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私はそれからというもの、ビネガーの下に生まれ、力を私の中に入れられてからは、その度に逃げ出し、人目のつかないところで過ごしてきた。夜は野宿、買い物の時はローブを被って顔を隠す、基本誰とも喋らない、やることがないなら武器や自分の経験値稼ぎ。ずっとそんな生活。それだけで良かった。でも―やはり奴は、そんな安寧すらも許してはくれなかった。捕まり、己が力によって死に、また生まれ、逃げては捕まる。ただひたすらこの繰り返し。もう嫌だ、と言う気力も残っていない。かといって、足掻く術なんか私には思い浮かばない。