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5月7日。本日は誰かにとっては大切な日。日付を限定的に言っているので
お察しの方も多いとは思うが、5月7日は誰かさんの誕生日である。
あ、読者の皆様、もしくは視聴者の皆様の中に誕生日の方がいたらおめでとうございます。Happy Birthday!!
さて、本日は5月7日とその前のお話になります。5月7日よりも前の日。
幸(こう)はいつも通り司を学校まで送っていき、家に帰ってきた。
そこで悩んだ。前から悩んではいたが、日付が刻々と迫ってきたので、本格的に悩むことにした。
一人では解決できそうになかったので、誰かに相談することにした。
まずは朝斗(あさと)にLIMEを入れた。しかしバイトがホストクラブ。
夜まで営業しているし、ホストはアフターがあったり、先輩との付き合いで飲んだり
毎回夜遅く、いや、朝近くまで飲む。なので8時頃は寝ている。
なのでしばらく待っても返信はないし、電話をしてみても出なかった。
ということで連絡する相手を変えた。連絡した相手は整井サラ。サラは幸の同級生。
幸自身は特に仲良いわけではないがLIMEをした理由があった。するとしばらくしてから返信が来た。
サラ「うわっ。なんか珍しい人からメッセ来た」
というメッセージを読んで
それ心で思うことだろ
と思う幸。そこからやり取りが続く。
幸「心で思うことが出てんのよ」
サラ「なにー。仕事中なんですが」
幸「いや、バイトだろ」
サラ「バイトでも仕事中は仕事中でしょ」
幸「LIMEしてんのに?」
サラ「うるさwで?なに?」
幸「いや実はさ…」
と相談したいことを伝えた幸。
サラ「なーるほーどねぇ〜…。ま、そういうことならこのサラ様にまかせなさい」
幸「サラ様ね。ま、頼りにしてるわ」
ということでサラにまかせることにした。そして後日。
「お待たせぇ〜。ごめん!」
と帆歌(ほか)が待ち合わせ場所に来た。
「おうぅ〜。割とひさびさ?」
サラがスマホから目を上げて言う。
「そうだね。サラが忙しそうだから」
「そんな忙しかないけどね?」
「でもひさしぶりに会えて嬉しい」
「おいおい〜。私をキュンキュンさせてどうする気よ」
なんて話ながらランチに向かった。お店に入り、注文を済ませ
注文していた料理やドリンクが届き、おしゃべりしながら食事をする2人。
「帆歌はまだ大学生だっけ?」
「うん。まだ大学生。サラもでしょ」
と笑う帆歌。
「私はギリギリ大学生ってだけだから。崖っぷち大学生ですよ。留年確定だし」
「あらら」
「まだ執事もやってんだっけ?」
「やってますよぉ〜?」
「すごいよなぁ〜執事。リアルにある職業だとは思わなかったわ」
「前も言ったと思うけど、私もお誘いいただくまで本当にある職業だと思わなかったよ。
マンガとかアニメの中の職業だと思ってた」
「それなぁ〜」
「サラは?まだあのアパレルショップで働いてるんでしょ?」
「うん。働かせてもらってますね」
「就職するって話もしてなかったっけ?」
「してたしてた。来年卒業できなければ、大学中退して今のとこに就職させてもらう」
「職場環境はどんな感じなの?」
「どんな感じ?…めっっ…ちゃ、アットホーム。先輩たちもめっちゃいい人たち」
「そうなんだ?じゃあ就職先は決定したも同然だね」
「そうなのよ。もう他では働けない。
…あ!そうそう!新人入ったときにやるゲームがあってね?バイトでも正社員でも」
頷く帆歌。
「「最終なぁに?ゲーム」っていうんだけど、知ってる?」
「うん。聞いたことはある。やったことはないけど」
「お。じゃあ、食べ終わったらやってみる?」
「えぇ〜。難しくない?」
