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⚠ 桃 水
⚠ 死ネタ
⚠ 曲パロ
⚠ R無
地雷さん🔙
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ザッ…ザッ….
葉っぱを踏む度に音が鳴る
鬱陶しいような、でもどこか良いような
そんな音を聞きながら僕はとある場所に向かう
水 「綺麗….ッ」
4月のとある日だった
綺麗な桜を見ていた
桜の花びらは宙に浮いて
はらはらと足元に落ちていった
サンダルで来たものだから
素足に花びらが当たった感触は
少し くすぐったかった
この場所は数ヶ月前に僕の大切な人から教えてもらった
桃「あそこの並木のところにはね ッ !春に なったら桜が並んでるんだよ !?」
水 「ふ~ん….」
当時は右から左に聞き流していた
….まさか来ることになるとはな~( 笑
ザッ….ザッ….
またそんな音を立てながら
先に進んで行く
進んでも進んでも桜の木ばかりで
歩いていく度に人の視線なんか気にならなくなった
途中で足がもつれたりもした
靴紐が解けたりもした
それでも…..何か、何か楽しかった
….普段背を曲げて生きてるような僕っぽくないな (笑
….ふと、とある木の前で足が止まった
別に疲れたわけでもない
何故か、勝手に止まってしまったんだ
桜なんてみんな同じだ
そう思うかもしれない
….でもこの桜は
なにか普通の桜と違った
その桜の花びらが1枚
….また、1枚と
落ちて行く度に大好きな彼との思い出が蘇ってくる
その花びら達で僕の足を埋めていく
この花びらのうるささも彼に教えないといけないな(笑
その桜の木を見ていたら
ふと1枚の花びらに目がいった
水「…. ッ ! 」
その花びらを見れば見るほど
大好きな彼との思い出が蘇ってきた
僕と彼は付き合っていた
….僕から告白して
あれは、高校1年生の夏
水 「僕ッ、乾くんの事が好きですッ!」
「付き合ってください..ッ!」
同棲愛はあまり世間からは認められておらず
正直、ダメ元で告白した
….気持ち悪い、と言われるだろうから
でも彼は違った
桃「へ…、俺もッ、俺も稲荷のこと好きだ った….ッ !」
水「へ….」
ダメ元で告白したつもりが、実ってしまった
そこからは毎日一緒に登下校した
デートも、色んな所に行った
喧嘩だってした
それでも好きで、大好きで
隣に居ないとダメな存在になっていた
そして、高校3年生の3月
桃「もうすぐ卒業だね~…」
水「ね、寂しいな~….」
桃「でも、来年も再来年も、ずっとずっと いむと一緒に居れるのは嬉しいな?」
水「….ッ //」
「そういうの良いからッ!//」
桃「んふ、はいはい(笑 」
卒業しても、ずっと一緒に居よう
そう約束した
ガシャンッ!
水「へ….?」
大好きな彼が死んだ
信じたくもない事実だった
3月の暖かい日
卒業間近だった
大好きな彼は…車に轢かれて亡くなった
葬式は卒業が終わってからにしようとなり
4月まで延びて、4月2日に行われた
棺桶の中にいる彼は、とても綺麗だった
きっとメイクをされているのだろう
….こんなイケメン、他の女の子に狙われちゃうじゃん、( 笑
僕は、棺桶の中の彼をじっと黙って見ることしか出来なかった
水「ッ….( ポロポロ」
気が付けば僕は桜の下で泣いていた
…..卒業証書を持って。
水「卒業してもずっと一緒って約束したじ ゃん….ッ ( ポロポロ」
応えてくれるはずがない桜の木にずっと話し続ける
水「ばか….ッ 、(ポロポロ 」
もし彼が居たら
“ばかじゃないわッ!”
….とでも言ってくれるのかな、( 笑
僕は目を擦り、優しく桜に話しかけた
水「…..卒業しても、ずっと一緒」
「ないちゃん以外に彼氏なんか作らない んだ からッ!」
そう言った瞬間、花びらが1枚落ちてきた
桃「”卒業おめでとう”」
水「へ….ッ?」
急いで周りを見渡す
だが、誰も居なかった
でも確かに、彼の声が聞こえた
….神様になったないちゃんからのメッセージかな、( 笑
そう思いながら、僕は思い切り立ち上がった
水「また来るねッ!( ニコ」
最後に見せる顔は笑顔で。
次は僕の大好きな友達も連れて来れたらいいな。
また来るね、ないちゃん。