テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ネオンが毒々しく光るVIPルーム。重低音が床を揺らす中、ナムギュは完璧な無表情を保ちながら、高級なシャンパンのコルクを抜いた。
「アニキ、ご注文のアルマンドです」
「よっ! 待ってました!さすが俺のナムス、気が効くじゃねーか」
ソファの中央で派手な毛皮を羽織ったサノスが、バカでかい声で笑いながらナムギュの肩を叩く。うぜえ。馴れ馴れしくすんな。
「……ナムギュです。アニキ、もう三回目ですよ、今日」
「固いこと言うなって! ナムスの方が語呂がいーんだよ。ほら、お前も一杯飲めよ。俺が許可してやる!」
サノスは並々と注がれたグラスを、強引にナムギュの口元へ押しやる。いや、お前に許可されても。お前は何様なんだよ。それすげー高級なやつだぞ。上にバレたら怒られるし。
この頃、サノスは有名ラッパーとしての知恵と名声と権力と財力を飽かし、このクラブでやりたい放題だった。特に、冷徹で仕事の早いボーイのナムギュを気に入っており、来るたびに「ナムス、ナムス」と絡んではイラつかせるのが彼のルーティンだ。なお、本人に悪気はない。
「まーまー、そんな拗ねんなって。ほら、これ。お前の大好きなヤツ」
サノスがニヤつきながら、テーブルの下で小さなブツをちらつかせる。
ナムギュの瞳の奥が、一瞬だけ鋭く揺れた。
「……あ、ありがとうございます、アニキ…!」
「おう、感謝しろよ? これ、外じゃ手に入んねえ特注品だからな。」
サノスはナムギュの顎をクイと持ち上げると、わざと耳元で下品なラップを刻み込む。ナムギュは屈辱に指先を震わせながらも、借りてきた猫のように微笑んで見せた。訳はなく、ナムギュは営業スマイルが苦手だった。普通に顔に出た。
ナムギュにとって、この場所はただの職場ではない。サノスという道具から薬を絞り出し、いつか彼を引きずり下ろすためのステージだ。
「アニキ、もっと飲みますか?今日は一段と……ノリがいいっすね」
「ハッ! 俺の時代は始まったばかりだからな!サノスワールド!」
黙れ。
高笑いするサノスの背後で、ナムギュは冷たく沈んだ瞳でその首筋を見つめる。サノスの高笑いが、防音仕様の壁に跳ね返って空虚に響く。
ナムギュは恭しく頭を下げながら、テーブルに散らばった空のボトルを片付けるふりをして、サノスの視線を巧みに誘導した。
「アニキ、そんなに飛ばして大丈夫すか?明日ライブでしょ?」
「ハッ、だいじょーぶだよ。このサノス様だぞ?」
サノスは上機嫌で、手元のグラスを一気に煽った。
その瞬間、ナムギュの指先が電光石火の速さで動く。サノスが「特注品」だと言って見せびらかしていたヤクが、吸い込まれるように、ナムギュの袖口へと消えた。
サノスが異変に気づいたのは、それから数分後のことだった。
朦朧とする意識の中で、彼はさらにブツを欲して、テーブルを探る。
「……おい、ナムス。さっきの、どこやった?」
「さっきのって何すか?」
ナムギュの声は、先ほどまでの卑屈なトーンとは似ても似つかない、勝ち誇った、とでもいうような明るい声だった。
サノスは眉を潜め、焦点の合わない目でナムギュを睨みつける。
サノスは苛立ちを露わにし、テーブルを強く叩いた。
「ふざけんな……! さっき渡しただろ、アレだ、特注の……っ!!全部やるとは言ってねえだろ!!」
しかし、追い求めている快楽の欠片はどこにもない。視界がぐにゃりと歪み、耳の奥で鳴り響く重低音が、今や心臓を握りつぶす不快なリズムに変わっていた。しぬ?やだ。しにたくない。いやだ。
ナムギュは手にした空のボトルをサイドテーブルに置くと、ゆっくりとサノスの方へ向き直った。
「あーにき、探し物はこれですか?」