「難しくない難しくない。いわば連想ゲームだから、私より頭良い帆歌なら楽勝よ」
「いや、頭は良くないけどね?」
「嘘つけよ。高校んときだってさ」
と高校の懐かし話で盛り上がった。高校の「あのときのあれさぁ〜」トークで盛り上がっていたら
いつのまにか主要なご飯は食べ終えており、サイドメニューと飲み物だけとなった。店員さんが
「お済みのお皿お下げしてもよろしいでしょうか」
と言ってくれて、お願いをしてお皿を下げてもらった。
「鷺崎ってさ、なんであんな情報通だったん?」
「こーくん?」
「そ。そのこーくん」
「いや、こーくん、みんなと仲良かったから。男女問わず。サラだってこーくんと仲良かったじゃん」
「良かったぁ〜…か?」
「よく話してたじゃん」
「いや、よく話してはないよ。あいつサボり魔であんま教室いなかったし」
「仲良しじゃん」
と言う帆歌に、ニヤッっとして
「妬くなよぉ〜」
と言うサラ。
「はい?妬いてないけど」
「まあまあ。で、その鷺崎から情報を得て、帆歌も情報通になったというわけね」
「そういうこと」
「女子会には必ず帆歌呼ばれてたもんね」
「うん。一軍女子の集まりにもなぜか呼ばれたことあった」
「うわ気まず」
「そうなの。でもね?意外とわーい系じゃなくてさ?」
「え。そうなん?教室でめっちゃ騒いでたじゃん」
「うん。私もその印象だったけど、テンション上がるとわーい系になるっぽくて
ファミレス一緒に行ったとき、最初は静かでさ?」
「意外すぎる」
「うん。で、恋バナなったときは「えぇ!?マジで!?やったじゃーん!!」みたいな感じ」
「あぁ。教室のあの感じね」
「そうそう」
「いやぁ〜…。しんど」
と項垂れるサラ。
「なに?どうしたの?」
「いや、もう高校生活懐かしいとかしんどいなって」
「あぁ〜…。今付き合ってる人いないの?」
「話急ハンドル」
「いや、恋バナの流れで」
「あぁ〜。今はいないね」
「いい感じの人とか好きな人も?」
「んん〜…好きな人もいい感じの人もいないけどぉ〜…
それこそ高校の話で言うなら、帆歌、野田元(のだもと)って覚えてる?」
「うん。覚えてるよ?サラのこと好きだった人」
「うん。ま、それ聞き出したのも帆歌だけどね」
「あ、そうだっけ」
「そうですー」
「ていうか好きとか以前に元々仲良かったよね?」
「んん〜…。ま、男子の中では気は合うほうではあったかな?」
「で?野田元くんがどうかした?」
「成人式からまた連絡取るようになったのさ」
「ほお」
「んでまた告られたのよ」
「マジで?」
「マジで」
「でも付き合ってる人いないってことは」
「うん。フリました」
「…」
合掌して軽く頭を下げる帆歌。
「でも一途だね」
「そうねぇ〜。フった後でも「諦めない」って言われたわ」
「すご」
「ブロ削(ぶろさく(ブロックして削除すること))しようか迷ってんだよね」
「あ、迷惑な感じ?」
「んん〜…。いや、「可愛い」とか「好き」とか言われて嫌なわけじゃないのよ。むしろ嬉しい。
女の子だから」
と目をパチクリさせるサラ。
「でもさ?野田元に悪いじゃん?」
「あぁ〜。そっちね?」
「そうそう。冷酷に切ったほうが、野田元のためなのかなぁ〜。ってさ」
「サラは気持ち変わることないの?」
「…」
腕を組むサラ。
「…。変わることはない。とは言い切れないよ。私も人間だしね」
「うん」
「ただ、相手の時間を奪うのが悪い気がして」
「なるほどね」
「…「待ってるよ」とは言ってくれてはいるんだけどさ?
私の気持ち、変わるかもしれないよ?でも変わらないかもしれないわけじゃん?」
「そうだね?」
「もし変わらなかった場合、ただただ相手に期待させて、時間を浪費させるだけじゃん?
