「こんにちわ〜」と女性の声がした。昨年末に「お悩み相談」に来て、産まれた袋モモンガを貰ってくれと言って、エリザベスを置いていった夫人だった。伊師川さんと言う。「今日はうちの湯文字ちゃんを連れて来ましたの。母モモは覚えているかしら…」山富士女史はエリザベスを連れてきた。布を敷き二匹を合わせたが、直ぐにエリザベスは糞をして山富士の手に上ってきた。「ダメ見たいね…全然覚えてない。」伊師川夫人は湯文字をまたポーチにしまった。「実は、ムーちゃんが死んじゃったって聴いて、オスのモモちゃん要らないかなって、思って。」山富士はギョッとした(この上また悪い奴の世話が増えるのか)と思った。亜漕は「そうねえ、ここはお寺だし、普通の家より広いから、オスを貰ってもイイかもねえ。ね、山富士さん?」夫人は返事を待たず「良かった。お友達のところでオスが産まれたんですって。今度連れて来るわ。」と喜んで帰って言った。山富士女史は「あの、私の様な尼僧修行を増やして頂けるお話しは?」「ああ、今度檀家のお嬢さんで、出戻りの人が実家に居にくいからやりたいって言う人が居るのよ。もうそろそろやって来る筈よ。」と亜漕は事も無げに言った。
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