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ある日の楽屋。
「……で、なんでこれやることになったの」
テーブルの上に置かれた割り箸を見て、吉田仁人がため息をつく。
「盛り上がるからでしょ」
にやにやしながら答えるのは舜太。
「王様ゲームとか久しぶりじゃない?」
柔太郎も楽しそうに笑う。
「絶対ろくなことにならないやつやん」
大智が冷静にツッコむ。
「いいじゃん、やろうよ」
そして一番ノリノリなのが——
「ね、仁人」
勇斗だ。
「……嫌な予感しかしない」
「じゃあ引くよー」
舜太が割り箸を広げる。
「王様だーれだ」
全員が一斉に引く。
「……あ」
にやっと笑ったのは柔太郎。
「俺、王様」
「うわ、絶対面倒なやつ」
仁人がぼそっと言う。
「じゃあ命令ね〜」
柔太郎は少し考えてから、楽しそうに言った。
「2番と5番が、10秒見つめ合う」
「え、平和」
「いや普通に恥ずい」
番号を確認する。
「2番」
佐野が手を挙げる。
「……5番」
少し間があって、仁人。
「……は?」
「おお〜〜!」
一斉に沸く周り。
「できてるじゃんもう」
「いやまだ始まってないから」
「はい、スタート〜」
舜太が勝手に仕切った。
「ちょっと待って」
仁人が顔を背ける。
「無理」
「無理じゃない」
佐野がすぐ返す。
「ほら」
「近いって」
「見つめ合うんでしょ?」
「わかってるけど」
渋々、顔を上げる仁人。
視線がぶつかる。
「……」
「……」
最初の数秒は普通。
でも。
「……近くない?」
「見やすい距離」
「いや絶対違う」
じりっと佐野が距離を詰める。
「ちょっ」
203
「ちゃんと見て」
「見てるって」
「逸らしてる」
「逸らしてない」
「逸らしてる」
「うるさい」
周りは完全に観客モード。
「あと5秒〜」
「長い」
仁人の顔がどんどん赤くなる。
「顔赤いよ」
「うるさい」
「照れてる?」
「照れてない」
「ほんとに?」
「……っ」
「はい終了〜!」
「はいアウト」
「え、何が?」
「仁人が照れたからアウト」
「そんなルールない!」
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