その間に新しい恋とかできたかもしんないのにさ?」
帆歌は静かに頷く。
「どうしt」
「どうしたらいいと思う?」と聞こうとして止まるサラ。
「あっぶな。私の相談になっとる」
「ん?」
「帆歌、高校のときから聞き上手すぎてみんなの相談役だったじゃん?」
「そうだったねぇ〜。相談窓口だった」
「相談窓口。懐かしすぎる。じゃなくて、帆歌とゲームしたいのよ」
「ゲーム?」
「さっき話したゲーム。「最終なぁに?ゲーム」」
「あぁ〜」
「やり方は知ってる?」
「なんとなくは」
という帆歌にサラはやり方を説明した。
「ま、今回は帆歌が初めてってことだし、2人だけだから「帆歌の欲しいもの」に私が合わせる形にしよう」
「欲しいもの?私が?」
「そ。帆歌もうすぐ誕生日じゃん?だから欲しいもの」
「え。いいよ?プレゼントとか」
「ま。当日は渡せないにしても渡すよ。で、連想ゲームって言ったじゃん?」
とそこから2人だけでゲームをした。
「なるほどねぇ〜…。欲しいものはそんな感じか」
「いや、連想ゲームだから、連想されるものの中ではね?」
「ま、参考程度に」
と言って帆歌のスマホを写真で撮るサラ。それを幸へと送信した。
司を学校に送って家に帰ってから昼過ぎまで寝た幸。
スマホのアラームで起き、スマホのアラームを止めて通知に気づく。
サラ「サラが写真を送信しました」
サラ「サラ様に感謝しなさい」
という通知だった。寝ぼけ眼で通知をタップし、サラとのトーク画面に入る。そして写真をタップして眺める。
「…。なんだこれ」
思わず呟く。思ったことをそのまま送った。
幸「なんだこれ」
サラ「帆歌のほしいもの」
写真は「プレゼント→健康 健康→美味しい野菜ジュース? 美味しい野菜ジュース→いいお野菜
いいお野菜→美味しいお料理 美味しいお料理→レストランとか?」
とメモ帳のアプリに書かれたスマホが撮られたものだった。
幸「引くほど参考にならんのだけど」
サラ「めちゃくちゃ参考になるだろ」
幸「プレゼントでなんで健康とかいう概念書いてんだよ」
サラ「私に言うなよ。帆歌稼いでるし、ほしいものは大概買えるから
もう概念くらいしかないんじゃないの」
幸「ちなみに整井はなにプレゼントすんの」
サラ「わし?わしは服あげる」
幸「オレもそうするわ」
サラ「おい。参考にしろや」
幸「どこをだよ」
サラ「レストランとか行けばいいでしょ」
というメッセージが来て、画面をしばらく見つめ
「…。たしかに」
と呟いた。
幸「たしかに。良いこと言うな」
サラ「でしょ?じゃ、私の誕生日も期待してるわ。高級レストランでいいよ」
幸「すまん。整井の気持ちには応えられない」
サラ「ん?処すぞ?」
幸「怖ぇって」
サラ「じゃあ、Abiのライブチケットでいいよ」
幸「アメリカ行くんか」
サラ「いや、日本公演の」
幸「別にいいけど、日本公演の予定あんの?」
サラ「いや、予定はない」
という返事に「んだそれ」とまで打ち込んで
…レストラン予約して、ご飯食べて…。で終わり?なんか物はあげなくていいのか?
と思う幸。
幸「んだそれ」
幸「あのさ。物はなんかあげなくていいんかな」
と送った。
サラ「じゃあWHOOHMか6SIXIS9のライブチケットでいいよ」
サラ「物?あげたほうがいいわな」
幸「知らんわ。ま、なんかしらのチケット買ってあげるわ」
幸「なにがいいと思う?」
サラ「うん。今ハマってるアーティスト送るから、私の誕生日より後の日程のチケット買うてくれ」
サラ「自分で考えろ」とこちらを指指して言っている女の子のキャラのスタンプ。
「聞いたオレがバカだった」
と呟いて「OK」と「オレがバカだった」というスタンプを送った。
そして司のお弁当の仕込みをして、司を迎えに行き、いつも通り司に夜ご飯を振る舞った。
「本日は天津飯になります。醤油ベースの少し甘めのあんの醤油も最高級で香り高いものを使用し
卵も最高級のものを使用、ご飯なのですが、海鮮ピラフにしております。
海鮮ピラフの貝や海老も、もちろん最高級のもを使用しております」
もちろんすべて嘘。醤油ベースのあんは、カップ麺のスープを使用し
そこに水溶き片栗粉を入れあんにしたもので、卵も至って普通の卵を使用。
少し工夫をしているとしたら1つの卵の白身に対して2つの黄身を使用しているため、少し濃く感じる。
さらに卵の中の海鮮ピラフは冷凍食品。それを解凍して、具を選別し、ご飯は油で軽く炒め
具はお湯で茹で、しっとりさせてから最後にフライパンに入れ、本当に軽く炒めたものである。だけど
「うん。高いものはそれだけ美味しいね」
まんまと騙されている司。そして司が