ナムギュが指先で弄んでいたのは、先ほどサノスから奪った小袋だった。それを無造作に、床にぶちまける。白い粉がネオンの光を反射して、汚らしく散らばった。
「あ……あぁッ! お前、何して……!」
「ああ、すんません。手が滑っちゃった」
ナムギュは凍てつくような笑みを浮かべ、膝をついて手を伸ばそうとしたサノスの胸ぐらを、力任せに掴み上げた。
「ひっ……!」
ナムギュの異様な気迫に圧され、ソファに深く沈み込む。
ナムギュはサノスの顔の横に膝をつき、逃げ場を塞ぐように覆いかぶさった。
「お前……ナムス、離せ……っ。誰に向かって……」
「ナムギュだって、何回言えば良いんだよ。なぁ、アニキ。いつになったら名前覚えるんすか?俺何回言いました?ナムスナムスーって。面白いと思ってるんすか?あー、思ってるか。じゃあさ、もっと面白いこと言ってみてくださいよ」
サノスの顔が、恐怖と混乱で引き攣る。
「ひ、ひぃっ……! な、ナム……ナムギュ! 悪かった、悪かったって!」
「あはは、アニキ。さっきまでの勢いはどうしたんすか? その高い毛皮も、今じゃただのゴミに見えますよ」
ナムギュはサノスの胸ぐらを掴んだまま、もう片方の手で彼の顎を乱暴に固定した。逃げようともがくサノスの体に、ナムギュは自身の体重を預けて完全に押し潰す。
「……っ、やめろ、何するつもりだ……! 誰か、誰か!!」
「無駄ですよ。ここ、VIPルーム。つまり、完全防音。アニキが『誰も入れるな』って厳命したの、忘れちゃったんすか? 自分で掘った墓穴っすね。最高にロックだ」
ナムギュはサノスの耳元に顔を寄せ、先ほどのお返しと言わんばかりに、低く、湿り気を帯びた声で。ただし、そこに敬意の欠片もない。
「あんた、この薬がなきゃ何もできないんでしょ? 震えてるじゃないですか。……ねぇ、そんなに欲しければ、別の『いいもの』を教えてあげますよ。薬よりずっと気持ちよくて、死にたくなるようなやつ」
「な……にを……っ!」
ナムギュの指が、サノスの喉元から胸板へと這う。高級なシャツのボタンが、ブチブチと音を立てて弾け飛んだ。ネオンの青と赤が、無防備に晒されたサノスの肌を毒々しく染め上げる。
「やめ……離せ、俺にこんなことして、許されると…!!」
「はいはい、そうですね。そんな偉そうな口叩けるのも、今のうちだから。」
ナムギュはサノスの抵抗を軽々と封じ込めると、その唇を強引に塞いだ。
それは接吻というよりも、獲物の息の根を止めるための、暴力的な侵食だった。
「んんっ……!! ぷはっ、はぁ、は……っ」
唇が離れた瞬間、サノスの瞳からはボロボロと涙が溢れ出した。薬の禁断症状か、あるいは眼前の男への恐怖か。ナムギュはその涙を指ですくい取り、嘲笑うように自分の舌に乗せる。
「いい顔っすね、アニキ。あんたのライブよりずっと見応えある。…朝までたっぷり気持ちよくなりましょーよ、2人でね。名前覚えてくれるまで、何度も、何度でも」
「い、いやぁ゛っあ、、!」
ナムギュはサノスの首筋に顔を埋め、獣のように歯を立てた。
その鋭い痛みすら薬に冒された脳には快楽として変換され、サノスの体を蝕んでいく。
「あっ、あ゛っ……やだぁッ!やめでぇえ!!もぉやだぁあ!!」
「いやじゃない」
サノスの悲鳴は、防音の壁に吸い込まれて消えた。
「ね、アニキ。これみて。」
「あ、あぁ……っ」
ナムギュは、ぐったりとソファに沈み込んだサノスの目の前に自身を突き出した。
「ほら、俺の。アニキがあんまりにもエロいから、もうこんなになっちゃった」
サノスは目の前に現れたグロテスクな男根を、熱に浮かされた瞳で見つめる。
「舐めて」
ナムギュはサノスの髪を乱暴に掴むと、その唇に自身を押し当てた。
サノスは一瞬怯んだが、すぐに観念したように口を開き、ゆっくりとそれを口内へ迎え入れる。
