇枋くん 、 彼女いるの ~ …… 」
でも、 その方が逆に萌えるかも …… ♡
安易なことをした。この女の闘争心を舐めていた。瞳の奥に燃え盛る熱は、そう簡単に消えそうにない。
無理やり距離を縮めてきたり、腕を取ろうとしてきたり。蘇枋のことを好んでいるのに、何故蘇枋の嫌う事をするのか。 結局のところ”蘇枋自身”が好きなのではなく、”蘇枋の彼女である自分”が好きなだけなのだろう。
苛立ちを少しも隠そうとしない やや大きめな足音が薄暗い道に響く。 時刻は23時前。比較的に早く切り上げられた方だと思う。まぁ切り上げるというよりは、逃げてきたという方が正しいが。
桜に遅くなると連絡してから早数時間。 無理やり飲ませようとしてくる先輩たちをのらりくらりと躱し、逆に飲ませて潰すというただの作業を延々と続けていた。
そうは言ってもさすがの蘇枋とて飲まないということはできない。 いつもなら余裕が残る程度で周りを潰せるが、それを知ってなのか、はたまた偶然なのか、今日は突っかかってくる人数が多く少し余裕がなくなるほどになってしまった。
顔に出すことはなかったが、耳だけは正直だったようで少し赤みを帯びていたらしい。
「 蘇枋くん耳真っ赤になっちゃってるよ ~ 、 かわいい ~ ♡ 」
自分本位な欲望しか含まれていない。
穢らわしい。 そう思った時には乾いた音を鳴らしながらその手を弾いていた。
半分以上の人間が潰れている空気の中、その音はよく響いたようで皆の視線がこちらに向く。 手を伸ばしてきた女は弾かれるとは思っていなかったのか、少し目に涙を浮かべている。
めんどくさい。 なんかもうどうでもいいや。
「 すみませんが、酔いがまわりすぎてしまったようです ここら辺でオレはあがらせてもらいますね 」
荷物から財布を取りだし、参加費と迷惑料として数枚多めに札を取り出す。待って なんて声が聞こえた気がしたが、 その声に反応してあげられるほどの余裕を今の蘇枋は持ち合わせていなかった。
「 ただいま 」
その声に反応して玄関に来てくれる愛猫はもう寝息を立てていることだろう。 そう思いなるべく静かに入ったが、リビングの電気が煌々とついている。
まさか起きて待っていてくれた……?
申し訳なさと愛らしさが込み上げてきて、胸がきゅっと締め付けられる。急いで靴を脱ぎバタバタと廊下を小走りし、リビングの扉を勢いよく開ける。
だが、そこに桜の姿はなかった。
もしかしてただの消し忘れ……?桜くんにしては珍しい……
部屋をぐるりと見渡すと、ソファから白黒の二本の髪の毛がぴょこりとはみ出しているのが見えた。
まさかソファで寝落ちしてしまったのか。 そう思いソファの正面にまわった。まわってしまった。
そこには確かに愛猫……もとい桜がいた。 それ自体は問題ではない。 それ自体には。
「 …… ご褒美 、 ?? 」
珍しく処理落ちをした蘇枋はそれしか口にすることが出来なかった。
蘇枋が桜に対してご褒美と言ったわけは桜の格好にある。 桜はいつも部屋着にTシャツを着ているが、それは脱いでソファにかけ、代わりのように蘇枋の部屋着であるチャイナ服を着用していた。 桜に対して蘇枋の服は少し大きかったのか萌え袖になっているし、ワンピースのようになった下からは白くすらりとした生足が綺麗に映えていた。 しかもボタンを止めるのがめんどくさかったのかできなかったのか、胸元は完全に開ききっていて、見えてはいけないものが完全に見えている。
これはもしや据え膳と言うやつ……? とただでさえ働いていない頭を使って考えていると、 下でもぞりと桜が動く音がした。
「 ん 、 ん゛ぅ…… 、 すぉ …… ? 」
ぶっ飛んでいた脳みそが即座に帰ってきた。 下に目をやれば、 少しだけまぶたを開き蘇枋を見上げる桜がいた。
「 ただいま桜くん、 遅くなってごめんね 」
桜の目の前に屈み両手を広げると、睡魔のせいか大人しく擦り寄ってきて、首に顔を埋めてすんすんと鼻を鳴らしている。
かわいい。 今までの鬱憤が全て消え去りそう。
そんなことを思っていたら、腕の中ならぐいぐいと抵抗する力を感じた。 力強すぎたかな?
「 さくらくん? くるしかっ …… 」
「 くさい 」
「 え っ、 ? 」
「 おまえ、 くさい 」
くさい。 まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。 確かに酒の場は暑かったが汗をかいた覚えは無い。 途中嘔吐する人もいたがその人には近づいていないし…… まさか今日は飲みすぎたから酒臭いとか?
