この作品はいかがでしたか?
106
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気が付けば其の風景は変わっていた。
目の前にはどれも之も似たような、云わば田舎特有の風景が広がっていた。
無駄に煌めきのある陽の日光が下のアスファルトと、区切りを入れてある黄色い線を照らしていた。斬っとアスファルトは熱しられ熱いことだろう。
私は何かしらの駅のシェルターによって日は遮られ余程には暑くない。
緑鮮やかな木々の葉が風よって揺られ擦れ合う音が、静かな駅には一層響く。
その時片方から、ガタン、ゴトン、とスピードを落としながら、此方へ向かってくるものが来た。
手前に止まれば電車だ。
だが乗る気は無かった。暫くすれば電車は其の儘また動き出し行ってしまった。
私はぼんやりと考えた。
何故此処に居るのか、何故此処に立っているのだろうか。
疑問に思う事は山程有るが一番に、此処に立って直ぐ判明した事は有る。
『平和』
頭にふと過ぎったその言葉。
平和と言う言葉と此処を照らし合わせたら、平和と言う言葉の形にピッタリだなと思った。
生前の私は平和って所じゃ無かったなあ、と死んで早いが生きていた頃の事を懐かしむように思い返す。
やるべき事はやった。彼処の世界なら彼も安心して小説が書けるのだ。
やり残した事は幾らかはあるけれど。
「ッーーーー!」
不意にぶわっと脅威的な強風がふいた。
突然の強風に躰が吹き飛ばされるのかと思い少々縮籠った。
風は余韻を残すかのように最後は柔らかく大人しく吹きおさまった。
何かと思ったが突然の強風だっただけで他に変わり無かった。
そう思った。
視界の隅っこ、私の隣だ。
見知った服装が目に入ったのだ。
私は瞬時に横へ顔を向かせた。
「おだ、さ、く?」
信じられぬ光景に目の前にいる人物ー織田作により喉が突っかかって上手く言葉が出ない上にか細かったが、織田作は気付いたのか此方に顔を向ける。
嗚呼、本物だ。
「太宰…?」
ひゅ、と喉が鳴る。
生前では有り得ぬ事だったのに。
「織田作…」
織田作と私は穏やかな風に服の裾も襟も、髪の毛も煽られて、光を反射してる葉の緑色がキラキラと宝石の様に輝いていた。
「何故太宰、お前が此処に居る?」
「其れは私の台詞だよ織田作」
「…そうか」
もう一つの別世界で行った古き友との会話。
「織田作は、ずっと待ってたの?」
「待っていた、…確かに待って居たのかも、しれないな」
「…?何を言ってるか判んないよ」
私はくすりと笑う。
「実は何十回か俺の目の前に電車が止まったんだが、俺は其れには乗らなかった」
「電車かい?何故乗らなかった?」
「何というか、乗る気が無かった」
彼らしい理由だと思った。
彼の場合簡潔すぎる為、具体的に聞くにはより深掘りしなければ判らない。だが今回はその一言に納得する私が居た。
「君らしいね…」
そんなたわいもない会話は再び電車が向かってくる音がした。勿論のことその電車は私達の駅に止まった。
私はその時、此の電車に織田作は乗らないと行けないと思った。
「織田作、君はこの電車に乗る事を勧めるよ」
織田作はキョトンとした顔で此方を伺って来た。
「どうしてだ?」
「何となくだよ。知ってるかい?こういう場面に置かれた場合、人の直感は少々優れるらしいからね。私の直感さ」
「そうか…。太宰がそう云うならそうなんだろうな。」
織田作はなん迷いもなく、開いている扉へ向かう。
私は立ち止まったままだった。
「太宰、お前は来ないのか?」
「っ…そうだね、と云うか私多分、其れ乗れないし。乗れたとしてもきっと行き着く場所は君とは違うね」
私は色んな人を巻き込んでは利用し、様々なものを犠牲にし、させたのだ。
こんな悪人の私と善人な織田作とでは、待つ場所は同じでも行き着く場所は全くもって違うだろう。これだけは断言出来る。
「…なら、お前が乗らないなら俺も乗らないことにする」
「…は??」
素っ気ない声が出たがそれどころじゃない。何言ってるんだこの彼は。天然ってレベルじゃないよ?
「馬鹿かなのかい君は?いやお茶目な部分は有るとは思ってたけどさ、そこまでとは私知らなかったよ?」
「馬鹿なのは重々承知だ。その承知の上で俺が決めたことだ」
「馬鹿だね、馬鹿すぎるよ君は…私と居たら本来行くべき場所に行けなくなってしまうのだよ?」
「嗚呼、判ってる。」
「じゃぁ何で…?」
「困ってる友人を置いて行くなんて、其れこそ地獄じゃないか?」
私はそんな言葉ではっとした。
そうだ。彼は善人なのだ。優しい、優し過ぎるのだ。生前でも親のいない孤児を自分の手で育てて、困ってる人が居ると迷うことも無く手を差し伸べる。
その困った対象の私に対して織田作は私を…。
そっか…そっかぁ、
「じゃ、あのね、織田作」
「ん?」
「一緒に、居ても、良い?」
「嗚呼、歓迎だ」
私は止まっていた足を一歩前へと出し織田作の元へ駆け歩く。
二人で電車に乗って、空いた席に座り、対面してるガラス越しの風景を見ながら途切れていた話の続きをした。
私はまた違う太宰であって、でも太宰なんだと話をすれば彼は頭を捻った。
生前に起きた事や黒時代の交わした酒はうんと美味しかったよねって振り返ったりもした。
私にとっての『平和』はこれだったのかもしれない。
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ヌア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!(断末魔)
みなさあああああん!!!
何というか…お久しぶり過ぎてもう挨拶の仕方すら忘れてしまったプーメルですぬ🐏❕❕
この期間わたくすぃのテスト事情により全然上げれ無かったことを深くお詫びしますぬ🐏🙇💦
ですがつい先日終わり、その解放による衝撃か脳内エデンが出来てしまいそのエデンで悠長にしておりましたぬ((((
ちなみにテストは『H・M・Y』ですね。
ほんまに
まじで
やばい
ですぬ。
絶望の極み過ぎて逆に可笑しくなりますぬわな🐏
ですが、この先テストはもう暫く訪れない…イコール作業がまた一段と跳ね上がる…!!
サイコー!!!いぇあ!!
ということですぬ(我)
ちなみに今回はbeast世界線でだざむのその後の話で、beastだざむと本編織田作の微腐ですかぬね🐏💪
即興で書いておりますぬ故日本語分がおかしい場合がありまぬが、お気に召ささず(無理ゲー)
では!お時間ですので、また次回会いましょう!次回こそはちゃんと猫化太宰ですぬー!!🐏
お楽しみぬ🐏
ヌットバイヌ🐏👋🏻゛
コメント
3件
違うかもだけど これって 太宰が死んだって事で あってるの? てかBEASTで 太宰さん 死ぬの!? 僕未だ 途中しか読んでないから知らないけど、 嘘でしょ!? 推し死ぬの!? そして織田作と出会えて良かったね 太宰さん 、、
ちなみに私プーメル 天寿を全うした暁には三途の川では無く、駅のホームやバス停とか日常的な公共の場に舞い降り(はしない)乗るべきものに乗っていくのかと思っていましたぬ(何かしらの影響)