じゅぷ、ぐちゅ、という水っぽい音が、VIPルームに反響する。
ナムギュが腰を揺らすたび、サノスの口から苦しそうな声が漏れる。しかしそれは苦痛ではなく、快楽によるものだ。
ナムギュはサノスの頭を両手で掴み、さらに激しく腰を打ち付ける。喉の奥まで犯され、サノスの瞳からは再び涙が流れ落ちた。ナムギュはその涙を舌で掬いながらも、容赦なく喉の奥を犯し続ける。
やがて絶頂に達したナムギュは、そのままサノスの口内に欲望を吐き出した。
「おぇ、゛、」
「あー、アニキ、溢しちゃダメですよ。ちゃんと飲んで。」
ナムギュはそのまま自身を引き抜き、ソファにもたれかかった。荒い呼吸音だけがVIPルームに響く。
次の瞬間、サノスが頭を掴まれていた手を乱暴に振り払った。そして涙と涎で汚れた顔を拭いながら立ち上がり、怒りに任せてナムギュの顔面に平手打ちを見舞う。
小気味よい乾いた音が響き、ナムギュの頬が赤く染まった。
「……あはははは、アニキ、いいっすね、それ」
ナムギュの口元が、嗜虐的に歪む。サノスは恐怖に顔を引き攣らせながら、後ずさりした。
「俺優しいからさ、もう辞めてあげようと思ったんだけど。本番、行きましょっか。」
「な、に、、!!」
ナムギュが立ち上がり、サノスを無理やり壁際に追い詰める。もう逃げ場などなかった。壁に手を突き、その尻たぶを鷲掴みにする。
「や、やだ……っ! やめ……」
「ヤダじゃないでしょ。」
ナムギュはサノスの耳元で低く囁くと、そのまま後孔に自身の先端をあてがった。
「ひっ……!」
「大丈夫っすよ、力抜いて。俺に任せればすぐ気持ちよくなるから。」
ナムギュは優しく語りかけながら、ゆっくりと腰を進める。
「あ、あっ……! だめ、入っちゃ……ッ!」
サノスは弱々しく抵抗するが、その声を無視してナムギュは容赦なく押し進める。やがて、ナムギュのものが根元まで挿入された。
その質量に、サノスは苦しげに喘ぐ。しかし同時に、薬によって敏感になった体は快楽を感じ取っていた。
数時間後。部屋の湿ったい空気がより目立っていた。
「んぇ゛ふぐ、ぅ、ぐす、♡ぁ、゛、」
「あ、泣いちゃった」
ナムギュはサノスの涙を舐め取りながら、ゆっくりと抽挿を開始する。
「ひぁっ、あ、ぁ♡ あ゛っ♡」
サノスの口からは快楽に染まった声が溢れ出し、ナムギュの動きに合わせて腰が揺れる。薬によって理性を失った彼は、もはや本能のまま快楽を貪るしかなかった。
ナムギュが腰を動かすたび、ぐちゅりという粘着質な音が響く。そのリズムに合わせるように、サノスの声も高くなっていく。
「ね、気持ちい?返事して、アニキ」
「き、ぎもぢぃ゛い♡ぅあっ、あ゛っ! もっと、奥、突いてぇ♡」
サノスは理性を失った瞳で振り返りながら、ナムギュに懇願する。その瞳は完全に快楽に溺れ切っていた。
ナムギュは満足げに微笑むと、さらに激しく腰を動かす。その衝撃に耐え切れず、サノスの体はガクガクと震えた。
「あ゛ぁ〜ッ!!♡しゅごぉお♡♡ きもちぃいい♡♡」
「あは、さっきまであんな嫌がってたのに。」
ナムギュはサノスの首元に顔を近づけると、強く吸った。
「んあ゛っ!♡ あっ、あぅ、もっとぉ……♡♡」
サノスはその刺激すら快感として受け入れてしまう。もはや完全に薬漬けだった。
「ね、アニキ。俺と一緒に住みません?」
「んぇ……?」
ナムギュはサノスの耳元で囁く。
その声色には、どこか切実さが滲んでいた。
「あ゛っ♡ あ、あっ♡」
ナムギュが腰を動かすたび、サノスの口から甘い吐息が漏れる。その瞳は快楽で濁りきっていた。しかし同時に、どこか寂しげな影も宿していた。
「アニキ、俺ね。ずっと寂しかったんすよ。」
「あ、あっ♡」
ナムギュはサノスの体を後ろから抱きしめ、首筋にキスを落とす。その刺激にも反応してしまうほど、今の彼は敏感になっていた。
