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布団に転がりながら窓を見る。

遠くにある家の明かりをじっと見つめていると、

「もしかしたらあの子目が合っているかも」

なんて気持ちになる。

スマホの画面をかざしても見えないあの子は今、何処を見ているのだろう。


いつも隣にいるはずの少女が今日はいない。

すれ違うことはあってもお互い他人みたいに振る舞う。

傍から見ればただ喧嘩している二人に見えるだろう。

でもこれは喧嘩じゃない。

二人が、二人であるための行動。


僕らはオンラインゲームで会った。

初めはとても話が合って、楽しく二人でよく遊んだ。

学校でもその話を幼なじみの子に沢山話した。

幼なじみも同じような話をするようになり、お互い「もしかしたら」と思うようになった。

だから一度聞いてみた。

「ねぇ、アイリってさ…咲?」

『あれ、てことはやっぱり涼太?』

「うん!」

世間は狭いなぁとつくづく思った。

その時僕はふと、咲の家の方を向いた。

でも咲の家は、向かいの向かいの向かいの向かい。

窓から少しだけ見える程度。

「「あのさ、提案があるんだけど…」」

「先にどうぞ!」

『いやいや涼太こそ』

二人で大笑いした。

まさかこんなに被るとは思わなかった。

『あのさ…学校で少し距離置いてみない?』

「俺もそれ言おうと思ってた!」

『そんな事あるの!?』

「あるんだそれが!」

こんな軽い会話で僕らは距離を置くことにした。

理由は簡単。

リアルで少し距離を置いてみた方がゲームの時お互いの話がたくさん話せて楽しそうだから。

効果はというと…

「うわー負けた!」

『ふふん!てか今日ミキにね!』

そんな感じで成功!

お互い距離を置いているから話の引き出しが今までより増えたのだ。

でも僕は少し不満があった。

いつも咲は僕の隣にいて、二人で楽しく学校でも話していたのに、最近は”二人の会話”がなくなっていて少し寂しかったから。

そして最近気づいたことがある。

僕は咲の事が好き、ということに。


「あのさ…また学校でも一緒に話さない?」

飴玉達の集まり場(短編集)

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