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「なぁ、どこ行ってたん。」
まただ。
熱に浮かされたように俺の肩を掴むまろ。
痛い。
『…今日は、会食で。』
嘘。嘘に決まってるでしょ。
こんな所にずっと居たら、さすがの俺でも気が狂ってしまう。
…浮気相手の所に、行ってただけ。
今となってはもうこっちが浮気相手、かもだけど。
「嘘、絶対嘘。それはもう信じへん言うたやろ。」
じゃあなんで聞いたんだろう。
なんて言ったらきっと。
だから言わない。
「なぁ、なぁ、なんで……なんで…お金だって全部全部自由に使わせてやってるやん。」
「好きなんよ、どうしようもなく…だから、全部捧げとんのに。」
彼氏の癖に、しゃがんで俺の服を握りしめる。
捨てないで、って懇願してるかのように。
『…そういうところだよ。』
思わず漏れた言葉に、ハッとした時、もう遅い。
髪を掴まれて、床に押し倒される。
巨体がもたれかかってきて、苦しい。
『う”、っ』
声を出した次の瞬間、首を掴まれる。
苦しい、苦しい、苦しい。
気をつけていたはずなのに。
「…そういうところって何?」
「俺はないこに好かれる為に全部全部取り繕って、壊したい衝動も抑え込んでるのに。」
抑え込みきれてないよ。
「なぁ、最初はずっと好きすき言ってくれてたやん。あれはなんだったん?」
「こうやって最後に本音言って、上げて落としたかっただけ?」
違う、それはまろが…。
「俺、最初のないこのほうが好きだったよ。ないこが変わっちゃった。戻さなきゃあかん。」
…まろが、変わったから…。
首の圧迫感がさらに強くなる。
変な所に手が当たって、
くるしい。気持ち悪い。痛い。帰りたい。最初に。
なんで、なんで、こうなって、
生理的なのか、それともそうじゃないのか、生暖かいものが頬を伝う感触がした。
手の力は弱まらない。
「…なん、だよ…、」
「…んで、泣いてんだよ。」
泣いてるのは俺だけじゃないでしょ。
大粒の雫を垂らしながら、乾いた笑みをしてるのはお前だろ。
傷ついたんだよ。
俺もお前も、お互いのせいで。
どうしようもなく、好きなのに。
どうしようもなく、好きだったのに。