テラーノベル
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「主様大丈夫だぞ〜。この💮様が付いてるからな。」
天使に怯えてる主様を安心させる為、何時ものふざけた調子で主様に声を掛ける。
が、数も多いし助けがいつ来るかも分からない状態だ。主様をあっちの世界に帰した方がいいだろう。
「主様、危険だからあっちの世界に…」
そう言いながら主様の方を見ると天使の光に包まれてる主様が目に入った。
『ハナマ…ッ』
俺の名前を呼びながら此方に手を伸ばし助けを求める主様。無意識の内に手を伸ばし掴んだと思った瞬間に…__。
そこで目が覚めた。無駄にリアルな夢にどんな方法だとしても何時かはお別れする未来が来る事を改めて感じさせられる。居ても経っても居られなくなり本邸の主様の部屋まで走った。
息を整えることもノックをすることも忘れ、ただ主様を感じたい一心で部屋の扉を開ける。
『ん?💮?』
どうしたのと首を傾げ此方を見てくる。先程のは夢だと分かっていても良かったと安堵の息を漏らす。
「主様…。」
『どうしたの?』
心配そうに見つめられついに主を抱き締めた。執事として許させない行動という事は重々承知の上だ。他の執事に見つかったら大変だななんて頭の片隅で考えながら、腕の中で不安そうにしてる主様に申し訳なくなった。
「…すまねぇな、主様。」
ううんと頭を横に振る主様はきっと優しい笑みを浮かべているのだろう。
「ちっと悪夢を見ちまってな…。」
でももう大丈夫だ。悪夢の事なんてもう忘れちまった。さすが主様だなぁ〜。
なんて何時もの調子で言葉を紡ぐ前に主様が抱き返す力を強めてきた。そんな主様に何も言えずに此方も抱き締める力を強めた。
『…どんな夢?』
『あっ、言いたくなかったら言わなくても_』
「主様が…」
主様が天使に消されてしまった夢とでも言おうとしたのか?そんなの言ったら主様を不安にさせるに違いない。
「…俺が主様を守れなかった夢。」
その後は沈黙が続いた。主様が顔を埋めてる胸元が微かに冷たく、肩が小刻みに震えている。静かに主の頭を撫でた。
〇〇あんたは俺が命に代えてでも守り抜いてみせる。
改めて胸の中で誓った言葉を口に出来なかったのは俺がまだ弱いからだろうか。
それとも__
𝑒𝑛𝑑
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