「おやすみ」
と言って部屋に行った後、事前に仕込みをしておいた司のお弁当の食材でお弁当を作り
その日は早めに就寝した。そして次の日も同じように司に朝ご飯を用意し、司を学校まで送った。
そして家に帰った幸は、いつものように寝るのではなく、私服に着替えて電車で特に目的地もなく彷徨った。
目的地はなかったが目的はあった。その目的のためにいろんな駅へ降りて、いろんなお店に行った。
赤山や己参道(おのれさんどう)、恵位寿(えいす)などにも行って
まずはハイブランド、「Dressing the heart」や「Bad thing thief」などにも行ってみた。
しかしあまりピンとくるものがなく、ハイブランドだが、Theハイブランドではない
お店も入りやすいカジュアル寄りのハイブランド、「2 fash1onable」や「X&O」
「Life in frames」にも行ってみたがピンとくるものがなく
その他にもハイブランドよりも価格が抑えめ、だけどカジュアルなプチプラではない
ちょうど中間くらいのミドルプライスのブランド
「Since 1337/220」や「Piece(peace)of life」などにも行ったがピンとくるものがなく
カジュアルなブランド、「Junk Junkie Junkest」や
サラが働いている「24/7 magic」にも行った。お店に行くとサラがいて
「うわ。なんか来た」
と呟くサラ。
「いらっしゃいませぇ〜」
とサラではない店員さんが幸に言う。幸は気にせず見て回る。
「なに?あのお客さんタイプ?イケメンだもんねぇ〜」
とサラに言う店員さん。
「いや、高校の同級生っす」
「マジで?」
「マジっす」
「元カレ?」
「…。ニーカ先輩。マジでやめてください」
「んだよ。そんな顔で見んなし」
幸は一通り見て、いいものがなくお店を出ていった。サラに気づかず。
「帰った」
「なんか買ってけや」
幸はその後もいろんなアパレルショップ巡った。
「Dressing the heart hands」や「3 O’clock snacks」にも行ったがピンとくるものがなく
もちろんお目当てのものの専門店にも行ってみて、店員さんからいろいろ説明を受け
おすすめなんかもしてもらったがピンとこず、悩んで悩んで
あまり期待せず「Forever Lucky」というお店に入った。
「あまり期待せず」というのは、決して「Forever Lucky」というブランドが評判が良くないとか
ダサい服しか取り扱っていないというわけではない。幸の心持ちの話である。
かれこれ3日ほどかけて、大吉祥寺、甘谷、真新宿という繁華街や
赤山、己参道、恵位寿という場所にまで行って、さまざまななブランドのアパレルショップを巡り
専門店にまで行ったがピンとくるものはなく、半ば妥協しようかと思っていたため
「あまり期待せず」という心持ちになっていたのである。
なので「Forever Lucky」だろうが、どこだろうが期待せずに入っただろう。
「Forever Lucky」はハイブランドでもプチプライスのカジュアルブランドでもない
ちょうど中間くらいの、「そこそこのブランド」
先程ミドルプライスと紹介した「Since 1337/220」や「Piece(peace)of life」と
同じ感じの立ち位置のお店である。
結構オシャレな服やアクセサリーが置いてあるのだが、そこまで値は張らない。
ただ中には高い服やアクセサリーも置いてある。
ちなみに「Forever Lucky」のブランドロゴは、「Forever(永遠)」という意味の「♾️」のマークを2つ
それぞれ縦と横にして「Lucky(幸運)」の四葉のクローバーに見立てたようなものである。
幸はそこでピンとくるものに出会った。幸は即座にそれを購入。
プレゼント用にラッピングしてもらい、家へと帰った。
聖次
514
霜月夢徒
380
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コメント
3件
うわ、第18話読み終えたよ!帆歌の誕生日プレゼントを巡る幸の奮闘、めっちゃ面白かった。サラとのLIMEのやりとりが軽快で、特に「WHOOHMか6SIXIS9のライブチケット」とか「Abiの日本公演予定ない」って流れ、思わず笑っちゃった。帆歌の「健康」って概念が欲しいものリストに書かれてるのも、彼女らしくて好きだな。最後にForever Luckyでピンとくるものに出会えたときは、思わず「よかった!」って声が出たよ。司を騙す天津飯のくだりも、幸の優しさがにじんでてほっこりした。次が気になる!