まさか桜に臭いと言われるとは思ってもいなかったため普通に凹んだ。 ごめんね、と力を緩め離れようとしたが、何故か桜はそれを許さなかった。逆に離してたまるものかと言わんばかりにくっついてくる。
「 さくらくん? 」
「 おまえのにおいじゃない…… ちげぇやつのにおいする …… オレのなのに 、 オレのすおなのに …… 」
嫉妬心。独占欲。 今まで桜が それを理解した瞬間、蘇枋の心臓はドクッと大きな音をたて、全身へ大量の血液を送り始めた。
愛おしすぎるこの生物をどうしてしまうべきか。 とりあえず今まで宙をさまよっていた腕を桜の背中へ回し強く抱き締めてしまおうと思ったが、それは叶わず無慈悲にもガバッと突き放されてしまった。
「 さ、 さくらくん …… ? 」
「 はやくそのにおい おとしてこい、 じゃなきゃやだ 」
「 …… はい 」
好物を目の前に飼い主に待てと言われた犬の気持ちがよくわかった気がする。
無視してそのままぎゅうぎゅうと懐へ丸め込んでしまうことは簡単だ。 だが、あまり嫉妬心を煽るのは宜しくない。 大人しくシャワーに行き、ついでにゆっくり頭を冷やしてこよう。 まずは自室に替えの服を取りに行かなければ。 そう思い立ち上がろうとした瞬間、控えめに裾を引かれる。
「 …… はやくもどってこいよ 、 ? 」
前言撤回。 すぐあがってこよう。
自室にて耳につけている飾りを丁寧に取り、専用のケースへとしまう。替えの服は適当に見繕い脱衣所へと急ぐ。 今着ている服と眼帯は洗濯機へ放り投げる。 ボタン一つで動き出す洗濯機を確認して浴室へ足を踏み入れる。 シャワーが暖かくなるのを待つ時間すらも惜しいため水のまま頭から被る。 そして全身をガサガサと洗い、 臭いが取れていることを確認し、 即座にあがる。
髪なんかを乾かしていたら桜が寝てしまう。 そのためドライヤーを手に取ることせず、代わりに小さめのタオルで水気を摂る程度にガシガシと拭く。 服を着てバタバタとリビングへ向かうと桜は身体は起こしているものの、うつらうつらと頭を重たそうに上下させている。
「 ただいま桜くん 」
そう声をかけると、 ゆっくりとまぶたが開かれた。 開かれたことによって現れた目で蘇枋の存在を確認した瞬間、 最近見せてくれるようになった柔らかい笑顔でおかえりと手を広げられる。
その姿にまた心臓を掴まれる。 全くいつまでも勝てる気がしないな。 そうは言っても満更でもないためゆるりと口角が上がる。 そのまま招かれるままに懐に入り込むと、まるでコワレモノを扱うかのごとく柔らかく包み込まれた。 さっきと同じように首筋に顔を埋め、すんすんと鼻を鳴らしているが、さっきみたいに訝しむ感じではなく満足そうな感じだった。
「 っ つ 、 …… 」
ちぅ、と可愛らしい音と共にちりっとした痛みが首筋に走る。 蘇枋の首筋に一つ小さく淡い花が咲く。
「 ん ー …… へへっ オレの …… 」
そのままこてりと蘇枋の身体に全体重を預ける。 桜は基本的に22時ぐらいには寝てしまう健康児のため、 かなりギリギリの状態で起きていたのだろう。
「 嘘でしょ 、 …… ここで寝るとかあり …… !? 」
いつもなら可愛くて仕方がない桜が今は憎くて仕方がない。 好き勝手にやっておきながら、 大切なところはお預けか。 そんなことが許されていいのか。
だが、 桜の気持ちよさそうな寝顔を見ていると起こしてしまうのも忍びない。 まぁいい、 明日は久しぶりの一緒の休みの日。 デートにでも行こうかとも考えたがそんなものはやめだ。 朝からどろどろに溶かして己がどれだけ桜に執着しているのか。 嫉妬なんてするまでもないぐらいに、 しつこいと言われるほどに伝えてやる。
「 悪いのは桜くんだからね 」
ちゅ゛ と桜の首筋に吸い付く。 桜みたいに可愛いものではない。 蘇枋の執着心や独占欲をありありと具現化したようなもの。
「 おやすみ、 桜くん 」
あと数時間ほどしかない安らぎを楽しんでね。
──────────────────
不服。
ありがとうございました🙏
(2025/08/18 23:54:18)
約6000字
コメント
2件
これはすおさくにハマり気味言う事でよろしいでしょうか!?!!??? 甘い!!あざとい!!癒し!!の3種合わせは流石にブクマ行きです 🤜🏻💗 ↪︎ 今日も夜更かししてて良かった ‼️‼️‼️(