「でもさ、今は満たされてんの。薬よりも、もっと気持ちいいもの手に入れたから。」
ナムギュはサノスの耳元で優しく語りかける。それはまるで、母親が子供に絵本を読み聞かせるような声音だった。
「アニキだってそうでしょ?今俺と一緒に住んでくれたらさ、もう薬なんか要らないっすよ?」
「あ゛、あぇ……っ♡♡」
ナムギュがさらに激しく腰を打ち付けると、サノスの口からはもはや意味をなさない言葉が漏れるばかりだ。しかしそれでもなお快楽を求めて、自分の腰を揺らしてしまうほど理性は崩壊していた。
「んあ、ぁ、あっ♡ きもちぃい゛っ♡ もっとぉ!♡♡」
もはや自我など残っていない。あるのは快楽を求める本能だけだ。ナムギュはサノスの顎を捉え、強引に自分の方を向かせると唇を奪った。口内に舌を差し入れ、歯列をなぞるように動かす。するとサノスもそれに応えるように舌を絡めてきた。
そのまましばらくキスを続けた後、ゆっくりと口を離す。2人の間に銀色の糸がかかった。
「…まあ、検討しといてくださいよ、アニキ」
ネオンの明滅が、汗ばんだ二人の肌を毒々しい紫に染め上げる。
ナムギュは、もはや自分の意志で形を保つことすらできなくなったサノスの体を、背後から慈しむように抱き寄せた。先ほどまでの暴力的な勢いは形を潜め、今はただ、壊れ物を扱うような手つきでその胸板を撫で下ろしている。
「……あ、あぁ……。ナム……ギュ……」
途切れ途切れに、ようやく紡ぎ出された名前。
ナムギュの口元が、今日一番の、そして最も純粋な歓喜に歪んだ。
「あ、やっと呼んでくれた。そう、俺はナムギュです。ナムスじゃなくて。」
ナムギュは、自身の欲望をサノスの最奥に沈めたまま、再びゆっくりと腰を動かし始めた。今度は快楽を叩き込むためではなく、その存在を自分の一部として刻み込むような、執拗で深い動き。
「ひ、ぁっ、あぁ……♡ ん゛んっ……!」
サノスは首を後ろに反らし、ナムギュの肩に顔を埋めた。
ラッパーとしてのプライドも、虚飾に満ちた名声も、この密室の重低音にかき消されていく。残されたのは、自分を支配する男の体温と、脳を灼き尽くすような痺れだけだ。
「いいっすよ、アニキ。全部忘れて俺だけ見てればいい。外の世界なんて、もうどうでもいいじゃないですか」
ナムギュは、サノスの指に自分の指を絡め、テーブルの上に散らばった白い粉を無造作に踏みにじった。
「薬が切れたら、また俺がこうしてあげますから。……ね? 俺たち、最高のパートナーになれますよ。」
「ぁ……はっ…♡」
薬の残滓か、あるいは極限の快楽がもたらした錯乱か。
サノスが漏らしたその言葉に、ナムギュの瞳が底知れない暗色に沈む。彼はサノスの体をひっくり返すと、今度は正面からその四肢を拘束し、さらに深く、容赦なく突き上げた。
「……ははは、大好きですよ、アニキ。
壁一枚隔てた外では、狂乱のダンスミュージックが鳴り響き続けている。
しかし、鍵の閉まったこの部屋だけは、濃厚な精の匂いと、支配と服従が入り混じった甘美な悲鳴だけが、朝が来るのを拒むように渦巻いていた。
二人の影がネオンの下で重なり合い、一つに溶けていく。
それは、堕ちていく者にしか見えない、地獄の底のような多幸感だった。
コメント
7件

まーじで待ってました😭😭やっぱり★さんの書くナムサノなんですよおおお!!! 次のナムサノもまってます😭

えーん待ってました😭😭💞💞リクエスト答えてくれてありがとうございますほんとに感謝感激です🥲🥲 シチュエーションと文章が最高すぎます…神作すぎる ★さんの小説でしか得られない栄養があります大好きです‼︎!😿
うぁーーー😭まだナムサノ書いてる方いた😭💕ほんとに神すぎますいつもお世話になっております本当に。😭😭😭😭