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ドットside


俺の恋人であるランス・クラウンはかなりおかしいと思う。面白い。という意味の「おかしい」ではなく異常者であるということだ。

元から愛が重いやつだった。普段の妹への熱い想いを目の当たりにしていればわかるだろう。その愛の重さは妹だけではなく愛した者全てに対してだと知ったのは恋人になってからだ。

ランスは洒落たところがある。服装もそ

うだが行動だ。記念日には必ず高いレストランを予約したり、結構な頻度で花を贈ってきたり、顔も良くてこんなにロマンチックな事をしてくれるなんて全世界の女子が目を輝かせるだろう。しかもランスは神格者。顔、金、性格(一部難あり)の全てが揃ってしまった。

話がかなり脱線している。何故、異常者である。と述べた後に、洒落たところがある。と下げて上げたのか。まぁこの後の話を聞いて欲しい。とりあえずランスは愛が重くて、普段から花を贈ることがあるということだけ頭に入ってれば良い。

とある日、ガチャリ、と扉の開く音がして足音が聞こえてくる。あぁ、ランスが帰ってきたのかと扉の方を振り返りおかえり、と声をかけようとした時、

「アイビーという花を買ってきた。」

「アイビー?ってツタじゃねぇの?花咲くのか?」

「ああ、控えめな花が咲くらしい。」

アイビーというと結婚式での装飾でよく使われている植物だ。その事から花言葉は結婚や愛に関連するものだったはず。

「お前なら花言葉を知っているだろう?」

「あぁ、わぁってるよ。」


“結婚”、“永遠の愛”


まったく、こういうところがいちいちイケメンなんだよな。ま、そんなとこに惚れた俺が文句言えたことでは無いんですけどね。







ランスside


今でも鮮明に思い出す三男との戦い。自分が捨て身で守るという決断が出来なかったらドットが死んでいた。そう考えると“死”を身近に感じてしまいどうも夢見が悪い。

アンナは救えた。神格者という立場を利用して周りの環境も十分に整えた。しかしドットは違う。親族ではない故にできることはかなり限られている。そう、いつ身が危険に晒されてもおかしくないのだ。

そして腹立たしいのがドットは愛されている自覚がない。幼少期のトラウマからか自己肯定感がかなり低い。何度も別れ話を持ちかけられた。理由は全て神格者である俺の足枷となってしまうから。という馬鹿馬鹿しいものだった。勿論そんな事で別れを承諾するはずないし、なんなら毎回愛しているという事を教えこんだ。それでもあいつはダメなんだ。

だから少し攻める角度を変えてみた。自分で気づかせるのだ。

花などに詳しいあいつならわかるだろう。と花屋へ向かう。

アイビー。結婚式の装飾として有名な花。それにちなんで花言葉は“結婚”、“永遠の愛”。

ドットはここまでしか知らない。


まぁ死ぬ気も死なせる気もないが。







アイビーの花言葉……結婚、永遠の愛、


「死んでも離れない」




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